おすずやまやまざる
2025.12.26
手造り麹が生むやわらかな旨み
麦焼酎『尾鈴山山猿』は、宮崎県の自然豊かな尾鈴山の麓にある尾鈴山蒸留所で造られる、素朴さと繊細さを併せ持つ一本です。黒木本店が培ってきた“農業から始まる焼酎造り”の思想を色濃く反映し、原料の麦づくりから麹造り、蒸留、熟成に至るまで、丁寧な手仕事を重ねて仕上げられています。派手さよりも、麦本来の香りと飲み飽きしない軽快さを大切にしたスタイルが特徴で、日常の食卓に寄り添う焼酎として高い評価を受けています。
味わいは、まず麦の香ばしさがふわりと立ち上がり、白麹由来のやわらかな酸が全体を引き締めます。口当たりは軽やかで、雑味がなく、すっと喉を通る清らかな印象が残ります。余韻にはほのかな甘みと穏やかな麦香が続き、飲み進めるほどに優しさが広がるタイプの焼酎です。食中酒としてのバランスが非常に良く、和食はもちろん、洋食や軽いスパイス料理とも相性が良いのが魅力です。
尾鈴山蒸留所は、自然環境との調和を重視した造りで知られています。清らかな水、澄んだ空気、豊かな森に囲まれた環境で仕込まれる焼酎は、どこか透明感のある味わいを帯び、土地の個性をそのまま映し出したような仕上がりになります。「尾鈴山山猿」もその例外ではなく、自然の恵みを素直に表現した一本として、飲むたびに尾鈴山の風景が思い浮かぶような清々しさを感じさせます。
派手な個性で主張するのではなく、飲む人の生活に静かに寄り添い、気づけばいつもそばにあるような存在感。それが「尾鈴山山猿」という焼酎の魅力です。飲み手のペースに合わせて表情を変え、日常の一杯を豊かにしてくれる、素朴で奥深い麦焼酎と言えるでしょう。
■飲み方あれこれ!!
お湯割り:
立ち上る湯気とともに、山猿らしい香ばしい麦の香りがふわりと広がり、柔らかく包み込むような甘みがゆっくりと膨らむ。温度が上がることで旨味がほどけ、尾鈴山の清らかな水を思わせる優しい余韻が長く続く。
ロック:
冷たさがキリッと輪郭を引き締め、麦の香ばしさとほのかなナッツのような風味がくっきりと浮かび上がる。氷が溶けるにつれて角が取れ、まろやかさが増していく変化をじっくり楽しめる。
前割り:
水と馴染ませることで味わいが驚くほど滑らかになり、麦の旨味が芯から穏やかに広がる。角のない丸い口当たりで、食事にも寄り添いやすく、山猿の素朴で清らかな個性が最も自然に感じられる。
▶「株式会社尾鈴山蒸留所」のこと
宮崎県児湯郡木城町の深い山中に佇む「株式会社尾鈴山蒸留所」は、老舗蔵元・黒木本店の別蔵として1998年に設立された比較的新しい蒸留所である。黒木本店は1885年創業の歴史ある蔵だが、より良質な水と自然環境を求めて、尾鈴山の山中に新たな拠点を築いた。尾鈴山は年間降水量が3000ミリに達するほど水が豊富で、矢研の滝をはじめとする多くの瀑布を抱える水の山域として知られる。この地に湧く超軟水は、焼酎造りに理想的な仕込み水として活かされている。
「尾鈴山蒸留所」の特徴は、自然と人、そして微生物が一体となった“循環する酒造り”にある。麹室や発酵槽には木材が用いられ、特に飫肥杉の木桶は水分調整に優れ、微生物が健やかに働く環境をつくり出す。麹造りは機械化が進む現代にあってもすべて手作業で行われ、毎日1〜2時間かけて麹を広げ、温度と湿度を繊細に管理する。この徹底した手仕事が、尾鈴山の焼酎に柔らかく自然な風味をもたらしている。
蒸留所は「人が活動する場」と「微生物が活動する場」に分けられ、前者では原料処理や蒸し、蒸留などの工程が行われ、後者では製麹や発酵が進む。この二棟構造は、黒木本店が理想とする“自然と一体となった焼酎造り”を具現化したものだ。発酵を終えたもろみは丁寧に蒸留され、最低2年以上の熟成を経て、芋焼酎「山ねこ」、麦焼酎「山猿」、米焼酎「山翡翠」として出荷される。
