わたりぶね じゅんまいだいぎんじょう
2026.04.17
復活米を用いた蔵元の情熱が宿る一本
『渡舟 純米大吟醸』は、茨城県石岡市の老舗蔵・府中誉が手がける高級日本酒で、酒米「渡船(短稈渡船)」を使った純米大吟醸の代表格として知られています。この「渡船」は、山田錦の親系統にあたる希少な酒米で、かつて栽培の難しさから姿を消した“幻の米”。府中誉は研究機関に残されていたわずか14gの種もみから復活栽培に成功し、その米を用いて生まれたのが「渡舟」シリーズです。
精米歩合は35%と非常に高く磨かれており、雑味のないクリアな酒質が特徴です。香りは果実を思わせるフルーティーで爽やかな香りが立ち、口に含むと芳醇でふくよかな旨味が広がります。華やかさと上品さを併せ持ちながら、後味はすっきりとキレがあり、飲み疲れしないバランスの良さが魅力です。実際に「果実様の香りと芳醇な味わいが際立つ」と評価されており、香りと味の両面で高い完成度を誇ります。
また、全国新酒鑑評会金賞(2019年)やIWC日本酒部門GOLD(2018年)など、国内外のコンクールで高い評価を受けている実力派でもあります。おすすめの飲み方は10℃前後の花冷え。冷やすことで香りが引き締まり、透明感のある味わいがより際立ちます。料理は刺身やあん肝ポン酢など、繊細な旨味を持つ魚介料理との相性が抜群とされています。
「渡舟 純米大吟醸」は、復活米「渡船」の個性を最大限に引き出した、香り・旨味・余韻の三拍子がそろった上質な日本酒です。特別な日の一本としても、贈り物としてもふさわしい存在感を放っています。
■飲み方あれこれ!!
花冷え(10℃):
果実のように華やぐ香りが最も美しく立ち上がり、透明感のある旨味がすっと広がります。雑味のないクリアな酒質が際立ち、余韻まで上品に続く、最もバランスの良い温度帯です。
涼冷え(15℃):
香りがやや落ち着き、米の旨味がふくらみを増して感じられます。芳醇さとキレの良さが調和し、料理との相性も広がるため、食中酒としても優秀な印象を与えます。
常温(20℃):
米のふくよかな旨味がしっかりと開き、落ち着いた深みのある味わいが楽しめます。冷酒とは異なる柔らかい表情が現れ、余韻の奥行きがより豊かに感じられます。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の刺身:
繊細な旨味が酒の透明感と調和し、香りの華やかさを邪魔せず引き立てます。
●鯛の昆布締め:
昆布の旨味が酒のふくらみと重なり、より奥行きのある味わいに。
●あん肝ポン酢:
濃厚な旨味を酒のキレがすっきりと整え、後味を軽やかにしてくれます。
●帆立の炙り:
香ばしさと甘味が酒の芳醇さと相性良く、余韻が豊かに広がります。
●塩の天ぷら:
軽い油分を酒の清涼感が洗い流し、素材の旨味がより際立ちます。
▶「府中誉株式会社」のこと
「府中誉株式会社」は、安政元年(1854年)に霊峰・筑波山の東麓、石岡の地で創業した歴史ある酒蔵です。創業以来160年以上にわたり、常陸国の国府が置かれたこの地域で、地元の人々に愛される酒造りを続けてきました。蔵の主屋や長屋門、文庫蔵、穀蔵などは明治期から昭和初期に建てられた建造物で、地域の歴史を伝える貴重な文化財としても知られています。
同社の酒造りの大きな特徴は、幻の酒米「渡船(わたりぶね)」の復活にあります。明治・大正期に栽培されていた「渡船」は、山田錦の父親系統にあたる酒米ですが、栽培の難しさから一度は姿を消しました。平成に入り、蔵の近くの研究所にわずか14gだけ残されていた種もみを見つけたことをきっかけに、地元農家と協力して全国で初めて復活栽培に成功しました。
この復活米を用いて醸されたのが、代表銘柄の「渡舟」です。「渡船」でしか生み出せない果実を思わせる爽やかな香りと、芳醇でふくよかな味わいが特徴で、国内外で高い評価を受けています(※)。また、もう一つの銘柄「太平海」は、季節ごとに異なる味わいを楽しめるシリーズとして人気があり、蔵の柔軟な酒造りの姿勢を象徴しています。
⇒国内外で高い評価を受けています(※)
〇復活した短稈渡船で醸した酒は、1996年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、一躍注目を集めました。 その後も「渡舟」は米国・香港・シンガポールなど海外へ輸出され、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)でもゴールドを獲得するなど、世界的に評価される銘酒へと成長しています。
酒造りにおいては、筑波山麓の豊かな自然環境を活かし、地元の水と米にこだわった丁寧な仕込みを行っています。蔵人たちは代々受け継がれてきた技と感性を大切にしながら、現代の嗜好にも寄り添う酒造りを追求しています。特に吟醸造りにおいては、米の旨味を最大限に引き出すための繊細な温度管理や発酵の見極めが重視され、これが「渡舟」シリーズの上品で奥行きのある味わいにつながっています。
「府中誉株式会社」は、歴史と伝統を守りながらも、新たな挑戦を続ける蔵元です。復活米「渡船」を象徴とする独自の酒造りは、地域の風土と蔵人の情熱が結実したものであり、今もなお多くの日本酒ファンを魅了し続けています。
▶「府中誉株式会社」の歴史(年表)
1854年(安政元年):
茨城県石岡市・筑波山東麓の地にて創業。常陸国の国府が置かれた歴史ある土地で酒造りを開始した。
1869年(明治2年):
現在も残る主屋が建築される。幕末〜明治初期の建築様式を伝える貴重な建物である。
明治初期(年不詳):
長屋門が建築される。酒蔵の歴史的景観を形づくる重要な建造物となっている。
1894年(明治27年):
文庫蔵が建築される。資料保管などに用いられ、現在も文化財的価値を有している。
1930年代初頭(昭和初期):
穀倉が建設される。昭和4年(1929年)の大火後の建築工法を伝えるものとして貴重とされている。
1989年(平成元年):
明治・大正期の酒米「渡船」の種もみ(14g)が研究所で発見され、地元農家と協力して復活栽培を開始。後に代表銘柄「渡舟(わたりぶね)」として商品化される。
Data
生産者:府中誉株式会社
住所:茨城県石岡市国府5-9-32
創業:1854年(安政元年)
TEL:0299-23-0233
URL:https://www.huchuhomare.com (府中誉公式サイト・直接注文不可)
特定名称:純米大吟醸酒
原料米&精米歩合:麹米・掛米ともに渡船(短稈渡船)35%
アルコール度数:16.5%
酵母: ―
日本酒度:+3
酸度: 1.5
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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