ラフロイグ10年

Laphroaig 10 Years Old

2026.05.07

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ヨード香と潮気が重なる唯一無二の個性

『ラフロイグ10年』は、スコットランド・アイラ島のラフロイグ蒸留所で造られるシングルモルトで、正露丸を思わせるヨード香、海藻、潮風のニュアンスが強烈に立ち上がることで知られています。ピートを焚き込んだ麦芽を使用し、さらに海沿いの熟成環境が重なることで、他のアイラモルトとは一線を画す独特の個性が生まれます。香りは強いピートスモークに加え、バニラやわずかなシトラスが潜み、複雑で奥行きのある印象を与えます。

味わいは、スモーキーで力強い口当たりから始まり、海塩や黒胡椒のスパイス感が広がり、後からバニラやキャラメルのほのかな甘みが追いかけてきます。余韻は非常に長く、乾いたピートとヨードが交互に現れ、飲み終えた後もしばらく強烈な印象を残します。

また、「ラフロイグ10年」は英国王室御用達(ロイヤルワラント)として認定されている唯一のシングルモルトであり、その品質と個性は世界的に高く評価されています。初心者には刺激が強い場合もありますが、アイラモルトの魅力を深く味わいたい人にとっては、まさに基準点ともいえる一本です。

ラフロイグ蒸留所は自家製フロアモルティングを一部継続しており、伝統的な製法を守りながら独自のスタイルを貫いています。このこだわりが、ラフロイグ10年の唯一無二の個性を支えています。

■飲み方あれこれ!!

ストレート:

強烈なピートスモークとヨード香が最も鮮明に立ち上がり、ラフロイグらしい個性がダイレクトに感じられる。海藻や潮気のニュアンスが重なり、力強く長い余韻が続く。

トワイスアップ(少量加水):

数滴の水を加えることで香りが一気に開き、スモークの奥に潜むバニラやシトラスの甘みがより繊細に現れる。刺激が和らぎ、複雑さがよりクリアに感じられる。

ロック:

冷却によってスモークが落ち着き、黒胡椒のスパイスやキャラメルの甘みがバランスよく広がる。氷が溶けるにつれ味わいが変化し、個性の強さと飲みやすさが共存する一杯になる。

▶「ラフロイグ蒸留所」のこと

ラフロイグ蒸留所は、アイラ島南部ポートエレン港から3kmほど東へ行った、美しい入り江に面したところにある。アレクサンダーとドナルドのジョンストン兄弟によって、1815年に創設された。ラフロイグとは、ゲール語で「広い湾の美しい窪地」という意味である。

1960年代から70年代には、ベッシー・ウイリアムソン(※)という女性が所長を務めたことでも知られる。長いスコッチウイスキーの歴史の中で、女性がオーナー兼蒸留所所長となったのは彼女だけである。 「ラフロイグのファーストレディ」と評され、現在も続く数々のこだわりの製法は、彼女の時代から受け継がれるものである。

⇒ベッシー・ウイリアムソン(※)

〇ベッシー・ウイリアムソンは1932年の夏に初めてアイラ島を訪れ、3ヵ月契約の事務員、つまりアルバイトとしてラフロイグ蒸留所に雇われた。しかし、当時の署長だったイアン・ハンターにその才能を見出され正式採用されることになる。

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■ベッシー・ウイリアムソン女史

イアンには、ウイスキー造りのノウハウやマーケティングなどを授けられ、禁酒法解禁直後のアメリカマーケットの開拓を任せられた。そこでベッシーは、ラフロイグばかりでなく、全てのアイラモルトをプロモートして回った。「アイラモルトをアメリカに広めた立役者」と言われる所以である。 イアン・ハンターの没後、遺言でベッシーはラフロイグ蒸留所の経営を委ねられることになる。

就任後、ベッシーは大改修工事に着手し、今日まで続くラフロイグ蒸留所の礎を築いた。その他にも、伝統的なフロアモルティングの継承、熟成にはアメリカンホワイトオークのファーストフィルバーボン樽しか使わないと決めたのも彼女だった。 ベッシーは1972年に引退した後も、この地を離れることなく71歳までアイラ島で暮らし、その生涯を終えることとなる。彼女の墓は湾の高台にあり、今もラフロイグ蒸留所を見守るようにひっそりと建っているという。

