あずまいち やまだにしき じゅんまいしゅ
2026.01.08
米の甘みとキレが共鳴する純米の魅力
『東一 山田錦 純米酒』は、佐賀・五町田酒造が培ってきた丁寧な酒造りの精神を、もっとも端正な形で体現した一本です。原料米には酒米の王と称される山田錦を用い、その持ち味であるふくらみのある旨味と、雑味のない清らかな甘みを最大限に引き出しています。香りは華やかさよりも上品さを重視し、白い花や炊き立ての米を思わせる穏やかなアロマが静かに立ち上がります。口に含むと、柔らかく広がる米の旨味が印象的で、厚みがありながらも重たさを感じさせない透明感のある味わいが続きます。後半には東一らしいキレの良さが現れ、余韻はすっきりと伸び、食事との相性を高めています。
「東一 山田錦 純米酒」の魅力は、派手さに頼らず、素材と技術の純度で勝負している点にあります。山田錦の豊かな旨味をしっかりと感じさせながら、全体のバランスは非常に端正で、飲み疲れしない。和食はもちろん、素材の味を生かした料理や淡い味付けの皿と合わせると、互いの良さを引き立て合います。食中酒としての完成度が高く、ゆっくりと味わうほどに米の表情が変化し、飲み手を飽きさせません。丁寧な造りと誠実な味わいが感じられる、静かな存在感を持つ純米酒です。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
冷やしすぎず、香りと旨味のバランスが最も整う温度帯。山田錦のふくらみある甘みが穏やかに立ち上がり、東一らしい透明感のあるキレが心地よく伸びる。冷酒の爽やかさと純米らしい厚みが共存し、食中酒としての完成度が際立つ飲み方。
ぬる燗(40℃):
温度を上げることで米の旨味がふくらみ、柔らかく包み込むような甘みが前に出る。香りは穏やかに開き、雑味のない丸みが増して、飲み心地は一段と優しくなる。後半のキレも損なわれず、温度変化による味わいの奥行きを楽しめる。
常温(20℃):
冷やしも温めもせず、酒本来の姿がもっとも素直に感じられる。山田錦の旨味、東一の清らかな質感、穏やかな香りが自然に調和し、落ち着いた余韻が続く。料理との相性も幅広く、日常の食卓に寄り添う安定した飲み方。
おすすめのマリアージュ
●白身魚の刺身(鯛・平目):
透明感のある旨味が素材の甘みを引き立てる。
●鶏の塩焼き・山椒焼き:
ふくらみのある旨味と、鶏の脂の甘みが心地よく重なる。
●だしの効いた和食(おひたし、だし巻き卵、煮びたし):
穏やかな香りと優しい旨味が、出汁の風味と調和する。
●白身魚の昆布締め:
昆布の旨味と酒の透明感が相乗し、余韻が伸びる。
●湯豆腐・寄せ豆腐:
温度帯を問わず相性がよく、酒の柔らかさが豆の甘みを包む。
▶「五町田酒造株式会社」のこと
「五町田酒造株式会社」は、佐賀県嬉野市塩田町に蔵を構える酒蔵で、創業は大正元年(1912年)。九州の中でも古くから米作りと温泉文化が息づく土地で、地域の米と水を生かした酒造りを続けてきました。蔵の規模は決して大きくありませんが、その分だけ丁寧な手仕事を重んじ、品質を最優先にした少量仕込みを貫いてきたことで知られています。特に1980年代以降は、地酒ブームの中で「東一」ブランドが全国的に評価され、佐賀酒の存在感を押し上げる役割を果たしました。
同社の酒造りの特徴としてまず挙げられるのが、原料米への徹底したこだわりです。山田錦を中心に、酒米の持つポテンシャルを最大限に引き出すため、契約農家との連携を早くから深め、栽培方法や収穫時期まで細かく共有しながら品質を高めています。米の選別や精米にも妥協がなく、雑味の原因となる部分を丁寧に取り除くことで、「東一」らしい“清らかで端正な味わい”(※)の基礎を築いています。
⇒「東一」らしい“清らかで端正な味わい”(※)
