Oban 14Years Old
ハイランド特有のまろやかな味わいとアイランズ特有のピート香
『オーバン14年』は、オレンジやライムといった柑橘系のフレッシュさと酸味の中に甘さが感じられる風味が特徴の、西ハイランドを代表する1本。ハイランドならではのまろやかで芳醇な味わいと、アイランズ特有の力強いピート香という、ふたつの世界を体験させてくれる。海に面した港町で造られていることから、スモーキーでありながら磯の香りも感じられる。飲み方としては、まずはおおぶりなグラスでストレートか少量の加水がオススメ。塩辛さをしっかり感じられるので、海産物や牡蠣と合わせるのもgood。
・オーバン蒸留所のこと
オーバン蒸留所はスコットランドの西海岸、キンタイア半島の付け根の辺りにあるオーバンという港町の中に建つ。海を挟んで反対側はヘブリディーズ諸島で、1794年創業のオーバン蒸留所はこの町とともに発展してきた。オーバンとはゲール語で「小さな湾」という意味。元々は小さな漁村にすぎなかったが、現在ではヘブリディーズ諸島への玄関口として、多くの観光客で賑わう西ハイランドの中心地となっている。ヘブリディーズ諸島へ渡るフェリーが発着する港であり、マル島やアイオナ島、フィンガルの洞窟で有名なスタッファ島へは、オーバンから船で行くしかない。オーバン蒸留所は、蒸留所としては珍しく、町の中心地で操業しており、200年以上もの間、敷地の拡張や移転をしていない。というのも、背後には崖があり、拡張しようにもまったくスペースがとれないのだ。そのためディアジオ社傘下の28蒸留所の中で、ロイヤルロッホナガーに次ぐ小ささで、現在でも年間生産能力は87万リットルしかない。
オーバン蒸留所は、地元の企業家だったスティーブンソン兄弟によって設立されたが、その他にも造船業、鉱業などの事業も始め、町の発展に貢献した。当初はビール工場として建てられたが、その1年後、蒸留が行われたという記録が残っているが、正式な記録としては1799年になってからだ。1890年代に改修工事が行われ、以降ほとんど姿を変えずに現在に至っている。ウイスキー造りも、当時の製法がしっかりと受け継がれ、この蒸留所の歴史は現在の町と同じぐらい古い。
1925年に蒸留所はDCLに、そして1930年にはSMDに売却された。1979年に「12年」熟成のシングルモルトが市場に登場。1989年にUD社がクラシック・モルツ・セレクションを出したとき、西ハイランドの代表として選ばれたのがオーバンの「14年」もので、このときから米国市場で大きな支持を集めるようになる。ディアジオ社所有の28か所のスコッチモルト蒸留所の中で、唯一シングルモルトウイスキーだけを造っている。
仕込みはワンバッチ7トン。仕込み水は、かつては蒸留の背後にある丘の上のアードコネル湖の水を使用していたが、現在はそこから少し離れたグレネベリー湖の水を使っている。マッシュタン(糖化槽)はステンレス製で、カラ松製4基のウォッシュバック(発酵槽)で平均110時間かけてゆっくり発酵させる。蒸留器は200年前から「スマ・スチル」(小さな蒸留器)と呼ばれるランタンヘッド型のポットスチル(初溜:13,000リットル、再溜各1基:7,000リットル)を使用し、これが力強く、重厚な味わいをもたらすといわれている。長い発酵時間と、ダブルワームで銅との接触時間を長くすることで、フルーティでクリーンな酒質を生むことができるという。
こうしてできたオーバン蒸留所のウイスキーは、「軽く華やかで、海の香りの染み込んだおだやかな風味」を持ち、ハイランドモルトとアイラモルトの中間の性質を持つウイスキーといわれる。控えめながら、芳醇で甘い味わい、フレッシュなピート香と海のタッチがアクセントとなっている。
Data
所有者: ディアジオ社
所在地:Oban,Argyll
URL:https://www.obanwhisky.com/distillery
創業年:1794年
蒸留器:初×1基、再×1基(ランタンヘッド型)
アルコール度数:43度
容量:700ml
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