十右衛門 金婚 純米無濾過原酒

じゅうえもん きんこん じゅんまいむろかげんしゅ

2026.05.21

無濾過原酒ならではの力強い旨味

『十右衛門 金婚 純米無濾過原酒』は、東京・東村山に蔵を構える「豊島屋酒造」が手がける、力強さと米の旨味を存分に感じられる純米無濾過原酒です。無濾過・原酒ならではの濃醇な味わいを持ちながら、雑味を抑えたクリアな飲み口が特徴で、伝統的な酒造りを継承する蔵の技がしっかりと反映された一本となっています。しっかりとした旨味と厚みのあるボディを持ちながら、後味にはキレがあり、飲み疲れしにくいバランスの良さが魅力です。

口に含むと、まず米由来のふくらみとコクが広がり、続いて無濾過原酒らしい濃密な旨味が舌に乗ります。香りは穏やかで、派手さよりも落ち着いた米の香りが中心。後半にかけては、原酒の力強さを感じさせつつも、余韻は意外なほどスッと切れていき、食中酒としても十分に活躍します。特に、濃い味付けの料理や肉料理、煮込み料理など、旨味の強い料理と合わせると、酒の厚みが料理の味わいを引き立て、相乗効果を生み出します。

また、常温では旨味の厚みが最も感じられ、冷酒にすると輪郭が引き締まり、キレの良さが際立ちます。燗にすると米の甘みと柔らかさがふくらみ、無濾過原酒の持つ奥行きがより豊かに感じられるため、温度帯によって多彩な表情を楽しめる点も魅力です。伝統と力強さを併せ持つ、飲み応えのある純米無濾過原酒として、多くの日本酒好きに支持される一本といえるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

常温(20℃):

無濾過原酒らしい濃醇な旨味と厚みが最も自然に感じられ、米のふくらみとコクがしっかりと広がる。香りは落ち着きつつも奥行きがあり、余韻には力強さとキレが共存する。料理との相性も幅広く、酒本来の個性を最も素直に楽しめる温度帯となる。

涼冷え(15℃):

冷やすことで輪郭が引き締まり、濃厚な旨味にシャープなキレが加わる。無濾過原酒の重さが軽やかに整い、雑味のないクリアな飲み口が際立つ。肉料理や濃い味付けの料理にも負けず、食中酒としての使い勝手が非常に良い。

ぬる燗(40℃):

温めることで米の甘みと柔らかさがふくらみ、濃醇な旨味が丸みを帯びて広がる。原酒の力強さが穏やかに溶け込み、奥行きのある味わいがじんわりと続く。煮物や焼き物など温かい料理と合わせると、酒と料理の旨味が心地よく重なり合う。

おすすめのマリアージュ

●牛すじ煮込み:

無濾過原酒らしい濃醇な旨味と厚みが、牛すじのコク深い甘辛さと見事に調和する。酒の力強いボディが煮込みの旨味を受け止めつつ、後半はキレが全体を引き締め、重さを感じさせない余韻へと導く。

●鶏もも肉の照り焼き:

照り焼きの甘辛いタレに、原酒の濃密な旨味がしっかり寄り添う。米のふくらみが肉のジューシーさを引き立て、タレの甘みと酒のコクが重なり合う。後味の鋭いキレが口中を整え、次のひと口を自然に誘う。

●味噌田楽:

味噌の濃厚な旨味と香ばしさに、無濾過原酒の厚みある味わいがぴたりと寄り添う。酒のコクが味噌の深みをさらに広げ、温度が上がるほど柔らかい甘みがふくらむ。余韻には心地よい力強さが残り、満足感の高い組み合わせとなる。

▶「豊島屋酒造株式会社」のこと

「豊島屋酒造株式会社」は、東京・東村山に蔵を構える老舗酒蔵であり、その歴史は江戸時代初期にまで遡る。創業は慶長年間と伝わり、当初は江戸日本橋で酒屋兼一杯飲み屋「豊島屋」を営んでいたことが始まりとされる。江戸の町人文化が発展する中で、庶民に親しまれる酒を提供し続け、その名は次第に広く知られるようになった。後に酒造業としての基盤を固め、明治期には現在の東村山へ酒造場を移転し、より本格的な酒造りを展開していくこととなる。

