Arran 10 Years Old
2026.05.09
島の自然が育むフルーティーな余韻
『アランモルト10年』は、スコットランド・アラン島の自然が育んだ、ピュアでフルーティーな個性を持つシングルモルトです。ロックランザ蒸留所が1995年の創業以来追求してきた「自然な味わい」を体現し、ノンピート主体でありながら麦芽の旨みと果実味が鮮やかに広がる一本として高く評価されています。
グラスに注ぐと、青リンゴや洋梨、レモンピールを思わせる爽やかな香りが立ち上がり、奥にはバニラや麦芽の柔らかな甘さが寄り添います。口に含むと、みずみずしいフルーツの甘酸っぱさと、蜂蜜のようなコクがバランスよく広がり、樽由来のほのかなスパイスが味わいを引き締めます。余韻は軽やかで、ナッツやシトラスのニュアンスが心地よく続きます。
全体として、「アランモルト10年」はクセが少なく、自然体で飲みやすい一方、シングルモルトらしい奥行きも備えた万能型のウイスキーです。初心者から愛好家まで幅広く楽しめる、アラン島の魅力を素直に伝えるスタンダードボトルといえます。
■飲み方あれこれ!!
ロック:
冷やすことで青リンゴや洋梨のフルーティーさが引き締まり、キレのある爽快な味わいになります。甘みと酸のバランスが整い、余韻はすっきりと軽やかに続きます。
トワイスアップ:
加水で香りが一気に開き、バニラや蜂蜜の甘さが柔らかく広がります。アルコールの刺激が和らぎ、アランらしい自然な果実味が最も感じやすい飲み方です。
ソーダ割り:
爽快感が際立ち、シトラスのような明るい香りが弾けます。軽快で飲みやすく、食中酒としても優秀なバランスに仕上がり、余韻は心地よくドライに締まります。
▶アラン蒸留所(現・ロックランザ蒸留所)のこと
アラン蒸留所の創立は1995年。スコットランドで新しい蒸留所の一つで、アラン島(アイル・オブ・アラン)の北岸、ロックランザの村のはずれに位置している。アラン島は、ノース海峡に面している入り江の、クライド湾内で最大の島である。 南北30km、東西15km、面積約427㎢という種子島と同程度の小さな島で、航空写真で見ると南北に長いソラマメのような形をしている。人口は約5,000人。
西岸海洋性気候で、夏涼しく冬でも寒さはさほど厳しくはなく、雨量も年間を通して安定している。 地形的・地質学的な特徴がスコットランドと酷似していることから、「スコットランドのミニチュア」と称される。英国王室の避暑地にもなっている島でもある。
アラン蒸留所の創業者はハロルド・カリー氏。シーバス・ブラザース社やキャンベルディスティラーズ社で社長を務めた人物。「自分の蒸留所を持ちたい」という夢を抱き、蒸留所がなかったアラン島に着目する。御年70歳である。
かつてアラン島は、最も多いときに密造所を含め50以上の蒸留所があり、「アラン・ウォーター」と称される良質のウイスキーがつくられたていた。そのクオリティーの高さは、グレンリベットに比肩するほどだったといわれる。
しかし、1837年に最後の合法的な蒸留所だったラッグ蒸留所が閉鎖されて以降、1滴のウイスキーも造られていない。アランウォーターの復活を願う島民の求めもあり、約160年ぶりに誕生したのがアラン蒸留所である。
蒸留所建設に際し、問題となったのは建設資金だった。ウイスキーは造ってもすぐに商品化できるものではなく、熟成にも最低3年を要する。シングルモルトとして出荷するには、10年は必要とする。
その間の維持費用もかかり、小さな蒸留所でも最低1,500万ポンドほどの費用が必要とされる。 しかも、アラン蒸留所は独立採算制。既存の蒸留所のように、ブレンデッドとして決まった供給先があるわけではなく、シングルモルトとして販売するより他はない。そのための広告費にも、莫大な資金を必要とする。それらの費用を、どう捻出するかが最大の懸念事項だった。
