Talisker 10 Years Old
海霧の島から生まれる男性的なシングルモルト
『タリスカー10年』は、アイラモルトの特性とハイランドモルトの要素を見事に融合させた、男性的なシングルモルトの魅力を満喫できる贅沢な1本。口に含むと、リッチな甘さの後にホットな胡椒のような風味が広がり、非常に複雑でフルボディな味わい。微かな海塩の香りと柑橘系の甘さが、力強いピートのスモーキーな香りと調和している。煙のようなスモーキーさが広がり、力強いモルトの風味と相まって、豊かなドライフルーツの甘みが感じられる。ロック、水割りでも楽しめるが、まずはストレートで。
・タリスカー蒸溜所のこと
スカイ島は、インナーヘブリディーズ諸島で最大の島(面積約1660㎢)で、タリスカー蒸留所はその西岸のカーボストのハーポート湾に建っている。2017年にトラベイグ蒸留所ができるまでは、島内唯一の蒸留所だった。スカイ島は"Sky"ではなく"Skye"と書く。島の形状が翼を広げたように見えることから、「翼の形をした島」とか、ヴァイキングの言葉で「雲」を意味するとされている。
スカイ島は複雑な海岸線と高い山々が特徴で、海霧が発生しやすい地域でもあり、別名「ミストアイランド(海霧の島)」とも呼ばれる。海洋性気候で風と海が激しく荒れることがあり、その壮大な自然環境がタリスカー蒸留所で造られるウイスキーの、荒々しさと力強さに反映されているといわれる。
創業は1830年、エイグ島出身のマッカスキル兄弟によって建設された。タリスカーという名前は、兄弟が住んでいた家の名前に由来し、「傾いた大岩」、または「斜面上の大岩」を意味する言葉で、ゲール語とノース語の両方に起源がある。家はスカイ島の領主であるマクロード家の所有であり、18世紀の文豪サミュエル・ジョンソン氏(18世紀英国の文学者、詩人、文筆家、そして初めての英語辞書『ジョンソンの辞書』を編纂した人物)が宿泊したことでも知られている。現在ディアジオ社が所有するタリスカーは、2005年以降大規模な投資が行われ、2018年には全世界で400万本以上が販売されシングルモルトウイスキーのトップ10にもランクされた。
仕込み水は、蒸留所の背後にあるホーク・ヒルに湧く14の地下水源を使用し、そのミネラルとピートがウイスキーの風味に寄与している。仕込みはワンバッチ8トンで、ディアジオ社のグレンオード製麦芽を使用。ヘビリーピーテッド麦芽75%に、ノンピート麦芽25%を加える。これでフェノール値は平均20~25ppmとなり、アイラ島のラガヴーリンやカリラの34~38ppmと比べれば低いが、充分スモーキーでピーティな味わいとなる。発酵槽はオレゴンパイン製で計8基。初溜釜が特徴的で、ラインアームが途中でU字型に2度曲げられている特殊な形状をしている。
さらに昔ながらの屋外ワームタブ方式の冷却装置を使用し、アルコール蒸気がラインアームの途中で冷却されて液化される。これがタリスカーモルト独特の風味を生み出しているといわれる。また、数年前には海水を使用した冷却システムが導入され、年間330万リットル近くの生産能力を持つようになった。熟成には、主に250リットルのリフィル樽を使用し、樽材からの影響を最小限に抑えているが、スモーキーさと潮の香りを引き立てている。
スコットランドの文豪であるロバート・ルイス・スチーブンソン氏(19世紀スコットランド出身の詩人、小説家、エッセイスト。『宝島』、『ジキル博士とハイド氏』などの著作がある)は、タリスカーを「酒の中の王様」と称賛し、世界中に熱狂的なファンがいる。観光客も急増し、年間5~6万人がタリスカー蒸留所を訪れている。
Data
所有者:ディアジオ社
所在地: Carbost,Isle of Skye
URL:https://talisker-online.jp/
創業年:1830年
蒸留器:ボール型、ストレートネック型
アルコール度数:45.8度
容量:700ml
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