魔法の液体「生命の水」ウイスキー
ウイスキーは穀物を大麦麦芽で発酵させて蒸留し、樽で熟成させたスピリッツです。蒸留技術がどこで生まれたかは、はっきりとは分かっていませんが、記録としては紀元前から存在すると記録には残っています。しかしこれは香水を造るためのもので、お酒を造るためのものではありませんでした。
蒸留酒をつくるための蒸留器は、12世紀頃から登場します。アラブ人が蒸留技術をヨーロッパへ伝え、錬金術師たちが技術向上させたのでは、といわれています。蒸留技術は当初、海水を水と塩に分離するために研究されていましたが、その技術を酒造りに応用した訳です。
13世紀後半、錬金術師のアルノー・ド・ヴィルヌーヴは、蒸留で造った強い酒を「アク・ア・ヴィテ(ラテン語で生命の水)」と呼びました。アクア・ヴィテはやがて、「エリクサール(不老長寿の秘薬)」と喜ばれヨーロッパ中へと広まっていきました。
ウィスキーの種類
・モルト・ウイスキー
麦芽(モルト)だけを使い、単式蒸留したウイスキー。
・グレーン・ウイスキー
モルトの他に、トウモロコシやライ麦などを原料に、連続式蒸留機を使って造られたウイスキー。
・ブレンデッド・ウイスキー
多くのモルト・ウイスキーと2~3種類のグレーン・ウイスキーをブレンドしたウイスキー。
・ヴァッテッド・ウイスキー
他の複数の蒸留所で蒸留したモルト・ウイスキーの原酒を、ブレンドして造ったウイスキー。
原産国による分類・世界の5大ウイスキー
・スコット・ウイスキー(スコットランド)
モルトとグレーンがあり、スモーキーな香りが特徴。
・アイリッシュ・ウイスキー(アイルランド)
麦芽やトウモロコシなどを使い、ピーとは使わない。まろやかな味わいになる。
・アメリカン・ウイスキー(アメリカ)
バーボンや、テネシーやライなどがあるが、赤い色合いが特徴。
・カナディアン・ウイスキー(カナダ)
トウモロコシやライ麦などが主な原料。ブレンドにより絶妙なライト感が生まれる。
・ジャパニーズ・ウイスキー(日本)
控えめなスモーキーの香りに、バランスの取れた味わいが特徴。