東村山の地は、武蔵野台地の伏流水に恵まれ、酒造りに適した清らかな水が得られる環境であった。「豊島屋酒造」はこの水を活かし、伝統的な手造りの技法を守りながらも、時代に合わせた設備の導入を進め、安定した品質と個性ある酒造りを両立させてきた。特に、米の旨味をしっかりと引き出す純米系の酒造りに力を入れ、無濾過原酒や生酒など、素材の力をそのまま伝える酒を多く手がけている点が特徴的である。

また、同社は東京の地酒文化を支えてきた存在としても知られ、明治期から続く「金婚」ブランド(※)は、長年にわたり地域に根付いた銘柄として親しまれている。伝統を重んじつつも、新たな挑戦にも積極的で、現代の嗜好に合わせた酒質設計や限定酒の開発にも取り組んでいる。無濾過原酒や生酛造りなど、酒造りの幅を広げる試みは、蔵の柔軟な姿勢と技術力の高さを示している。

⇒明治期から続く「金婚」ブランド(※)

〇代表銘柄「金婚」は、夫婦の長寿や祝い事を象徴する名として広まり、地域の慶事に欠かせない酒として親しまれてきた。江戸から東京へと時代が移る中でも、地域の人々の人生の節目に寄り添う酒として愛され続けている点は、同社の文化的な存在感を示す象徴的なエピソードである。

さらに、地域とのつながりを大切にし、東京の地酒としての魅力を発信する活動にも力を入れている。蔵見学やイベントを通じて日本酒文化を伝えるほか、地元食材とのコラボレーションや地域振興への貢献も積極的に行っている。「豊島屋酒造株式会社」は、400年以上にわたる歴史を背景に、伝統と革新を融合させた酒造りを続ける東京を代表する酒蔵であり、その姿勢は今も変わらず受け継がれている。

▶「豊島屋酒造株式会社」の歴史(年表)

1596年(慶長元年):

江戸日本橋にて、酒屋兼一杯飲み屋「豊島屋」が創業したと伝わる。江戸の町人文化の中で庶民に親しまれる酒を提供し、後の酒造業の基盤となる。

1650年代(江戸前期):

日本橋での商いが広まり、江戸の酒文化を支える存在として定着する。看板商品が評判を呼び、地域に根付いた酒屋として発展する。

明治時代初期(1868年〜):

酒造業としての体制を強化し、事業の近代化を進める。江戸から東京へと時代が移る中で、酒造りの基盤を整えていく。

1870年代(明治期):

現在の東村山に酒造場を移転し、本格的な日本酒醸造を開始する。武蔵野台地の伏流水に恵まれた環境が、酒質向上に大きく寄与する。

1880年代(明治期):

「金婚」ブランドが誕生し、地域に根付く銘柄として広く知られるようになる。祝いの席にふさわしい酒として人気を集める。

1920年代(大正期):

近代設備の導入が進み、安定した品質管理体制が整う。伝統技法と新技術の両立を図る姿勢が確立される。

1945年(昭和20年):

戦後の混乱期を乗り越え、酒造りを再開。地域の復興とともに需要が回復し、東京の地酒としての存在感を取り戻す。

1970年代(昭和期):

純米酒や無濾過原酒など、多様な酒質への挑戦が始まる。伝統を守りつつも、現代の嗜好に合わせた酒造りを進める。

1990年代(平成期):

蔵見学やイベントを通じて日本酒文化を発信(※2)する取り組みを強化。地域とのつながりを深め、文化的役割を担う蔵として評価が高まる。

⇒蔵見学やイベントを通じて日本酒文化を発信(※2)

〇蔵見学やイベント、資料展示などを通じて、日本酒文化を広く発信している点も特筆すべきである。蔵を訪れる人々に酒造りの歴史や技法を伝え、地域文化の継承に貢献している。単なる酒造業にとどまらず、文化的価値を持つ拠点として機能していることは、同社の大きな特徴といえる。

2000年代〜現在(平成〜令和):

生酛造りや限定酒の開発など、技術革新と伝統継承を両立した酒造りを継続。東京を代表する老舗酒蔵として、400年以上の歴史を今に伝えている。

Data

生産者:豊島屋酒造株式会社

住所:東京都東村山市久米川町3-14-10

創業:1596年(慶長元年)

TEL:042-391-0601

URLhttp://www.toshimayasyuzou.co.jp/ (豊島屋酒造公式サイト・直接注文不可)

特定名称:純米酒

原料米&精米歩合:麴米・八反錦55%、掛米・八反錦60%

アルコール度数:17〜18%

酵母:特殊酵母(香りを抑えるための酵母)

日本酒度:+3.5

酸度:1.7

容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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