越の誉 越後純米酒

こしのほまれ えちごじゅんまいしゅ

2026.06.12

新潟らしい淡麗さと米の旨味が調和した上質な味わい

『越の誉 越後純米酒』は、新潟・柏崎の老舗蔵である原酒造が手がける、端正で食事に寄り添う純米酒です。新潟らしい淡麗な酒質を基本にしながらも、ただ軽いだけではなく、米の旨味をしっかりと引き出した“ふくらみ”のある味わいが特徴です。口に含むと、まず穏やかな香りが立ち、続いて米由来のやわらかな甘みと旨味が広がり、後味はすっと切れていく——その流れが非常に自然で、飲み飽きしない一本に仕上がっています。

食中酒としての完成度が高く、和食全般との相性が抜群です。特に、焼き魚、煮物、だしを生かした料理、野菜の炊き合わせなど、素材の味を大切にした料理と合わせると、酒の旨味が料理を引き立て、料理がまた酒の奥行きを深めてくれます。冷酒では清らかなキレが際立ち、常温では旨味がふくらみ、ぬる燗にすると一層やわらかく包み込むような味わいになるなど、温度帯によって表情が変わるのも魅力です。

蔵元の原酒造は1814年(文化11年)創業の歴史ある酒蔵で、丁寧な小仕込みと品質重視の姿勢を貫いています。その哲学がこの純米酒にも息づき、派手さよりも“毎日飲みたくなる美味しさ”を追求した、誠実でバランスの良い味わいに結実しています。日本酒初心者にも、長く日本酒を楽しんできた人にも寄り添う、懐の深い一本と言えるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

熱燗(50℃):

米の旨味が最もバランスよく開き、ふくらみのある味わいが広がります。香りは穏やかに立ち上がり、後味はすっと切れて心地よい余韻を残します。食中酒としての実力が最も感じられる温度帯です。

常温(20℃):

香り・旨味・キレの三要素が自然に調和し、酒本来の素直な表情が楽しめます。やわらかな甘みと米のふくらみが感じられ、料理との相性も幅広く、日常的に飲みやすい印象です。

ぬる燗(40℃):

口当たりがやわらかく、旨味が丸みを帯びて広がります。冷やよりも甘みがふくらみ、熱燗よりも穏やかな印象で、包み込むような優しい味わいになります。ゆったり飲みたい時に向きます。

おすすめのマリアージュ

焼き魚(特にサバの塩焼き):

淡麗でキレのある酒質が脂の旨味をすっきりと受け止め、後味を軽やかに整えてくれます。香ばしさと米のふくらみが心地よく調和します。

だしを使った煮物(筑前煮・肉じゃがなど):

穏やかな香りとやわらかな旨味が、だしの風味と自然に寄り添います。料理の甘みと酒の旨味が重なり、優しい味わいが広がります。

おひたし・白和えなどの和え物:

素材の繊細な味を邪魔せず、酒の控えめな香りと軽やかなキレが全体をまとめます。常温や涼冷えで合わせると、より上品な印象になります。

焼き鳥(塩):

米の旨味が鶏肉の旨味と重なり、後味のスッとした切れが脂を心地よく流します。シンプルな塩味と相性が良く、飲み飽きしない組み合わせです。

だし巻き卵:

やわらかな甘みとふくらみのある旨味が、卵のまろやかさとよく馴染みます。軽やかな後味が続き、食事の最初にも最適です。

▶「原酒造株式会社」のこと

「原酒造株式会社」は、江戸時代後期の文化11年(1814年)に新潟県柏崎市で創業した、二百年以上の歴史を持つ老舗酒蔵である。創業者・原幸太郎は鋳物師の家に生まれながら酒造業を志し、家督を妹に譲って蔵を開いたと伝わる。創業当初は「鍋屋さん」と呼ばれ親しまれ、地名に由来する「鵜川」「花堤」などの銘柄を醸していた。四代目の時代には柏崎大火によって蔵が全焼する危機に見舞われたが、「酒は人に寄り添い心を豊かにするもの」という信念のもと復興を果たし、1926年に東蔵、1937年に西蔵を再建した。その後、懇意にしていた酒蔵の廃業に伴い「越の誉」の銘柄を譲り受け、蔵の代表銘柄として育てていくことになる。

