さがみなだ じゅんまいぎんじょうしゅ みやまにしき
2026.05.26
美山錦の素直な甘みが広がる清らかな味わい
『相模灘 純米吟醸酒 美山錦』は、神奈川県相模原市の久保田酒造が手がける、端正で清らかな味わいを持つ純米吟醸酒です。酒米には長野県産の美山錦を使用し、米の芯にある上質な甘みと透明感のある旨味を引き出すよう丁寧に仕込まれています。香りは控えめで、穏やかな吟醸香がふわりと立ち上がり、派手さよりも“きれいさ”と“素直さ”を重視した酒質が第一印象として伝わります。
口に含むと、みずみずしい旨味が広がり、雑味のないクリアな味わいがすっと伸びていきます。中盤から後半にかけては、美山錦らしい軽やかな甘みとほのかな苦味がバランスよく調和し、余韻には清涼感のあるキレが心地よく残ります。全体として、透明感と柔らかさが共存する、相模灘らしい“端麗でありながら奥行きのある”味わいが特徴です。
温度帯によって表情が変わるのも魅力で、冷酒ではシャープなキレと爽やかさが際立ち、常温では米のふくらみと旨味がより豊かに感じられます。食中酒としての完成度も高く、白身魚の刺身、塩焼き、だしを使った料理、淡い味付けの野菜料理など、素材の味を生かした料理と相性が抜群です。料理を邪魔せず寄り添うように調和するため、日常の食卓でも活躍する一本です。
美山錦の素直な旨味と、久保田酒造の丁寧な造りが結びついた「相模灘 純米吟醸酒 美山錦」は、清らかで美しい味わいを求める人に寄り添う、静かで品のある日本酒です。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
みずみずしい透明感が最も美しく立ち上がり、美山錦らしい柔らかな甘みと澄んだ旨味がバランスよく広がる。穏やかな吟醸香が心地よく、後味は清らかでキレが良い。相模灘の端正な酒質を最も素直に感じられる温度帯。
花冷え(10℃):
香りはさらに引き締まり、シャープな輪郭が際立つ。口当たりは軽快で、みずみずしい酸が爽やかに広がり、余韻はスッと消えるように清涼感が残る。食中酒として料理を引き立てる、最も万能な飲み方。
常温(20℃):
冷酒では控えめだった米のふくらみが豊かに感じられ、美山錦の柔らかな甘みと旨味が穏やかに広がる。雑味のないクリアさはそのままに、味わいに奥行きが生まれ、落ち着いた余韻が続く。料理との調和も良く、日常の食卓に寄り添う温度帯。
おすすめのマリアージュ
白身魚の刺身(鯛・平目):
みずみずしい旨味と透明感が、白身魚の繊細な甘みを邪魔せず引き立てる。後味の清らかなキレが口中を整え、次のひと口を心地よく誘う。
だし巻き玉子:
美山錦の柔らかな甘みと、だしの旨味が穏やかに重なり合う。冷酒の清涼感が玉子のふくよかさを軽やかにまとめ、優しい余韻が続く。
鶏の塩焼き:
控えめな吟醸香と澄んだ旨味が、鶏の香ばしさと塩味に寄り添う。脂のコクをほどよく洗い流し、後味に爽やかさが残る食中向けの好相性。
湯豆腐:
豆腐の柔らかな甘みと酒の透明感が調和し、シンプルな料理ほど相模灘の清らかさが際立つ。だしの旨味とも自然に溶け合い、穏やかな余韻が心地よい。
▶「久保田酒造株式会社」のこと
「久保田酒造株式会社」は、1844年(弘化元年)に創業した神奈川県相模原市の老舗酒蔵で、相模国の山あいに位置する自然豊かな環境の中で酒造りを続けてきた蔵である。創業当時から地域に根ざした酒造りを大切にし、地元の水と米を生かした素朴で誠実な味わいを追求してきた。特に、蔵の周囲に広がる丹沢山系の伏流水は、柔らかく清らかな中硬水で、酒造りに適した性質を持つ。この水を仕込み水として用いることで、雑味のない透明感と、米の旨味が素直に引き出された酒質が形成されている。
「久保田酒造株式会社」の酒造りの特徴としてまず挙げられるのは、少量仕込みによる丁寧な醸造姿勢である。大規模生産を行わず、一本一本のタンクに細やかな管理を施し、発酵の状態を見極めながら最適な温度帯で仕込むことで、米の持つ個性を最大限に引き出している。特に純米系の酒に力を入れており、米の旨味と透明感の両立を目指した酒造りが蔵の根幹を成している。また、酒米の選定にもこだわり、美山錦や山田錦など、品種ごとの特性を理解した上で最適な精米歩合と仕込み方法を採用している。
