ロイヤル・ロッホナガー12年

Royal Lochnagar 12Years Old

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女王に愛されたハイランド至高のモルト

『ロイヤル ロッホナガー12年』は、蒸留所のスタンダード品で、熟成樽には主にリフィルのシェリー樽が使用されている。スムースな舌触りで、フルーティな香りとオイリーで甘み、オークのスパイシーさが現れ長い余韻を楽しむことができる。トップノートは甘めで酸味が続き、後味はドライでビターという特徴的を持つ。やさしいマスカットの風味が魅力的だ。まずはストレートで。


・ロイヤル ロッホナガー蒸溜所のこと

ハイランド地方のアバディーンから少し内陸部に入ったディー川上流域は、英王室の夏の離宮バルモラル城があることから、別名「ロイヤル・ディーサイド」と呼ばれている。この美しい地域に位置するロッホナガー蒸留所は、ディー川のほとり、ロッホナガー山の麓に建っている。蒸留所の規模は小さく、伝統的な美しい外観を誇っている。

ロイヤル・ロッホナガー蒸留所

「ロッホナガー」とは、ディー川沿いで一番高い山であることから名付けられ、ゲール語で「岩の露出した湖」という意味を持つ。公式の創立は1826年とされているが、実際にはそれ以前に存在した蒸留所がありました。18世紀の終わり頃より、この地域ではウイスキーの密造が盛んに行われていた。

1823年、元々は密造者だったジェームス・ロバートソンにより、「グレン・フィアダン」という最初の”合法”蒸留所がディー川の北岸に建設されたが、わずか3年後の1826年に同じ密造者の仕業と思われる不審火により焼失してしまう。それでもジェームス・ロバートソンは、ロッホナガー山の近くのディー川の北岸に蒸留所を建て、新たに「ロッホナガー蒸留所」を設立。しかし、またしても同様の不審火により焼失、廃業に追い込まれてしまった。ジェームス・ロバートソンはウイスキー造りから撤退。

その後、ジェームスの遺志を継いだ地元の資産家ジョン・ベグにより、1845年、ディー川の南岸、現在の場所に新しい「ロッホナガー蒸留所」を設立する。創業から3年後、王室一家が蒸留所近くのバルモラル・エステート(現在のバルモラル城)を夏の離宮として購入した。

ジョン・ベグは、ここで一計を案じる。女王の夫であるアルバート公が大の機械好きであることを知り、女王夫妻に蒸留所を訪れるよう招待状を送った。すると翌日の夕方、突然ヴィクトリア女王とアルバート公が訪れ、ベグの案内で蒸留所を見学することとなった。女王夫妻は大いに気に入られ、時を置かず「王室御用達」のワラント(勅許状)が届いた。以降、ロッホナガーは「ロイヤル」の名を冠して呼ばれ、上流階級の人々にも知られるようになった。 実際、女王夫妻はロッホナガーのモルトを愛し、特に女王はボルドーワインにロッホナガーを数滴落として楽しんだと言われている。

1882年に、ジョン・ベグが逝去。その後、何度かベック家によって改築が行われたが、1916年にジョン・デュワー・アンド・サンズに売却。デュワーズ社は、その後1925年にDCL社(Distillers Company Ltd.)に吸収され、現在もDCLの継承団体であるディアジオの傘下となっている(ロッホナガーは、過去に王室御用達のウイスキーと言われることもあったが、現在はその資格は持っていない)。

名声と知名度に比べて、実際のロッホナガー蒸留所の規模は非常に小さく、年間のアルコール生産能力はわずか50,000リットルに過ぎない。スコットランドの老舗蒸留所の中でも小さい部類で、ディアジオ社が所有する蒸留所の中で最も小規模な蒸留所である。

在の仕込みはワンパッチあたり5.4トン。微かにピート焚きされたローズアイル産の麦芽が用いられ、仕込み水はロッホナガー山麓の湧水が使われる。発酵槽はカラ松製が1基、オレゴン松製のものが2基の計3基があり、発酵は75~120時間かけて行われる。スチルも、ストレートヘッドタイプの初溜と再溜が1基ずつ。

蒸留液の冷却にはウォームタブが使用され、アルコール度数が約70%のニュースピリッツが精製。最終的には63.5%に調整されて樽詰めされる。1週間に生産できるのはわずか35樽である。 樽熟成には、アメリカンオーク樽を主体にヨーロピアンオーク樽も加え、繊細なバランスが表現される。

蒸留所には1,000樽を置き、残りの熟成はスペイサイドのグレンロッシーで行われる。このプロセスによって生み出されるモルトは、ボディが厚く、スムースでフルーティな味わいを持ち、麦芽の甘さ、果物の酸味、スパイシーさを含む複雑で洗練された味わいが特徴となっている。オフィシャルのシングルモルト製品は、「12年」と「セレクトリザーブ」の2つしかなく、残りの9割以上は「ジョニーウォーカー・ブルーラベル」などのキーモルトとして使用される。また、韓国市場で人気のブレンデッド・スコッチ「ウィンザー・ロッホナガー」の重要なキーモルトとしても知られている。

 

Data

所有者:ディアジオ社

所在地: Crathie,Ballater,Aberdeenshire

URL:

創業年:1845年

蒸留器:ストレートネック型

アルコール度数:40度

容量:700ml

 

 

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