Ardmore Lagacy
ピーテッドとノンピーテッドの調和がつくる唯一無二の味わい
『アードモア レガシー』は、スモーキーモルトの入門編として最適な一本。ピーテッドモルトとノンピーテッドモルトを比率8対2でブレンドしており、やや煙っぽいスモーキーさを感じさる。スモーキーさの中にバニラの甘さやオレンジのような柑橘類の香りを感じられ、加えて、シナモンのようなスパイシーさも程よく香る。口に含むとシルクのような舌触り、ハチミツのようなまろやかさとスパイシーさが程よく喉に残り、しばらく続く余韻を楽しむことができる。また、3,000円前後と比較的入手しやすい価格帯で、コスパ・ウイスキーともいえる。
・アードモア蒸留所の歴史
アードモア蒸留所は、スコットランドのアバディーンシャー州ケネスモント近郊、ボギー川のほとりの牧歌的な丘陵地の中にある。この地域はスコットランドの東ハイランドとスペイサイドの境界付近にあるが、分類は東ハイランドに属する。周囲は大麦の産地であり、ピートや清冽な水も容易に入手することができ、ウイスキー造りに最適な環境であることからこの地が選ばれた。
1898年、ウィリアムティーチャー&サンズ社の二代目・アダム・ティーチャーが、自社製造のブレンデッド・ウイスキー『ティチャーズ・ハイランドクリーム』の原酒確保のために設立された蒸留所である。「アードモア」とはゲール語で「大きな岬」という意味。海のないハイランドの山中にあるのになぜ岬かというと、ウィリアムティーチャー&サンズ社の創業者・ウィリアム・ティーチャーの邸宅の名前。自身も生まれ育った思い出の家の名を、新しい蒸留所の名に冠した。
1974年、アードモア蒸留所は拡張し、合計8基のスチルを設置した。2001年には、スコットランドで最後に火入れから蒸気加熱式スチルに切り替えた蒸留所のひとつとなりました。2014年、ビーム社がサントリー社に買収されたことで、所有者がビーム・サントリー社となる。また、アードモア蒸留所は、かつては独自に麦芽製造会社と樽製造会社を持っていたが、麦芽の製造は1970年代半ばに中止し、樽の製造も1980年代後半に中止となった。以降は、他社より麦芽や樽を購入して生産している。
現在の仕込みはワンパッチ麦芽12トン。余り知られていないが、アードモア蒸留所では昔からピーテッドモルト(フェノール値12~14ppm)と、ノンピートモルトの2つの原酒を造ってきた。これは「ティーチャーズ」の原酒にスモーキーなものが必要だったからで、ノンピートモルトは他社との原酒交換のために造られていた。現在も両方造られているが、その比率は6対4くらい。そのためアードモアでは、シングル・モルトとしてボトリングされたことはなかったが、ビーム・サントリー社の所有となってから「アードモア・レガシー」に注力するようになった。
仕込水には蒸留所の北に位置する、ノッカンディの丘に湧く清冽な水を使用。糖化層はセミロイターの巨大なマッシュタンを使用し、糖化に7時間余りをかけている。発酵槽はダグラスファーの木桶発酵槽で14基あり、ディスティラー酵母で53時間をかけて発酵させ、アルコール度数8.6または8.7%の醪を造る。計8基のスチルで、初溜液のアルコール度数25~26%。再溜でアルコール度数68%のニューメイクを抽出している。熟成には、ファースト・フィルのバーボン樽に詰められる。また、いまでもこれはバーボン樽を解体して製樽し直した約127リットルの小樽(クォーターカスク)での熟成も行っている。
Data
所有者:ビームサントリー社
所在地:Kennethmont,Aberdeenshire
URL:https://www.suntory.co.jp/whisky/ardmore/ (サントリー公式HP)
創業年:1898年
蒸留器:初×4基、再×4基
アルコール度数:40度
容量:700ml
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