また、「尾鈴山蒸留所」は焼酎造りにとどまらず、クラフトジン「OSUZU GIN」やクラフトウイスキー「OSUZU MALT」など新たな挑戦にも積極的である。特にウイスキーでは、自社農場での原料栽培から手作業による製麦まで行う(※)という、世界的にも稀有な取り組みを進めている。杉樽や桜樽など日本固有の木材での熟成にも挑戦し、焼酎蔵の技術を昇華させた独自の蒸留酒を生み出している。
⇒原料栽培から手作業による製麦まで行う(※)
〇ウイスキー造りにおいて、原料の大麦を自社農場で栽培し、さらに製麦(モルティング)まで手作業で行うという取り組みは、世界的にも極めて珍しいとされています。クラフトウイスキー「OSUZU
MALT」は、この徹底した“原料からの一貫生産”によって生まれています。
「尾鈴山蒸留所」は、豊かな自然環境と手仕事を重んじる姿勢、そして革新的な挑戦を併せ持つ稀有な蒸留所であり、焼酎文化の未来を切り開く存在として注目され続けている。
▶「株式会社尾鈴山蒸留所」の歴史(年表)
1998年(平成10年):
宮崎県児湯郡木城町・尾鈴山の山中に、黒木本店の別蔵として「株式会社尾鈴山蒸留所」が開設される。より良質な水と自然環境を求め、先代社長・黒木敏之氏がスコットランドのエドラダワー蒸留所に感銘を受け、あえて山中に建てられたとされる。
1998年(平成10年)以降:
芋焼酎「山ねこ」、麦焼酎「山猿」、米焼酎「山翡翠」など、黒木本店の定番銘柄の製造を尾鈴山蒸留所で開始。自然環境と木桶を活かした発酵、手作業による麹造りなど、独自の焼酎造りが確立されていく。
2010年代(時期詳細不明):
従来の甕壺仕込みから木桶仕込みへと移行。飫肥杉の木桶を用いることで、微生物が健やかに働く環境を整え、より自然と調和した発酵を実現する体制が整う。
2019年(令和元年)11月:
次男の黒木信作氏が中心となり、ウイスキー造りを本格的に開始(※2)。焼酎用スチルとウイスキー用銅製スチルを併用し、初留を焼酎スチル、再留をウイスキースチルで行う独自の製法を採用する。
⇒ウイスキー造りを本格的に開始(※2)
〇黒木信作氏は、尾鈴山蒸留所を「自分の造りたい酒にチャレンジできる場所」と語っています。本店とは異なる自由度の高い環境で、焼酎・ジン・ウイスキーと多彩な蒸留酒を生み出す“実験場”としての役割を担っています。
2019年以降:
自社農場(甦る大地の会)での大麦栽培、温室での手作業による製麦など、原料からの一貫生産体制を確立。杉樽・桜樽・栗樽など日本固有の木材での熟成にも挑戦し、クラフトウイスキー「OSUZU
MALT」やクラフトジン「OSUZU GIN」など新たな蒸留酒の展開が進む。
Data
生産者:株式会社尾鈴山蒸留所
住所: 宮崎県児湯郡木城町大字石川内字蔵谷656-17
創業:1998年(平成10年)
TEL:0983-39-1177
URL:https://osuzuyama.co.jp/ (鈴山蒸留所公式サイト)
URL:http://osuzuyama.co.jp/store/ (公式オンラインストア)
原料:二条大麦、麦麹(白)
蒸留方式:常圧蒸留
アルコール度数:25度
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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