つうじゅん じゅんまいぎんじょうしゅ せみ
2026.08.14
老舗蔵が磨き上げた透明感ある味わい
熊本・山都町の老舗蔵、通潤酒造が手がける『通潤 純米吟醸酒 蝉』は、山里の静けさと自然の息づかいをそのまま瓶に閉じ込めたような、繊細で奥行きのある純米吟醸酒です。酒名にある“蝉”は、夏の訪れを告げる象徴であり、蔵の周囲に広がる豊かな自然環境を重ね合わせたもの。山都町の澄んだ水と、厳選した酒米を丁寧に磨き上げ、低温でじっくりと醸すことで、透明感のある味わいが生まれています。
香りは穏やかで、吟醸酒らしい上品な果実香がふわりと立ち上がります。華やかすぎず、食事に寄り添う控えめな香りが特徴で、口に含むとやわらかな甘みと米の旨味が広がり、後半はすっと消えるようにキレていきます。余韻は短めで、蝉の声が遠ざかるような儚さを感じさせる仕上がりです。冷酒で飲むと清涼感が際立ち、常温では旨味がふくらみ、異なる表情を楽しめます。
料理との相性も幅広く、白身魚の刺身や冷奴などの淡い味わいの料理はもちろん、山菜料理や出汁を使った和食ともよく馴染みます。通潤酒造が長年守り続けてきた伝統の技と、山都町の自然が育んだ清冽な水が織り成すこの酒は、季節の移ろいを感じながらゆっくり味わいたい一本です。蝉の名を冠したこの純米吟醸酒は、静かな夏の夕暮れを思わせる、心に残る味わいを持っています。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
香りが最もきれいに立ち上がり、果実のような吟醸香がふわりと広がる。口当たりは軽やかで、米の旨味がすっと伸び、後味は清涼感のあるキレで締まる。食中酒として最もバランスが良い温度帯。
常温(20℃):
冷やした時よりも旨味がふくらみ、山都町の自然を思わせる穏やかな風味が広がる。香りは落ち着き、米の柔らかな甘みが前に出る。余韻はやや長く、静かな奥行きを感じられる飲み方。
花冷え(10℃):
透明感が際立ち、雑味のないクリアな味わいが楽しめる。香りは控えめになるが、その分キレの良さが強調され、夏の夕暮れのような涼やかな印象を与える。軽快に飲みたい時に向く。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の刺身:
淡く繊細な旨味が、酒の上品な果実香と透明感ある味わいを引き立てる。後味のキレが刺身の甘みをすっと流し、清らかな余韻が続く。
●山菜のおひたし:
ほろ苦さと香りが、純米吟醸のやわらかな旨味とよく調和する。山都町の自然を思わせる穏やかな風味が重なり、素朴で奥行きのある組み合わせになる。
●出汁巻き卵:
出汁の旨味と卵の甘みが、酒の柔らかな甘味とふくらみを引き出す。香りは控えめながら、後半のすっきりしたキレが料理の余韻を心地よく整える。
▶「通潤酒造株式会社」のこと
「通潤酒造株式会社」は、熊本県上益城郡山都町に蔵を構える、江戸時代・明和年間(1770年)に創業した歴史ある酒蔵である。山都町は古くから清らかな水に恵まれ、山里の自然が色濃く残る土地で、酒造りに欠かせない良質な水源が豊富に存在する。蔵はこの環境を最大限に生かし、創業以来250年以上にわたり、地域の風土を映し出す酒を丁寧に醸し続けてきた。特に、地元の農家と連携した酒米づくりや、伝統的な手仕事を守る姿勢が特徴で、山都町の自然と人の営みが一体となった酒造りを行っている。
酒造りの中心には、清冽な地下水と、厳選した酒米を使った丁寧な仕込みがある。麹造りから発酵管理まで、細やかな温度調整と職人の経験が求められる工程を重視(※)し、派手さよりも「飲み飽きしない旨さ」を追求している。純米酒や吟醸酒では、米の旨味を引き出すために低温でじっくりと発酵させ、雑味のない透明感のある味わいを目指す。香りは華美になりすぎず、食事に寄り添う穏やかさを大切にしている点も蔵の個性である。
⇒細やかな温度調整と職人の経験が求められる工程を重視(※)
〇創業250年以上の歴史を持つ「通潤酒造」では、若い蔵人の育成にも力を注いでいる。麹造りや発酵管理といった経験が求められる工程を丁寧に継承しながら、新しい感性を取り入れた酒造りにも積極的に挑戦している。伝統と革新を両立させる姿勢は、蔵の未来を支える重要な取り組みとなっている。
また、山都町の自然や季節の移ろいを酒に映し込むことを理念としており、銘柄ごとに異なる表情を持たせる酒造りを行っている。地域の文化や風景を酒名やラベルに込めることも多く、土地の魅力を伝える酒蔵として地元からの信頼も厚い。伝統を守りながらも、現代の嗜好に合わせた酒質の向上にも取り組み、若い杜氏や蔵人の感性を取り入れた新たな挑戦も続けている。
「通潤酒造株式会社」は、長い歴史の中で培われた技と、山都町の自然が育んだ恵みを融合させ、静かで奥行きのある日本酒を生み出す蔵として知られている。地域に根ざしながら進化を続ける姿勢が、今も多くの酒好きに支持されている。
▶「通潤酒造株式会社」の歴史(年表)
1770年(明和7年):
「通潤酒造株式会社」の前身となる酒造業が山都町で創業し、清冽な水を生かした酒造りが始まる。
江戸後期(1800年代):
地域の米と水を用いた酒造りが定着し、山都町の名産として周辺地域へ流通が広がる。
明治時代(1868〜1912年):
近代的な酒造設備を段階的に導入し、品質向上と安定した生産体制を確立する。
大正時代(1912〜1926年):
麹造りや発酵管理の技術が向上し、食中酒として親しまれる酒質が形成される。
昭和前期(1926〜1945年):
戦時下の原料不足により生産量が縮小するが、伝統的な手仕事を守り酒造りを継続する。
昭和後期(1945〜1989年):
戦後の需要回復とともに生産が安定し、地元の農家との連携による酒米づくりが強化される。
平成初期(1989〜2000年):
純米酒・吟醸酒の製造に力を入れ、低温発酵を中心とした丁寧な酒造りが評価され始める。
平成後期(2000〜2019年):
地域の自然や文化を反映した銘柄展開を進め、山都町の酒蔵として全国的な認知が高まる。
令和初期(2019〜2024年):
若い蔵人の感性を取り入れた新たな挑戦が始まり、伝統と革新を両立した酒造りが進む。
現在(令和時代):
「通潤酒造株式会社」は創業250年以上の歴史を受け継ぎ、山都町の自然を映す酒造りを続けながら、現代の嗜好に合わせた酒質の向上にも取り組んでいる。
Data
生産者:通潤酒造株式会社
住所:熊本県上益城郡山都町浜町54
創業:1770年(明和7年)
TEL:0967-72-1177
URL:https://tuzyun.com/ (通潤酒造公式サイト・直接注文可)
特定名称:純米吟醸酒
原料米&精米歩合:麹米:山田錦(熊本県山都町産)50%、掛米:華錦(熊本県山都町産)50%
アルコール度数:15%
酵母: くまもと酵母
日本酒度:+3
酸度:1.6
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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