びじょうぶ とくべつじゅんまい
2026.01.05
すっきり辛口が冴える上質な純米酒
『美丈夫 特別純米酒』は、高知県安芸郡田野町に蔵を構える濵川商店が醸す、清らかで軽快な味わいを特徴とした純米酒である。高知の酒といえば“淡麗辛口”のイメージが強いが、その中でも美丈夫は特に透明感のある酒質で知られ、飲み手に寄り添うような優しさと、食事を引き立てる控えめな旨味のバランスが秀逸だ。本品はその美丈夫らしさを最も素直に表現した一本であり、日常の食卓から特別な席まで幅広く活躍する。
使用米には国産米を丁寧に磨き上げ、仕込み水には四国山地の伏流水を使用している。この水は軟水に近く、柔らかく澄んだ味わいを生み出す基盤となっている。香りは穏やかで、華やかさよりも清涼感を重視したスタイル。口に含むとすっと伸びる軽快な飲み口が広がり、米の旨味が控えめに寄り添いながら、後口はきれいに切れていく。辛口でありながら角がなく、飲み疲れしないのが大きな魅力である。
また、食中酒としての完成度が非常に高く、刺身や焼き魚、天ぷらなどの和食はもちろん、洋食や中華にも合わせやすい。料理の味を邪魔せず、むしろ引き立てる“名脇役”としての存在感が際立つ。冷酒ではシャープなキレが際立ち、常温では旨味がふくらみ、燗にすると柔らかさが増すなど、温度帯によって表情が変わる点も楽しみのひとつだ。
「美丈夫 特別純米酒」は、派手さを求める酒ではなく、丁寧に造られた酒が持つ静かな美しさを感じさせる一本である。飲むほどに“美しい丈夫さ”という名の意味が伝わり、日々の食卓にそっと寄り添うような、優しくも芯のある日本酒といえる。
■飲み方あれこれ!!
涼冷え(15℃):
軽快なキレと清涼感が最も美しく表れる温度帯で、すっきりとした辛口の中に米の旨味がほどよく広がる。香りは控えめで上品、口当たりはシャープだが角がなく、飲み疲れしない。食事の味を邪魔せず、むしろ引き立てる“理想的な食中酒”としての魅力が際立つ。
花冷え(10℃):
より引き締まった印象になり、透明感のある辛口が際立つ。香りはさらに控えめになり、清らかな飲み口が心地よい。後口のキレが鋭く、刺身や淡白な料理と合わせると、素材の味をすっと持ち上げてくれる。爽快感を求める人に向いた温度帯。
常温(20℃):
温度が上がることで旨味がふくらみ、柔らかく落ち着いた印象に変化する。辛口のキレはそのままに、米の甘味が穏やかに広がり、食事との調和力が高まる。冷酒とは異なる“しっとりとした美丈夫”が楽しめ、日常の食卓に寄り添う優しい味わいになる。
おすすめのマリアージュ
●かつおのタタキ(塩・柑橘):
高知の酒らしいキレが、かつおの旨味と香ばしさをすっきりとまとめる。柑橘の酸が酒の清涼感と調和し、後口が爽やかに整う。
●白身魚の刺身(鯛・平目):
香り控えめの美丈夫は、繊細な白身魚の味を邪魔せず引き立てる。特に花冷え〜涼冷えが好相性。
● 天ぷら(海老・キス・野菜):
油の重さを辛口のキレが軽やかに切り、旨味が衣の香ばしさと調和する。涼冷え・常温どちらでも合う万能ペアリング。
●冷奴・湯豆腐:
鶏の旨味をすっきりと流しつつ、後口に心地よい余韻を残す。特に常温が相性抜群。
▶「綾菊酒造株式会社」のこと
高知県安芸郡田野町に蔵を構える「有限会社濱川商店」は、明治37年(1904年)に創業した歴史ある酒蔵である。太平洋に面した田野町は、古くから海運と商業で栄えた土地で、豊かな自然と清らかな水に恵まれている。この地で濱川商店は、地域の人々に寄り添う地酒(※)を造り続けながら、時代の変化に合わせて酒質を磨き上げ、現在では高知を代表する銘柄「美丈夫」シリーズで全国的な評価を得る蔵へと成長した。
⇒地域の人々に寄り添う地酒(※)
〇濱川商店は大規模蔵ではなく、職人の目が行き届く小規模蔵である。その強みを活かし、発酵タンクごとに細かい温度管理を行うことで、“香り控えめ・味わいクリア”という美丈夫らしいスタイルを確立した。特に特別純米や純米吟醸の軽快さは、この緻密な管理の賜物といえる。
蔵の大きな転機となったのは、平成期に入ってからの酒質改革である。高知県は淡麗辛口の酒が多い地域だが、濱川商店はその中でも特に“透明感のある酒質”を追求し、軽快で清らかな味わいを特徴とするスタイルを確立した。仕込み水には四国山地の伏流水を使用しており、この柔らかく澄んだ水が美丈夫の清涼感とキレの良さを支えている。
また、米の選定にも強いこだわりを持ち、山田錦や松山三井などの酒造好適米を中心に、用途に応じて最適な品種を使い分けている。精米歩合を丁寧に管理し、米の中心部にある雑味の少ない部分を活かすことで、雑味のないクリアな味わいを実現している。麹造りや発酵管理も細やかで、特に温度管理を徹底することで、香りは控えめながらも上品に、味わいは軽快で飲み飽きしない仕上がりとなる。
「美丈夫」ブランド(※2)の特徴は、華やかさよりも“清らかさ”と“食中酒としての完成度”にある。特別純米や純米吟醸は、すっきりとした辛口の中に米の旨味がほどよく広がり、後口はきれいに切れる。料理の味を邪魔せず、むしろ引き立てる酒質であるため、和食はもちろん、洋食や中華にも合わせやすい。これは、濱川商店が「日常の食卓に寄り添う酒」を目指してきた姿勢の表れである。
⇒「美丈夫」ブランド(※2)?
