Longrow
2025.11.16
スモーキーな余韻に包まれる贅沢な時間
『ロングロウ』は、スコットランドのキャンベルタウン地方にあるスプリングバンク蒸溜所で造られる、個性豊かなシングルモルトウイスキーです。最大の特徴は、力強いピート香とオイリーな質感。スモーキーな香りが際立つ一方で、甘みや果実味、潮気といった複雑なニュアンスが重なり合い、飲むたびに新たな表情を見せてくれます。
このウイスキーは、スプリングバンク蒸溜所の中でも特にピートレベルが高く、フェノール値は50〜55ppmとされており、ラフロイグやアードベッグなどのアイラモルトに匹敵するほどのスモーキーさを誇ります。しかし、単なるヘビーピーテッドではなく、バニラやレモンメレンゲ、マカロンのような甘く繊細な香りも感じられ、スモークと甘味の絶妙なバランスが魅力です。
製法にもこだわりがあり、伝統的なフロアモルティングによる自社製麦芽を使用し、クラシックな二回蒸留を採用。冷却にはワームタブを使うことで、銅との接触を抑え、オイリーで重厚な酒質を生み出しています。熟成にはバーボン樽やシェリー樽のほか、赤ワイン樽やポート樽なども用いられ、限定品ではより複雑な風味が楽しめます。
ロングロウは、かつて存在した蒸溜所の名前を受け継ぎ、1973年に復活したブランドであり、キャンベルタウンの伝統を現代に伝える象徴的な存在です。そのため、ウイスキー愛好家の間では「通好みの一本」として高く評価されており、近年では品薄になるほどの人気を集めています。
おすすめの飲み方は、まずはロックで香りをじっくり楽しみ、次にストレートでその奥深さを堪能するのが理想的。暑い季節にはハイボールも爽快で、レモンのような酸味が立ち、また違った魅力を発見できます。
ロングロウは、スモーキーなウイスキーを好む人にとってはまさに至高の一杯。その複雑さと奥行きは、初心者にも新たなウイスキーの世界を開いてくれるはずです。
■飲み方あれこれ!!
オン・ザ・ロック:
氷で冷やすことで、ロングロウの重厚な味わいが引き締まり、スモーキーさがよりシャープに感じられます。時間とともに氷が溶けることで味が変化し、甘みや果実味が徐々に顔を出すのも楽しみのひとつです。ゆっくりと味の移ろいを堪能できます。
ストレート:
ピートの力強い香りとオイリーな質感をダイレクトに感じられる飲み方です。口に含むとスモーキーさが広がり、奥からバニラやトロピカルフルーツの甘みが顔を出します。余韻には潮気とスパイスが残り、複雑で深い味わいが長く続きます。
少量の加水:
ほんの数滴の水を加えることで、閉じていた香りが一気に開きます。スモークの奥に隠れていたシトラスやハチミツのような甘さが現れ、全体のバランスがまろやかになります。アルコールの刺激が和らぎ、香りの層をじっくり楽しめるのが魅力です。
▶「スプリングバンク蒸留所」のこと
スコットランド南西部、キンタイア半島の先端に位置する港町キャンベルタウン。この地に1828年、「スプリングバンク蒸留所」は創業しました。創設者はアーチボルド・ミッチェルで、現在もその子孫が経営を続けており、スコッチウイスキー業界では数少ない家族経営の独立系蒸留所として知られています。
かつてキャンベルタウンは「ウイスキーの首都」と呼ばれ、30以上の蒸留所が軒を連ねていましたが、20世紀初頭の禁酒法や品質低下による市場の信頼喪失などで多くが閉鎖。現在では「スプリングバンク」「グレンスコシア」「グレンガイル」の3つのみが現存し、その中でも「スプリングバンク蒸留所」は地域の伝統を守る象徴的な存在です。
「スプリングバンク蒸留所」の最大の特徴は、ウイスキー造りの全工程を一貫して自社で行っている点にあります。大麦の製麦(モルティング)から発酵、蒸留、熟成、瓶詰めに至るまで、すべてを敷地内で完結させるスタイルは、現代では極めて稀です。特に「フロアモルティング」と呼ばれる伝統的な製麦法を今も手作業で行っており、これにより原料の品質を細かく管理し、独自の風味を生み出しています。
また、「スプリングバンク蒸留所」では3種類のシングルモルトを製造しています。ノンピートで軽やかな「ヘーゼルバーン」、ライトピートでバランスの取れた「スプリングバンク」、そしてヘビーピートでスモーキーな「ロングロウ」です。これらはすべて異なる蒸留方法で造られており、例えばスプリングバンクは2.5回蒸留という独自の手法を採用。これは初留と再留の一部を再度蒸留することで、複雑で奥行きのある味わいを実現しています。
熟成にはバーボン樽やシェリー樽のほか、ラム樽やワイン樽など多彩な樽を使用し、風味の幅を広げています。また、冷却濾過や着色を行わないナチュラルな製法を貫いており、原酒本来の個性を大切にしています。
「スプリングバンク蒸留所」のウイスキーは、塩気を帯びたブリニーな風味、ピートのスモーキーさ、そして果実やスパイスの複雑な香りが特徴。まさに「モルトの香水」とも称されるその味わいは、世界中のウイスキー愛好家から高く評価されています。
伝統を守りながらも革新を続ける「スプリングバンク蒸留所」は、スコッチウイスキーの真髄を体現する存在として、今もなお多くの人々を魅了し続けています。
▶「スプリングバンク蒸留所」の歴史(年表)
1828年:
スプリングバンク蒸留所がキャンベルタウンにて創業。創設者はレイド家で、当時は密造酒の文化が色濃く残る地域だった。
1837年:
レイド家の姻戚であるミッチェル家のジョン・ミッチェルとウィリアム・ミッチェルが蒸留所の所有権を取得。以降、ミッチェル家による家族経営が続く。
1872年:
ミッチェル兄弟の間で意見の対立が起こり、弟のウィリアム・ミッチェルが独立して「グレンガイル蒸留所」を設立。キャンベルタウンにおける蒸留所の分裂が始まる。
1926年〜1933年:
世界恐慌やアメリカの禁酒法の影響を受け、スプリングバンク蒸留所は一時的に操業を停止。キャンベルタウン全体のウイスキー産業が大きな打撃を受ける。
1979年〜1987年:
再び操業停止期間。この間に多くのキャンベルタウン蒸留所が閉鎖されるが、スプリングバンクは復活を遂げる数少ない蒸留所のひとつとなる。
2004年:
ミッチェル家がかつてのグレンガイル蒸留所を再建し、「キルケラン」というブランド名でウイスキーの製造を開始。キャンベルタウンの復興に貢献。
2010年代:
スプリングバンク蒸留所は世界的なウイスキーブームの中で再評価され、希少性と品質の高さからコレクターや愛好家の間で人気が急上昇。
Data
蒸留所(親会社):スプリングバンク蒸留所(J&Aミッチェル社)
所在地:キャンベルタウン
URL:https://www.springbank.scot/(スプリングバンク蒸留所公式サイト)
創業年:1828年
蒸留器:ストレートヘッド型(初×1基、再×2基)
アルコール度数:46度
容量:700ml
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