同社の酒造りは、柏崎の風土と深く結びついている。日本海に面した柏崎は豪雪地帯の新潟の中でも雪が少なく、冬は吹雪と荒波が押し寄せる厳しい環境である。蔵人はその張り詰めた寒気の中で五感を研ぎ澄ませ、静謐な蔵で仕込みに向き合う。仕込み水には米山の雪解け水を源とする超軟水の伏流水を用い、なめらかな口当たりと穏やかな甘みを引き出す。かつて柏崎の労働者が求めた「濃醇甘口」の味わいが原点とされ、そこから現代的な繊細さを加えた酒質へと進化してきた。

また、原料米へのこだわりも強く、地元契約農家と協力しながら酒造好適米を中心に使用している。さらに国の研究機関や農家と連携し、「越神楽」「春陽」などの新品種米の開発にも携わり、米の可能性を広げてきた。全量自家精米によって米の状態を見極め、低温発酵で丁寧に醸すことで、上質で穏やかな香りとやわらかな甘みを持つ酒を生み出している。

同社は伝統を守りながらも挑戦を続けてきた蔵でもある。燗酒が主流の時代には冷酒造りに、熟成酒の価値が低かった時代には長期熟成酒に取り組むなど、既成概念にとらわれない姿勢が特徴的である。1972年(昭和47年)の日中国交正常化記念晩餐会では「越の誉 もろはく」が乾杯酒に選ばれ、国際的な評価も高まった。中越沖地震で社屋の大半が倒壊する被害を受けた際も、蔵人が一丸となって復旧に取り組み、新蔵「和醸蔵」や直売店「酒彩館」を完成させて再出発を果たした。

今日の「原酒造株式会社」は、和醸良酒の精神を掲げ、蔵人の和の心が良酒を生み、その酒が人々の和を育むという理念のもと、伝統と革新を融合させた酒造りを続けている。新潟の自然と人の営みを映し出す酒を追求しながら、次の時代へ向けて挑戦を重ねる蔵である。

▶「原酒造株式会社」の歴史(年表)

1814年(文化11年):

創業者・原幸太郎が家督を妹に譲り、鋳物師屋から転身して「原酒造店」を創業。屋号は「鍋屋」で、地元では「なべやさん」と親しまれた。

1911年(明治44年):

柏崎大火により蔵と自宅を含む全建物を焼失(※)。取引銀行の破産も重なり、廃業の危機に直面するが、四代目・原吉郎は酒造りの意義を見つめ直し、再興を決意する。

1926年(大正15年):

四代目の尽力により、威風堂々とした東蔵が完成。蔵の復興が大きく前進する。

1937年(昭和12年):

長さ36間の木造漆喰蔵「西蔵」が竣工し、原酒造の基盤がさらに強固なものとなる。

1950年(昭和25年):

組織変更により「原酒造株式会社」となる。

1972年(昭和47年):

日中国交正常化の記念晩餐会にて、「越の誉 もろはく」が乾杯酒として採用され、全国的な名声を高める。

1997年(平成9年):

品質向上が評価され、全日空国際線ファーストクラスに採用される。

2007年(平成19年):

中越沖地震により社屋の約7割が倒壊。歴史資料の多くも失われるが、蔵人全員が無事で、震災翌日から復旧作業を開始する。

2008年(平成20年):

新蔵「和醸蔵」が完成し、酒造りを再開。直売店「酒彩館」も整備され、復興が大きく進む。

令和期(2019年以降):

蔵のルーツを見つめ直した第三のブランド「弐式」が誕生し、伝統と革新を融合した酒造りをさらに推進している。

Data

生産者:原酒造株式会社

住所:新潟県柏崎市新橋5-12

創業:1814年(文化11年)

TEL:0257-23-6221

URLhttps://www.koshinohomare-shop.com/ (原酒造公式サイト・直接注文可)

特定名称:純米酒

原料米&精米歩合:麴米・掛米ともにたかね錦・こしいぶき65%

アルコール度数:15%

酵母: 県開発酵母(新潟酵母)

日本酒度:+3

酸度:1.4

容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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