〇「美丈夫(びじょうふ)」という独特の名前は、土佐の漁師が使う“気風がよく、頼りがいのある男”を指す言葉に由来する。濱川商店はこの言葉に「美しく、丈夫な酒を造りたい」という想いを重ね、ブランド名として採用した。高知の海文化と蔵の哲学が重なる、象徴的なエピソードである。
近年では、伝統を守りながらも新たな挑戦にも積極的で、純米大吟醸やスパークリング日本酒など、幅広いラインナップを展開している。いずれも美丈夫らしい透明感を軸にしつつ、現代の嗜好に合わせた酒質設計がなされており、国内外で高い評価を受けている。
創業から120年を超える歴史の中で、「濱川商店」は、地域の風土と真摯な酒造りを大切にしながら、軽快で美しい酒質を追求し続けてきた蔵である。美丈夫の名が示す“美しく丈夫な酒”という理念は、今も変わらず蔵の中心に息づいている。
▶「酔鯨酒造株式会社」の歴史(年表)
1904年(明治37年):
高知県安芸郡田野町にて創業。太平洋に面した田野の地で、地域の人々に寄り添う地酒造りを開始した。創業当初は小規模ながら、地元の米と水を活かした素朴な酒が親しまれていた。
昭和期(1926〜1989年):
地域の食文化に合わせた淡麗辛口の酒造りを中心に展開し、地元密着型の蔵として発展した。四国山地の伏流水を仕込み水に用いることで、清らかで軽快な酒質の基盤が形成されていった。
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1990年代(平成初期):
蔵の酒質改革が本格化し、より透明感のある酒質を目指した取り組みが始まる。精米歩合の見直しや温度管理の徹底など、現代的な醸造技術を積極的に導入し、蔵の方向性が大きく転換した時期となった。
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1997年(平成9年):
新ブランド「美丈夫(びじょうふ)」が誕生。軽快で清らかな味わいを特徴とするこのシリーズは、従来の高知酒のイメージを刷新し、蔵の代表銘柄として成長していく礎となった。
2000年代(平成期後半):
純米吟醸・純米大吟醸など上位クラスの酒質向上が進み、県外での評価が高まる。特に「美丈夫 純米吟醸」「美丈夫 特別純米」などが食中酒として人気を獲得し、全国的な知名度が上昇した。
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2010年代(平成後期):
スパークリング日本酒や限定醸造品など、新たな商品開発に積極的に取り組む。伝統的な酒質を守りつつ、現代の嗜好に合わせた軽快で洗練されたスタイルを確立し、国内外での評価がさらに広がった。
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2020年代(令和期):
「美丈夫」ブランドが高知を代表する銘柄として定着し、食中酒としての完成度の高さが再評価される。蔵は小規模ながら丁寧な酒造りを続け、透明感・軽快さ・清らかさを軸とした酒質を追求し続けている。
Data
生産者:有限会社濵川商店
住所:高知県安芸郡田野町2150
創業:1904年(明治37年)
TEL:0887-38-2004
URL:https://bijofu.jp/ (濵川商店公式サイト:直接注文可)
特定名称:特別純米酒
原料米&精米歩合:麹米・掛米ともに松山三井(愛媛県産)60%
アルコール度数:15度
酵母:―
日本酒度:+4
酸度:1.6
容量: 300ml(瓶)、720ml(瓶)、1800ml(瓶)
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