〇1980年代、まだ全国的に佐賀酒の知名度が高くなかった時代に、「東一」が品評会や専門家から高い評価を受け、佐賀の地酒の価値を全国へ広める先駆けとなった。佐賀酒のイメージ向上に大きく貢献した蔵として知られている。
次に、麹造りの精度の高さが挙げられます。麹室での温度・湿度管理を徹底し、麹菌の働きを見極めながら、米の旨味をしっかり引き出す麹を育てることに注力しています。麹の質は酒の骨格を決める重要な要素であり、「五町田酒造」ではこの工程に最も時間と手間をかけると言われるほど。結果として、旨味がありながらも雑味のない、透明感のある味わいが生まれます。
さらに、小仕込みによる丁寧な発酵管理も特徴的です。大きなタンクで大量に仕込むのではなく、あえて小さなタンクで細やかに温度を調整し、酵母の働きを見守りながら発酵を進めます。この方法は手間がかかるものの、酒質の安定と繊細な味わいの両立に大きく寄与しています。発酵中の香りや泡の状態を人の目と感覚で確かめることで、機械では拾いきれない微妙な変化を捉え、最適なタイミングで工程を進めることができます。
また、水の柔らかさも酒質に影響を与えています。嬉野の水は軟水で、発酵を穏やかに進めるため、柔らかく上品な味わいの酒が生まれやすい環境です。「五町田酒造」の酒が“優しく清潔感のある旨味”を持つのは、この水質と丁寧な造りが相まって生まれるものです。
総じて、「五町田酒造」の酒造りは、派手さよりも誠実さ、量よりも質を重んじる姿勢が貫かれています。米・水・麹・発酵という基本要素を極めることで、飲むほどに静かな奥行きを感じさせる酒を生み出し続けている蔵です。
▶「五町田酒造株式会社」の歴史(年表)
1912年(大正元年):
佐賀県塩田町にて創業。地域の米と水を生かした小規模な酒造業として歩みを始める。
1950年代(昭和中期):
戦後の混乱期を経て酒造りを再整備。地元向けの普通酒を中心に、地域密着型の蔵として基盤を固める。
1970年代(昭和後期):
品質向上を目指し、原料米の選定や精米技術の改善に着手。後の「東一」ブランド確立の土台が築かれる。
1980年代(昭和〜平成初期):
「東一」シリーズが誕生。全国新酒鑑評会や各種品評会で評価が高まり、佐賀酒の存在感を全国に広げる契機となる。
1990年代(平成):
契約農家との連携を強化し、山田錦の品質向上に注力。小仕込み・手造り中心の体制を確立し、蔵の個性が明確になる。
2000年代(平成):
全国的な地酒ブームの中で「東一」が安定した人気を獲得。飲食店や専門店からの支持が高まり、佐賀を代表する蔵の一つとして認知される。
2010年代(平成):
麹造りや発酵管理の精度をさらに高め、純米系のラインナップを強化。海外輸出も徐々に拡大し、国際的な評価も高まる。
2020年代(令和):
伝統的な手造りを守りつつ、設備の更新や品質管理の高度化を進める。地域の米作りと連携した持続可能な酒造りにも取り組む。
Data
生産者:五町田酒造株式会社
住所:佐賀県嬉野市塩田町大字五町田甲2081
創業:1922年(大正11年)
TEL:0954-66-2066
URL:https://azumaichi.com (五町田酒造公式サイト:直接注文可)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:麹米・掛米ともに 山田錦(佐賀県産)64%
アルコール度数:15度(15〜16%表記の場合もあり)
酵母:自社培養9号系酵母
日本酒度:- ±0 〜 +1(ロットにより差異あり)
酸度:1.4
容量: 720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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