Bunnahabhain 12 Years Old
軽やかで豊かな味わいのアイラモルト
『ブナハーブン12年』は、アイラモルトでは異色の非常に軽やかな味わいが特徴の、「やわらかなアイラ」として知られる。一般的にピーティなアイラモルトの中では例外ともいえるライトボディで、ピート香はほとんど感じらない。色合いは赤みのある濃いゴールド。ナッティで甘い麦芽の香りや、アップルパイやカスタードクリームのような香りが広がる。しばらくすると、塩っぽさとシェリー樽の香りも感じられる。シナモンやパパイヤ、トースト、アーモンド、そしてわずかなメープルシロップのニュアンスも感じられる。全体的にシェリーフレーバーが強く、しっかりとした味わいを持っている。
・ブナハーブン12年のこと
ブナハーブン蒸留所は、1883年に蒸留がスタートした(建設開始は1881年)。キルホーマン蒸留所ができるまで、当時としてアイラ島で最も新しい蒸留所だった。設立者はロバートソン&バクスター社のウィリアム・ロバートソンとグリーンリース社のグリーンリースの兄弟。ブナハーブンとは、ゲール語で「河口」を意味し、マーガデイル川の河口に位置していることからその名が付けられた。
蒸留所は、アイラ島の北部ポートアスケイグ港からさらに北に4㎞ほど行った場所に位置し、アイラ海峡を隔ててジュラ島を望む孤立した場所に建っている。そのため、職人や訪れるゲストのための住居施設も備えられている。
長い間、ハイランド・ディスティラーズ社が経営。カティサークやフェイマスグラウス、ブラックボトルなどのモルト原酒を生産していた。2003年にはバーン・スチュアート社(親会社はアンゴスチュラ社)によって買収。以降、シングルモルトにも力を入れるようになった。2004年には、90年代後半に試験的に強いピートを使用して作られたモルトを「モワン」という名前で限定販売。それ以降、ブナハーブンはかなりピーティなモルトもリリースしている。
仕込み水は、マーガディル川のピート色が濃くない硬水を使用。蒸留所から約約1.6㎞北西にある天然水をパイプで引くことで、清冽なままの水を使用することが可能となっている。さらに、ほとんどピート処理をほどこさない麦芽を使い蒸留するため、潮気を感じさせつつもスモーキーさは少ない。ポットスチルは独特のタマネギ型。
Data
所有者:ディステル・インターナショナル社
所在地:Port Askaig,Islay
創業年:1881年
蒸留器:ストレートネック型(タマネギ型)
アルコール度数:46.3度
容量:700ml
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