Old Pulteney 12 Years Old
潮風とスパイスが踊る洗練された風味
『オールド・プルトニー12年』は、海風が吹き抜けるその地域性を色濃く反映した、プルトニー蒸留所のフラッグシップ。青リンゴやトフィーのような甘い香りとスパイシーなアロマ、また、微かに潮気のある香りも。ミディアムボディで、ほのかに塩気があり、オイリーで複雑な独特の味わいが楽しめる。フィニッシュは、スムースで長く続く穏やかな余韻が特徴。その独特の風味を最大限に引き立てるため、まずはストレートで飲むのがおススメ。また、ロックでは、ほろ苦さやスパイシーさが強まり、フルーティーなニュアンスが残るため、渋味のあるフルーツ系ウイスキーといった印象となる。さらに、ハイボールにすると、青リンゴのような甘さが非常に強い爽やかな味わいとなる。
・プルトニー蒸留所のこと
プルトニー蒸留所があるウィックという町は、スコットランドの北部、北海に面した漁港の町で、おそらくヴァイキングにより870年頃に造られたとされる。そのため、バイキング文化の影響が色濃く残っている。ウィックは、かつてニシン漁で栄え、その隆盛は英国漁業協会が港湾を整備したことによる。その結果、町は大いに発展し、漁協会長だった資産家のウィリアム・プルトニー卿にちなんでプルトニータウンと呼ばれるようになった。
1826年、事業家のジェームズ・ヘンダーソンがプルトニー蒸留所を建設。プルトニー蒸留所は、その後、ウィックの街の主要産業となり、「ウィックの街は金(ウイスキー)と銀(ニシン)で成り立っている」と表現されるほどだった。港には1000隻超のニシン船が終結、従事する人員は男女合わせて1万人を超えた。当然、つらい仕事を疲れを癒すため、大量の酒を必要とし、当時の資料によると、1日当たり500ガロン(2,300リットル)ものウイスキーが消費されたという。毎夜の酒盛りのため、町のあちこちで度を越えた騒ぎが起こり、犯罪やアル中が急増した。そのため、1922年にウィックの街で独自の禁酒法が制定され、プルトニー蒸留所は操業停止を余儀なくされた。
禁酒法が解除されたのは25年後の1947年で、その後の1951年に地元の弁護士であるロバート・カミングが蒸留所を買い取り、生産を再開させた。その後、1995年にインバーハウス・ディスティラリー(現在はタイ・ビバレッジ社傘下)がオーナーとなり、オフィシャルボトルが発売されるようになってから、プルトニー蒸留所は再び注目され現在に至っている。かつてのプルトニーは、「北のマンサニージャ(※)」と呼ばれたが、インバーハウスになってからは「マリンタイムモルト(海のモルト)」としてマーケティングを展開している。
マッシュタンは1バッチあたり5tのステンレス製のセミロイタータンを使用。発酵槽もステンレス製で合計7基あり、発酵時間はショートとロングがあります。仕込み水はヘンプリッヒグス湖の水を使用。
ポットスチルは初溜、再溜合わせて2基で、スコットランドでも他に類を見ないユニークな形状をしている。ネックの先端が途中で切れているT字シェイプ型になっていて、この形になった経緯は、新しいスチルが蒸留所に届いたとき、蒸留棟の天井高よりもスチルのヘッドが高いとわかったからなのだという。設置するためには、スチルの最上部を取り外して蓋を取り付けるしかなかったという。だがこの分断されたような形状のスチルが、意外なほどに良質なウイスキーを生み出してくれることとなった。
こうして生まれたニューメイクスピリッツは、比較的オイリーで香り高い酒質を持ち、この独特な形のスチルから、オールドプルトニーのライトな口当たりと複雑な風味が生まれているのではないかといわれている。
マンサニージャ(※)とは?
マンサニージャは、シェリーの種類の一つ。スペイン南部のアンダルシア州カディス県ヘレス市とその周辺で作られているフォーティファイドワインの一種です。パロミノ種のブドウを使い、サンルーカル・デ・バラメダで造られています。マンサニージャは、フィノと同じ製造方法で造られるが、サンルーカルで熟成されたものだけがマンサニージャと呼ばれる。マンサニージャは辛口サッパリ系のシェリーで、スペインで最も飲まれているシェリーの一つ。
Data
所有者:タイ・ビバレッジ社
所在地:Wick,Caithness
創業年:1826年
蒸留器:ボール型(ひょうたん型)
アルコール度数:40度
容量:700ml
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