ラフロイグは、現在でもフロアモルティングを続ける数少ない蒸留所のひとつ。麦芽を乾燥させるピートも独自の採掘場を持っている。

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■ラフロイグ蒸留所

ピートは海の近くにある蒸留所独自のピートボグ(湿原)から採取されたもので、多量の水ゴケや海藻が含まれている。このピートを使うことで磯の香りやヨード臭といった、ラフロイグ独特のフレーバーを生むといわれている。

この自社製麦芽(フェノール値:45~55ppm)と、残りをポートエレン製もしくは本土産(同:35~40ppm)のものを2対8の割合で混合し使用している。酵母はマウリ社製のウイスキー酵母を使用。ポットスチルは初留がストレートヘッド型、再留がランタンヘッド型のアイラ島では最小のスチル(約4700リットル)を使用。

スモーキーでピーティであるとともに、薬品臭を思わせるヨード香。口にした途端拒絶反応を示す人も少なくはないが、一度ハマるとやめられないという人も多い。 生産量の7割がシングルモルトとして出荷、残りがブレンデッド用に回される。

英国王室御用達ブランドで、チャールズ皇太子愛飲のウイスキーとしても知らる。1994年、あらゆるシングルモルトの中で、唯一プリンス・オブ・ウェールズ御用達の勅許状を賜り、皇太子の紋章をラベルに使うことが許されている。

アライド・ディスティラーズの元で長らく生産を続けてきたが、2005年にアメリカのビーム・グローバル社がハイランドのアードモア蒸留所とともに買収。その後、2014年にはサントリーが買収している。

▶「ラフロイグ蒸留所」の歴史(年表)

1815年:

ドナルド&アレクサンダー・ジョンストン兄弟がラフロイグ蒸留所を創業する。アイラ島南岸の海沿いに位置し、独特のピート香を持つウイスキーづくりが始まる。

1826年:

蒸留所の正式な操業記録が残り、地域の主要な合法蒸留所として認知される。

1836年:

ドナルド・ジョンストンが単独経営者となり、ラフロイグの基盤を固める。

1847年:

ドナルド・ジョンストンが事故で亡くなり、甥のアレックス・ジョンストンが経営を引き継ぐ。

1857年:

アレックスが亡くなり、ジョンストン家の親族が経営を継続する。

1887年:

蒸留所の規模が拡大し、アイラ島でも有数の生産量を誇る蒸留所となる。

1907年:

ラフロイグのレシピを巡り、隣接するラガヴーリン蒸留所との間で有名な“レシピ争い”が発生する。

1921年:

イアン・ハンターが蒸留所を継承し、ラフロイグの近代化を進める。後にアメリカ市場開拓にも成功する。

1930年代:

ハンターがバーボン樽熟成を積極的に導入し、現在のラフロイグの味わいの基礎が形成される。

1954年:

イアン・ハンターが亡くなり、秘書であったベッシー・ウィリアムソンが蒸留所を引き継ぐ。スコッチ史上初の女性蒸留所長として知られる。

1962年:

ベッシーが蒸留所をロング・ジョン社へ売却するが、引き続き経営に関わる。

1972年:

アライド・ディスティラーズが蒸留所を取得し、設備の近代化が進む。

1994年:

英国王室よりロイヤルワラント(王室御用達)を授与される(※2)。スコッチ蒸留所としては極めて名誉ある認定となる。

⇒英国王室よりロイヤルワラント(王室御用達)を授与される(※2)

〇1994年、チャールズ皇太子(現・国王)が蒸留所を訪問し、ラフロイグは英国王室御用達(ロイヤルワラント)を授与されました。これはシングルモルトとして唯一の快挙であり、ラフロイグの品質と個性が英国王室に認められた象徴的な出来事です。

2005年:

ビーム社(後のビームサントリー)が蒸留所を取得し、世界的なブランド展開が加速する。

2015年:

創業200周年を迎え、記念ボトルやイベントが世界各地で開催される。

2022年:

自社フロアモルティングの供給強化のため、モルティング設備が50%拡張され、伝統製法の維持と生産安定化が図られる。

Data

蒸留所:ラフロイグ蒸留所(サントリーグローバルスピリッツ)

所在地:Port Ellen, Isle of Islay, Scotland

URLhttps://www.laphroaig.com

創業年:1815年

蒸留器:初×3基、再×4基

アルコール度数:43%

容量: 700ml((瓶)

 

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