たまじまん じゅんまいむろか
2026.05.30
無濾過ならではの豊かな旨味が広がる純米酒
『多満自慢 純米無濾過』は、東京・福生の老舗蔵である石川酒造が手がける、米の旨味をしっかりと感じられる純米酒です。無濾過ならではの豊かな風味と、造りの個性がそのまま表れる力強い味わいが特徴で、飲み手に“米の酒”としての存在感をはっきりと伝えてくれます。
「多満自慢 純米無濾過」は、搾った後に一般的に行われる濾過工程をあえて省くことで、米由来の旨味やコク、香りをそのまま瓶に閉じ込めています。そのため、口に含むとふくよかな甘旨味が広がり、後半にはキレのある酸が全体を引き締め、飲み飽きしないバランスを生み出しています。香りは穏やかで、米のふくらみを感じさせる落ち着いた印象。食事との相性も良く、特に和食の旨味を引き立てるタイプです。
また、無濾過ならではの“生きた味わい”が魅力で、温度帯によって表情が変わるのも楽しみのひとつ。冷酒ではシャープさと旨味の輪郭が際立ち、常温ではふくらみと柔らかさが増し、燗にすると米の甘みがより豊かに広がります。蔵の個性と米の力を素直に感じられる、素朴でありながら奥行きのある一本です。
■飲み方あれこれ!!
ぬる燗(40℃):
無濾過のふくらみある旨味が最も素直に広がり、米の甘旨さと柔らかな酸が調和して、丸みのある心地よい味わいになる。雑味は出ず、余韻は穏やかで食事にも寄り添いやすい。
常温(20℃):
無濾過らしい豊かな旨味がしっかり感じられ、香りは落ち着きつつも米のふくらみが自然に立ち上がる。味の輪郭がはっきりし、飲みごたえとバランスの良さが共存する表情になる。
涼冷え(15℃):
冷やすことで輪郭が引き締まり、旨味の厚みが程よく整う。無濾過の力強さは残しつつ、後味にキレが生まれ、食中酒として軽快に楽しめる印象となる。
おすすめのマリアージュ
●焼き鳥(塩):
無濾過のふくらみある旨味が鶏の脂の甘みと重なり、後半の軽い酸が口中を整えてくれるため、食べ進めても重くならない。
●鯖の味噌煮:
味噌のコクと魚の旨味に、純米無濾過の甘旨味が寄り添い、全体をまろやかにまとめる。余韻の酸が後味を引き締め、くどさを抑える。
●豚の生姜焼き:
肉の甘い脂と生姜の香りに、酒の力強い旨味が負けずに調和する。無濾過の厚みが料理のコクを引き立て、食中酒として心地よく続く。
●厚揚げの炙り+生姜醤油:
香ばしさと大豆の旨味に、酒の穏やかな香りと甘旨味がよく馴染む。シンプルな料理ほど無濾過の個性が際立ち、味の奥行きを感じられる。
●きのこのバター醤油炒め:
きのこの旨味とバターのコクに、酒のふくらみある味わいが重なり、香りの相乗効果が生まれる。後味のキレが全体を軽やかにまとめる。
▶「石川酒造株式会社」のこと
「石川酒造株式会社」は、1863年(文久3年)に東京・多摩地域で創業した歴史ある蔵(※)で、江戸末期から続く酒造りの伝統を守りながら、時代に合わせた革新も取り入れてきた酒蔵である。創業当初は地域の米と水を生かした素朴な酒造りを行っていたが、明治以降は技術の導入や設備の拡充を進め、東京の地酒として確かな地位を築いていった。現在の蔵は、敷地内に湧く中硬水の井戸水を仕込み水として使用し、この水の持つミネラル感が、同社の酒に骨格のある味わいを与えている。
⇒東京・多摩地域で創業した歴史ある蔵(※)
〇「石川酒造」の敷地には、昭和初期に建てられた酒蔵や石造りの建物が今も残り、東京都の歴史的建造物として高く評価されている。酒造りの現場そのものが文化財的価値を持ち、訪れる人に当時の面影をそのまま伝えている。現在敷地内にはレストランや資料館が整備され、酒蔵見学と食文化を楽しめる場として多くの人が訪れる。酒造りだけでなく、地域文化の発信地としての役割を果たしている点が大きな特徴となっている。
酒造りの特徴として、米の旨味をしっかりと引き出す丁寧な造りが挙げられる。精米歩合に頼りすぎず、米の個性を生かすことを重視し、麹づくりでは温度管理と手入れを細かく行い、香りよりも味の厚みを重視した麹を育てている。また、発酵では低温でじっくりと時間をかけ、雑味を抑えながらも米のふくらみを残す造りを徹底している。無濾過や生酒など、素材の力をそのまま伝えるタイプの酒にも積極的で、蔵の個性を素直に表現した味わいが多い。
さらに、伝統的な酒造りを守りつつ、ビール醸造や観光施設の整備など、多角的な取り組みも行っており、地域文化の発信拠点としての役割も担っている。長い歴史の中で培われた技と、現代的な感覚を融合させた酒造りは、東京の地酒として独自の存在感を放ち続けている。
▶「石川酒造株式会社」の歴史(年表)
1863年(文久3年):
「石川酒造株式会社」の前身となる酒造業が創業し、多摩地域での酒造りが始まる。
明治時代後期(1890年代〜1900年代):
設備の拡充と技術導入を進め、地域の需要に応える体制を整え、東京の地酒としての基盤を固める。
1927年(昭和2年):
酒蔵の主要建物が整備され、現在も残る歴史的建造物群の基礎が形成される。
1950年代(昭和中期):
戦後の需要回復とともに生産量を増やし、地域に根ざした酒蔵として成長を続ける。
1970年代(昭和後期):
品質向上のための設備更新を進め、仕込み水として敷地内の中硬水を活用した酒造りを確立する。
1998年(平成10年):
地ビール事業を開始し、酒造りの伝統と新たな醸造文化を融合させる取り組みを本格化させる。
2000年代(平成期):
観光施設の整備を進め、酒蔵見学やレストラン運営など、地域文化の発信拠点としての役割を強化する。
2010年代(平成後期):
無濾過や生酒など、素材の個性を生かす酒造りに注力し、東京の地酒として独自の存在感を高める。
2020年代(令和期):
伝統的な酒造技術を継承しつつ、現代の嗜好に合わせた酒造りを展開し、地域とともに歩む蔵として進化を続けている。
Data
生産者:石川酒造株式会社
住所:東京都福生市熊川1
創業:1863年(文久3年)
TEL:042-553-0100
URL:https://tamajiman.co.jp/ (石川酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに国産米70%
アルコール度数:14〜15%
酵母: ―
日本酒度: ―
酸度: ―
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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