ハイランドパーク12年 ヴァイキング・オナー

Highland Park 12 Year Old Viking Honour

2026.05.08

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ヘザーピートが生む甘く芳しいスモークの余韻

『ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー』は、オークニー諸島の厳しくも美しい自然環境を背景に造られる、バランスの取れた複雑さが魅力のシングルモルトである。北海の強風にさらされる土地で育つヘザー(石楠花)由来のピートを使用することで、一般的なアイラ系とは異なる、甘く芳しいスモーキーさが生まれる。この独特のピート香に、蜂蜜のような甘みや柔らかなフルーティさが重なり、飲み手に奥行きのある味わいをもたらす。「12年」熟成によって角が取れ、スモークと甘み、スパイスの調和が見事に整えられている点が、このウイスキーの大きな特徴といえる。

熟成にはシェリー樽とバーボン樽がバランスよく使用されており、シェリー樽由来のドライフルーツやスパイスのニュアンスが、バーボン樽のバニラやオークの香りと美しく融合している。口に含むと、まず蜂蜜の甘さと麦芽の豊かな風味が広がり、続いて穏やかなスモークとシナモンのようなスパイスが現れる。余韻にはヘザーピート特有の甘い煙が長く残り、飲み終えた後にも心地よい満足感を与えてくれる。

「ヴァイキング・オナー」(ヴァイキングの誇り)という名の通り、オークニーの歴史と文化を象徴する力強さと誇りが込められており、その味わいにも土地の個性がしっかりと反映されている。スモーキーさがありながらも重すぎず、甘みとスパイスが絶妙に絡み合うため、スモーク初心者にも飲みやすく、愛好家にとっても満足度の高い一本である。ストレートでもハイボールでも楽しめる万能さを持ち、日常の一杯から特別な時間まで幅広く寄り添うウイスキーといえる。

■飲み方あれこれ!!

ストレート:

蜂蜜の甘みとヘザーピート由来の柔らかなスモーキーさが最もはっきりと感じられる。麦芽のコクとシェリー樽のドライフルーツのニュアンスが重なり、オークニーらしい上品で奥行きのある味わいが広がる。

トワイスアップ(少量の加水):

少量の加水で香りが一気に開き、スモークの角が取れてより甘みが前に出る。フルーティさとスパイスの層が明確になり、繊細な香味の変化をじっくり楽しめる落ち着いた飲み口になる。

ハイボール:

爽やかなスモークと蜂蜜の甘みが軽快に広がり、飲みやすくバランスの良い仕上がりになる。柑橘のような明るい香りが立ち、食事にも合わせやすい清涼感のあるスタイルとして楽しめる。

▶「ハイランドパーク蒸留所」のこと

「ハイランドパーク蒸留所」は、1798年にマグナス・ユンソンが密造で摘発された記録(※)を起源とし、1826年に正式な蒸留免許を取得して本格的な操業を開始した、スコットランド最北端のオークニー諸島に位置する歴史ある蒸留所である。北海の荒々しい気候と孤立した地理環境(※2)は、ウイスキー造りに独自の個性を与えてきた。

⇒1798年にマグナス・ユンソンが密造で摘発された記録(※)

〇ハイランドパーク蒸留所の起源は、1798年にマグナス・ユンソンが密造で摘発されたという記録にある。オークニー諸島の厳しい自然の中で、当時の住民たちは密造酒づくりを生活の一部として行っており、その歴史が後に正式な蒸留所の誕生へとつながった。密造の名残を持つ蒸留所はスコットランドでも珍しく、ブランドの物語性を強く形作っている。

⇒北海の荒々しい気候と孤立した地理環境(※2)

〇オークニー諸島は強風と冷涼な気候で知られ、熟成庫には常に潮風が吹き込む。この環境がウイスキーに微かな海風のニュアンスを与え、スモークと甘みのバランスをより複雑にしている。自然そのものが味わいに影響を与える、稀有なテロワールを持つ蒸留所である。

