Laphroaig 10 Years Old
スモーキーで磯の香りがする王室御用達のシングルモルト
『ラフロイグ10年』は力強いスモーキーさと、磯の香りがする独特な味わいと、正露丸のようなヨード系の薬品香が特徴のスタンダードボトル。煙っぽさが口いっぱいに広がり、滑らかでややオイリー。熟成にはファーストフィル(1空き)のバーボン樽しか使っていないせいか、スパイシーさの後にバニラのような甘みが追いかけてくる。世界中のラフロイグ・ファンを、惹きつけて止まないシングルモルト。水割りやロックでも楽しめるが、まずはストレートで。
・ラフロイグ蒸留所のこと
ラフロイグ蒸留所は、アイラ島南部ポートエレン港から3kmほど東へ行った、美しい入り江に面したところにある。アレクサンダーとドナルドのジョンストン兄弟によって、1815年に創設された。ラフロイグとは、ゲール語で「広い湾の美しい窪地」という意味である。
1960年代から70年代には、ベッシー・ウイリアムソン(※)という女性が所長を務めたことでも知られる。長いスコッチウイスキーの歴史の中で、女性がオーナー兼蒸留所所長となったのは彼女だけである。
「ラフロイグのファーストレディ」と評され、現在も続く数々のこだわりの製法は、彼女の時代から受け継がれるものである。
ラフロイグは、現在でもフロアモルティングを続ける数少ない蒸留所のひとつ。麦芽を乾燥させるピートも独自の採掘場を持っている。ピートは海の近くにある蒸留所独自のピートボグ(湿原)から採取されたもので、多量の水ゴケや海藻が含まれている。このピートを使うことで磯の香りやヨード臭といった、ラフロイグ独特のフレーバーを生むといわれている。
この自社製麦芽(フェノール値:45~55ppm)と、残りをポートエレン製もしくは本土産(同:35~40ppm)のものを2対8の割合で混合し使用している。酵母はマウリ社製のウイスキー酵母を使用。ポットスチルは初留がストレートヘッド型、再留がランタンヘッド型のアイラ島では最小のスチル(約4700リットル)を使用。
スモーキーでピーティであるとともに、薬品臭を思わせるヨード香。口にした途端拒絶反応を示す人も少なくはないが、一度ハマるとやめられないという人も多い。
生産量の7割がシングルモルトとして出荷、残りがブレンデッド用に回される。英国王室御用達ブランドで、チャールズ皇太子愛飲のウイスキーとしても知らる。1994年、あらゆるシングルモルトの中で、唯一プリンス・オブ・ウェールズ御用達の勅許状を賜り、皇太子の紋章をラベルに使うことが許されている。
アライド・ディスティラーズの元で長らく生産を続けてきたが、2005年にアメリカのビーム・グローバル社がハイランドのアードモア蒸留所とともに買収。その後、2014年にはサントリーが買収している。
ベッシー・ウイリアムソン(※)
ベッシー・ウイリアムソンは1932年の夏に初めてアイラ島を訪れ、3ヵ月契約の事務員、つまりアルバイトとしてラフロイグ蒸留所に雇われた。しかし、当時の署長だったイアン・ハンターにその才能を見出され正式採用されることになる。
イアンには、ウイスキー造りのノウハウやマーケティングなどを授けられ、禁酒法解禁直後のアメリカマーケットの開拓を任せられる。そこでベッシーは、ラフロイグばかりでなく、全てのアイラモルトをプロモートして回った。「アイラモルトをアメリカに広めた立役者」と言われる所以である。
イアン・ハンターの没後、遺言でベッシーはラフロイグ蒸留所の経営を委ねられることになる。就任後、ベッシーは大改修工事に着手し、今日まで続くラフロイグ蒸留所の礎を築いた。その他にも、伝統的なフロアモルティングの継承、熟成にはアメリカンホワイトオークのファーストフィルバーボン樽しか使わないと決めたのも彼女だった。
ベッシーは1972年に引退した後も、この地を離れることなく71歳までアイラ島で暮らし、その生涯を終えることとなる。彼女の墓は湾の高台にあり、今もラフロイグ蒸留所を見守るようにひっそりと建っているという。
Data
所有者:ビームサントリー社
所在地:Port Ellen,slay
URL:https://www.suntory.co.jp/whisky/laphroaig/ (サントリー公式HP)
創業年:1815年
蒸留器:ストレートネック型、ランタン型
アルコール度数:43度
容量: 750ml(正規品)、700ml(並行輸入品)
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