アランモルト10年

Arran 10 Years Old

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甘くフルーティな味わいの新アラン・ウォーター

『アランモルト10年』は、フルーティーで軽やか、バランスの取れた味わいが特徴のフラグシップ・ボトル。10年熟成の割には濃厚で、若干スペイサイドモルトのような華やかさも感じられる。柑橘のような爽やかな香りと、フルーティーで穀物感の強い風味が楽しめる。ピート臭が少なく、オールラウンドに楽しめるバランスに優れているので、ウイスキー初心者にもオススメ。


・アラン蒸留所のこと

アラン蒸留所の創立は1995年。スコットランドで新しい蒸留所の一つ。アラン島(アイル・オブ・アラン)の北岸、ロックランザの村のはずれに位置している。アラン島は、ノース海峡に面している入り江の、クライド湾内で最大の島である。 南北30km、東西15km、面積約427㎢という種子島と同程度の小さな島で、航空写真で見ると南北に長いソラマメのような形をしている。人口は約5,000人。

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西岸海洋性気候で、夏涼しく冬でも寒さはさほど厳しくはなく、雨量も年間を通して安定している。 地形的・地質学的な特徴がスコットランドと酷似していることから、「スコットランドのミニチュア」と称される。英国王室の避暑地にもなっている島でもある。

アラン蒸留所の創業者はハロルド・カリー氏。シーバス・ブラザース社やキャンベルディスティラーズ社で社長を務めた人物。「自分の蒸留所を持ちたい」という夢を抱き、蒸留所がなかったアラン島に着目する。御年70歳である。

かつてアラン島は、最も多いときに密造所を含め50以上の蒸留所があり、「アラン・ウォーター」と称される良質のウイスキーがつくられたていた。そのクオリティーの高さは、グレンリベットに比肩するほどだったといわれる。

しかし、1837年に最後の合法的な蒸留所だったラッグ蒸留所が閉鎖されて以降、1滴のウイスキーも造られていない。アランウォーターの復活を願う島民の求めもあり、約160年ぶりに誕生したのがアラン蒸留所である。

蒸留所建設に際し、問題となったのは建設資金だった。ウイスキーは造ってもすぐに商品化できるものではなく、熟成にも最低3年を要する。シングルモルトとして出荷するには、10年は必要とする。その間の維持費用もかかり、小さな蒸留所でも最低1,500万ポンドほどの費用が必要とされる。

しかも、アラン蒸留所は独立採算制。既存の蒸留所のように、ブレンデッドとして決まった供給先があるわけではなく、シングルモルトとして販売するより他はない。そのための広告費にも、莫大な資金を必要とする。それらの費用を、どう捻出するかが最大の懸念事項だった。

思案の末、カリー氏の息子のアンドリューが思いついたのが、独自の債券「ポンド」の一般販売だった。購入者は、5年後に5ケースのブレンデッドモルト、と8年後には5ケースのシングルモルト優先的に受け取ることができ、その後も生涯割引価格で購入できるというもの。現在でいうところの、クラウドファンディングの発想で、これで資金調達の目途が立った。

仕込み水は、蒸留所の背後ロサ渓谷の上流にあるロッホ・ナ・ダビー湖を源泉とする、蒸留所のそばを流れるイーサン・ビオラック川の湧水を使用。赤い花崗岩とピート層を抜けてくる、まろやかで独特の風味を持っている水である。麦芽は、アルコール収率の高いオプティック種の大麦を使ったノンピートのものを使用。

ストレートネックの小型ポットスチルで、少しずつゆっくり丁寧に蒸留されている。 熟成にはフレンチオークの樽や、シェリー樽やワイン樽を使用し、個性的な芳香を生み出す一因となっている。麦芽の自然な甘さと香ばしさがあり、フレッシュでなめらか、様々なウッドフィニッシュも魅力的である。

アラン蒸留所は、1995年8月17日に正式オープン。蒸留所には、アイラ島の観光資源のひとつとして、ビジターセンターも併設されている。1997年に行われた除幕式には、エリザベス女王が公式訪問している。その後2019年には、「アラン蒸留所」から「ロックランザ蒸留所」に改名、ボトルパッケージも一新した。翌年には、アラン島の南に位置するラグ蒸留所を稼働。ヘビリーピーテッドタイプのウイスキーも造られるようになった。

 

Data

所有者:アイル・オブ・アラン・ディスティラーズ社

所在地:Lochranza,Isle Arran

URL:https://www.arranwhisky.com/

創業年:1995年

蒸留器:ストレートネック型

アルコール度数:46度

容量:700ml

 

 

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