思案の末、カリー氏の息子のアンドリューが思いついたのが、独自の債券「ポンド」の一般販売だった。購入者は、5年後に5ケースのブレンデッドモルト、と8年後には5ケースのシングルモルト優先的に受け取ることができ、その後も生涯割引価格で購入できるというもの。現在でいうところの、クラウドファンディングの発想で、これで資金調達の目途が立ったのです。
仕込み水は、蒸留所の背後ロサ渓谷の上流にあるロッホ・ナ・ダビー湖を源泉とする、蒸留所のそばを流れるイーサン・ビオラック川の湧水を使用。赤い花崗岩とピート層を抜けてくる、まろやかで独特の風味を持っている水である。
麦芽は、アルコール収率の高いオプティック種の大麦を使ったノンピートのものを使用。 ストレートネックの小型ポットスチルで、少しずつゆっくり丁寧に蒸留されている。
熟成にはフレンチオークの樽や、シェリー樽やワイン樽を使用し、個性的な芳香を生み出す一因となっている。麦芽の自然な甘さと香ばしさがあり、フレッシュでなめらか、様々なウッドフィニッシュも魅力的である。
アラン蒸留所は、1995年8月17日に正式オープン。蒸留所には、アイラ島の観光資源のひとつとして、ビジターセンターも併設されている。1997年に行われた除幕式には、エリザベス女王が公式訪問している。
その後2019年には、「アラン蒸留所」から「ロックランザ蒸留所」に改名、ボトルパッケージも一新した。翌年には、アラン島の南に位置するラグ蒸留所を稼働。ヘビリーピーテッドタイプのウイスキーも造られるようになった。
▶「ロックランザ蒸留所」の歴史(年表)
1995年:
アラン島北部ロックランザにアラン蒸留所(Lochranza Distillery)が創業する。島では約160年ぶりの合法蒸留所として注目され、クリーンでフルーティな酒質を目指した生産が始まる。
1996年:
初留・再留の蒸留が本格稼働し、最初のニューメイクスピリッツが誕生する。無着色・ノンチルフィルターというクラフト志向の姿勢がこの時点で確立される。
1998年:
最初のシングルモルトが限定リリースされ、若いながらもフルーティで透明感のある味わいが高く評価される。アラン島の自然を生かした“ピュアモルト”としての個性が認知され始める。
2005年:
創業10周年を迎え、10年熟成の原酒が揃い始める。これにより、後の定番商品「アランモルト10年」へとつながる基盤が整う。
2010年:
蒸留所の観光施設が拡張され、アラン島の主要観光地としての存在感が増す。年間来訪者数が大幅に増え、地域経済にも貢献するようになる。
2016年:
アラン蒸留所のブランド刷新が行われ、ロックランザ蒸留所としての位置づけがより明確になる。同時に新たなラベルデザインが導入され、世界市場での認知度が向上する。
2019年:
南部ラグ蒸留所(Lagg Distillery)が新設され、ロックランザ蒸留所は“フルーティでクリーンな酒質”を担う拠点として再定義される。これにより、アラン島のウイスキー生産は二拠点体制となる。
2020年:
ロックランザ蒸留所の主要ラインナップが再構築され、10年・バレルリザーブ・シェリーカスクなどのコアレンジが世界的に高評価を得る。クラフト蒸留所から“新世代の王道シングルモルト”へと評価が進む。
2023年:
持続可能な生産体制の強化が進み、再生可能エネルギーの導入や環境負荷低減の取り組みが本格化する。自然豊かなアラン島の環境保全と調和した蒸留所運営が特徴となる。
Data
蒸留所:ロックランザ蒸留所(アイル・オブ・アラン・ディスティラーズ社)
所在地:Lochranza, Isle of Arran, Scotland
URL:https://www.arranwhisky.com/
創業年:1995年
蒸留器:初×2基、再×2基 ※伝統的なランタン型
アルコール度数:46%
容量:700ml(瓶)
【広告】楽天/ウイスキー通販
【広告】Amazon/ウイスキー通販
・ご指定以外の商品も表示されます。
・お酒は二十歳になってから。
