「西吉田酒造株式会社」は、1893年（明治26年）に福岡県筑後市で創業された、焼酎専業の老舗酒蔵です。創業者・吉田又平が「吉田焼酎製造所」として立ち上げたのが始まりで、以来130年以上にわたり、焼酎一筋に歩んできました。筑後平野という穀倉地帯に位置し、阿蘇山を水源とする筑後川水系の清らかな水に恵まれた環境は、酒造りに理想的な条件を備えています。

「西吉田酒造」の焼酎造りの特徴は、まず原料への徹底したこだわりにあります。麦焼酎に使用する大麦は、粒の均一性、でんぷん質の多さ、硬さなどを厳しく評価し、焼酎に最適なものだけを選定。これにより、麦本来の香ばしさと複雑な味わいを最大限に引き出しています。また、製造工程では伝統的な技術を守りつつ、品質管理のための検査をすべての工程で実施。安全性と味の安定性を両立させています。

蒸留法にも特徴があり、主に常圧蒸留を採用しています。これは、麦の風味をしっかりと残すための方法で、深みのある味わいとコクを生み出します。代表銘柄「つくし」シリーズでは、白ラベルが減圧蒸留によるすっきりとした飲み口、黒ラベルが常圧蒸留による力強い味わいと、蒸留法の違いを活かしたラインアップが展開されています。

さらに、「西吉田酒造」は「焼酎造りは笑顔づくり」という理念を掲げ、飲む人だけでなく、造り手や流通に関わるすべての人が幸せになれる酒造りを目指しています。この思いは、製品の味わいだけでなく、企業姿勢にも表れており、伝統を守りながらも新しい技術や商品開発に積極的に取り組む姿勢が評価されています。

近年では、海外市場への展開にも力を入れており、NYをはじめとする国際的な舞台でもその品質が認められています。老舗でありながら革新を恐れず、常に挑戦を続ける「西吉田酒造株式会社」は、今後も焼酎文化の担い手として、国内外で注目される存在であり続けるでしょう。