発酵管理においては、低温長期発酵を基本とし、酵母の働きを穏やかに保ちながら香味のバランスを整える手法を重視している。これにより、華やかすぎない上品な吟醸香と、みずみずしい旨味が調和した酒質が生まれる。さらに、搾りの工程でも圧力をかけすぎず、雑味の混入を避けることで、清らかで澄んだ味わいを実現している。こうした丁寧な工程の積み重ねが、「相模灘」シリーズ(※)に代表される端正で透明感のある酒質を支えている。
⇒「相模灘」シリーズ(※)
〇平成期に入り、蔵の代表銘柄となる「相模灘」シリーズが本格的に確立した。華やかさよりも“透明感と旨味の調和”を重視した酒質は、当時のトレンドとは一線を画すもので、蔵の独自性を強く打ち出すきっかけとなった。特に美山錦や山田錦を使い分け、精米から発酵管理まで徹底して品質を追求する姿勢が評価され、全国の愛飲家から注目される存在へと成長した。
また、蔵は伝統を守りつつも現代的な感性を取り入れ、食中酒としての完成度を高める酒造りを意識している。料理の味を引き立て、日常の食卓に寄り添う酒を目指す姿勢は、地域の風土と調和した酒造りという創業以来の理念とも一致している。結果として、「久保田酒造株式会社」の酒は、派手さよりも清らかさ、素直さ、そして飲み飽きしない上質さを備えた一本として、多くの愛飲家から支持を集めている。
▶「久保田酒造株式会社」の歴史(年表)
1844年(弘化元年):
「久保田酒造株式会社」の前身となる酒造業が創業し、相模国(現在の神奈川県相模原市)で酒造りを開始する。丹沢山系の伏流水を仕込み水とし、地域に根ざした酒造りの基盤を築く。
明治時代(1868〜1912年):
近代化の流れの中で設備の整備が進み、地元向けの清酒生産を拡大する。地域の食文化に寄り添う素朴で誠実な酒質が評価され、地元での信頼を確立する。
大正時代(1912〜1926年):
小規模ながら品質重視の姿勢を貫き、手造り中心の酒造りを継続する。蔵の周囲の自然環境を生かした醸造方法が定着し、蔵の個性が形成されていく。
昭和時代(1926〜1989年):
戦中・戦後の混乱期を乗り越え、酒造りを継続。高度経済成長期には設備の改良を進めつつも大量生産に走らず、少量仕込みの丁寧な酒造りを守り続ける。後半には吟醸造りへの取り組みが始まり、現在の酒質の礎が築かれる。
平成時代(1989〜2019年):
「相模灘」ブランドが確立し、純米酒・純米吟醸酒を中心としたラインナップが整う。美山錦や山田錦などの酒米を使い分け、透明感と旨味の両立を目指した酒造りが評価される。食中酒としての完成度を高める方向性が明確になる。
令和時代(2019年〜):
伝統を守りながらも現代的な感性を取り入れ、より洗練された酒質を追求。少量仕込み・低温長期発酵・丁寧な搾りといった蔵の特徴がさらに磨かれ、「相模灘」シリーズは全国の愛飲家から注目を集める存在となる。地域の自然と調和した酒造りを続けながら、新たな挑戦も進めている。
Data
生産者:久保田酒造株式会社
住所:神奈川県相模原市緑区根小屋702
創業:1844年(弘化元年)
TEL:042-784-0010
URL:https://www.tsukui.ne.jp/kubota/ (久保田酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:純米吟醸酒
原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに美山錦(長野県産)50%
アルコール度数:16%
酵母: 9号酵母
日本酒度:+2
酸度:1.6
容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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