Glengoyne 12 Years Old
ノンピート麦芽とシェリー樽から生まれる複雑さと風味の調和
『グレンゴイン10年』は、ファーストフィルのヨーロピアンオーク樽熟成の原酒(15%)と、上質なペドロ・ヒメネスとオロロソのシェリー樽(15%)、それにリフィルのバーボン樽で熟成された原酒(70%)を使った、グレンドロナックのフラッグシップ。甘く滑らかな香味が楽しめ、白ブドウを彷彿とさせる華やかでフルーティーな香りが特徴で、ハチミツ、青リンゴ、ナッツのアロマも感じられる。味わいは、大麦の風味が豊かで、バーボンの影響をより強く受けていてクリーンでドライ。また、青リンゴの甘酸っぱさや草原、ソフトなオーク感が感じられる。フィニッシュも長く、大麦のリッチな味わい。飲み方によっても味わいが変わり、ストレート、ロック、ハイボール、水割りなど、様々な飲み方で楽しむことができる。
・グレンゴイン蒸留所のこと
グレンゴイン蒸留所は、スコットランドで最大人口の都市グラスゴー(約63万人)から北へ約20㎞、キャンプシーの山中、ロッホ・ロモンドの山々が遠くに見える場所にある。ダムゴインの麓に位置し、美しい景観の敷地の奥には、丘から流れ出て小川が、岩山を流れ落ち見事な滝となっている。
グレンゴイン蒸留所は、小規模の蒸留所ながら建築の配置はデザイン的に優れていて、故・マイケル・ジャクソン氏は自身の著書で、「最も訪れる価値のある美しい蒸留所」と称賛している。2010年公開、映画「天使の分け前(※)」のロケ地となった蒸留所でもある。蒸留所名となっている「グレンゴイン」とは、ゲール語で「野生の雁の谷」を意味する。
この蒸留所は、ハイランドとローランドの境界線上にあるが(ダンティーとグリーノックを結ぶ線より北がハイランド、南がローランドに分類)、仕込水が北の丘の上から流れているため、昔からハイランドモルトとされてきた。ハイランドで造られた原酒を、ローランドで熟成するというユニークな特徴を持ち、かつてはローランドの特徴ともいえる3回蒸留を行っていたこともある。
創業は1833年。現在のグレンゴイン蒸留所のあるバーンフット農場で密造をしていたジョージ・コネルが、正式に政府の許可を取得し蒸留所を開設した。コネルは、麦芽にピート(泥炭)を使用することを好まず、地元の原料を使うことにこだわった。それが今日まで続く、グレンゴイン蒸留所の最大の特徴ともなっている。
開設当初、グレングイン蒸留所と名乗っていたが、しばらくすると、バーンフット蒸留所に改名。1876年、グラスゴーのウイスキー商ラング・ブラザーズ社によって買収されると、再びグレングインに戻され、現在のグレンゴイン表記になったのは1905年のことである。1965年にラング・ブラザーズ社がロバートソン&バクスター・グループ(エドリントン傘下)に買収されると、グレンゴインは設備の近代化と生産力拡大に努めた。1966~1967年にかけ、3基目のポットスチルが加えられ、現在でも続く初溜釜1基に再溜釜2基という、スコットランドでも余り見られないスタイルとなった。1876年にラングブラザース社が買取、同社のモルト原酒となっていたが2003年にボトラーズのイアン・マクロード社が新オーナーとなって以降、より意欲的なリリースを始めている。
グレンゴインの現在の仕込みはワンバッチ麦芽3.84t。スコットランド産のゴールデンプロミス種大麦をノンピート麦芽に仕上げ、セミラウター式のステンレス製マッシュタン(容量3.84トン)6基を使って、毎週16回の糖化工程を行う。オレゴンパイン材でできた容量18,000リットルのウォッシュバック(発酵槽)が6槽あり、発酵時間は最低でも56時間。初溜のウォッシュスチル(ボール型・容量12500リットル)1基と、再溜のスピリットスチル(同・容量4000リットル)2基を使い、スコットランドで最も時間をかけ蒸留を行う(通常の蒸留時間の約3倍といわれる)。
熟成庫は道路を隔てた南側(ローランド)に位置し、運送中の事故を避けるために、地下に設置されたパイプを通じて新しいスピリッツをフィリングステーション(樽詰め場所)に転送するシステムとなっている。熟成には、ウイスキーに甘く滑らかな香味を与えるオロロソ・シェリー樽で3分の1を行い、残りをリフィル樽で行っている。また、一部の製品ではファーストフィルのバーボン樽や厳選された詰め替え樽も使用されている。ダンネージ式の貯蔵庫が2棟あり、4,800本の樽を収容可能。他にもラック式の貯蔵庫が3棟あり、バット2,400本とホグスヘッドやバレル6,000本を収容可能となっている。
こうしてできたウイスキーは、ピートを全く使わないことにより、麦芽本来の風味がストレートに感じられ、すっきりとしてまろやか。麦芽の旨味を存分に堪能でき、そのクリーンな味わいは和食との相性も良い。
天使の分け前(※)とは?
「ウイスキーを樽で熟成する過程において、毎年2%位の原酒が蒸発し消失する。この焼失した分を「天使の分け前(Angel’s Share )」と呼ぶ。10年物や20年物など、年数が経つにつれてウイスキーは風味を増し、天使の分け前も増加します。」
映画「天使の分け前」
イギリス、フランス、ベルギー、イタリアの合作による2012年のコメディ・ドラマ映画。監督はケン・ローチ。日本では2013年4月13日に公開され、困難な状況から抜け出すための努力と、人生を変えるためのチャンスを描いた作品。
物語は、恵まれない環境に生まれ育った青年ロビーが主人公。彼は暴力沙汰を起こし、裁判所から300時間の社会奉仕活動を言い渡される。社会奉仕活動の対象者たちを指導するのはウイスキー愛好家のハリー。ロビーはハリーによって、次第にウィスキーの魅力に引き込まれていく。そして、ロビーは自らにテイスティングの才能があることに気付き、その後、ロビーと彼の仲間たちは、非常に高価なウイスキーを盗む計画を立て、その過程でロビーは成長していく。 第65回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。
Data
所有者: イアン・マクロード・ディスティラーズ社
所在地:Dumgoyne,Stirlingshire
URL:https://www.glengoyne.com/
創業年:1833年
蒸留器:初×1基、再×2基(ボール型)
アルコール度数:40度
容量:700ml
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