19世紀から20世紀にかけて蒸留所は徐々に規模を拡大し、品質の高さからハイランドモルトの中でも特に評価される存在となった。1979年には「エドリントン社」の傘下に入り、設備投資や熟成庫の整備が進んだことで、世界市場におけるブランド力がさらに強化された。現在では伝統を守りつつ革新的な取り組みも行い、国際的な受賞歴も多い蒸留所として知られている。

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■ハイランドパーク蒸留所

ウイスキー造りの特徴としてまず挙げられるのが、ヘザー(石楠花)由来のピートを使用する点である。オークニー諸島には木がほとんど生えず、ピートはヘザーが主体となるため、一般的なアイラモルトのようなヨード香の強いスモークではなく、甘く芳しい煙が生まれる。この独特のピート香が、ハイランドパークの味わいを象徴する重要な要素となっている。

また、熟成にはシェリー樽とバーボン樽をバランスよく使用し、ドライフルーツやスパイスのニュアンスと、バニラや蜂蜜のような甘みが複層的に重なる豊かな香味を生み出している。さらに、蒸留所は伝統的なフロアモルティングを一部で継続(※3)しており、麦芽造りから一貫した品質管理を行う数少ない蒸留所のひとつである。

⇒伝統的なフロアモルティングを一部で継続(※3)

〇現代では機械化が進み、多くの蒸留所がフロアモルティングを廃止している中、ハイランドパークは今も自ら麦芽を手作業で製麦している。重労働で非効率ながら、ピートの香りを均一に麦芽へ浸透させるために欠かせない工程であり、伝統を守る姿勢が品質の高さにつながっている。

北の島の厳しい自然と職人の技が融合し、力強さと上品さを併せ持つ独自のスタイルを確立している点こそが、ハイランドパーク蒸留所の最大の魅力といえる。

▶「ハイランドパーク蒸留所」の歴史(年表)

1798年:

オークニー諸島カークウォールにハイランドパーク蒸留所が創業する。創業者は密造酒づくりの名手として知られたマグナス・ユンソンとされ、島の厳しい自然とノルス文化の影響を受けた独自の酒づくりが始まる。

1826年:

正式に蒸留免許を取得し、合法蒸留所として本格稼働を開始する。以降、オークニー産ピートを用いた“甘いスモーク”が特徴的な酒質が形成されていく。

1890年代年:

蒸留所の設備が拡張され、石造りの熟成庫やフロアモルティングが整備される。伝統的な製法を守りながら生産量が安定し、島外への流通が増える。

1937年:

ハイランドディスティラーズ社が蒸留所を買収し、設備の近代化が進む。品質管理が強化され、ハイランドパークの酒質がより洗練されていく。

1979年:

シングルモルトとしての公式ボトルが本格的に展開される。12年はこの時期から“バランスの名手”として世界的な評価を獲得し始める。

1997年:

蒸留所の大規模な改修が行われ、ポットスチルや熟成庫が更新される。伝統的なフロアモルティングは維持され、オークニー産ピートを使った独自のスタイルが継承される。

2006年:

エドリントングループ(マッカランなどを所有)が蒸留所を傘下に収め、ブランド戦略が強化される。国際市場での存在感が大きく高まる。

2017年:

ブランドの大幅なリニューアルが行われ、「ヴァイキング・オナー」シリーズが誕生する。オークニーのヴァイキング文化を前面に押し出したデザインと物語性が世界的に注目される。

2020年:

サステナビリティへの取り組みが強化され、環境負荷を抑えた蒸留所運営が本格化する。伝統と環境保全を両立する姿勢が評価される。

2023年:

観光施設がさらに整備され、ハイランドパーク蒸留所はオークニー諸島の主要観光地として人気を高める。伝統的な製法とヴァイキング文化を融合したブランドとして、世界中のモルトファンから支持を集める。

Data

蒸留所:ハイランドパーク蒸留所(エドリントン社)

所在地:Kirkwall, Orkney, Scotland

URL:https://www.highlandparkwhisky.com (ハイランドパーク公式サイト)

創業年:1798年

蒸留器:初×2、再×2  ※ランタン型

アルコール度数:40%

容量:700ml(瓶)

 

 

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