誠鏡 純米大吟醸原酒 幻黒箱

せいきょう じゅんまいだいぎんじょうげんしゅ まぼろしくろばこ

2026.09.24

山田錦の魅力を極限まで引き出した贅沢な一本

『誠鏡 純米大吟醸原酒 幻黒箱』は、広島県竹原市の中尾醸造株式会社が醸す蔵最高峰クラスの限定日本酒です。リンゴの表皮から発見された独自の「リンゴ酵母」を用いて仕込まれており、その酵母が生み出す華やかでフルーティーな香りが大きな特徴です。

原料米には酒造好適米の山田錦を100%使用し、精米歩合45%まで磨き上げた純米大吟醸原酒です。アルコール度数は16度、日本酒度は±0の中口タイプで、芳醇な旨味と上品な香りを兼ね備えています。

この酒のルーツは、1948年に全国品評会第1位を獲得し、さらに3年連続で皇室新年御用酒となった銘酒にあります。幻黒箱は、その当時の製法や思想を受け継ぎながら現代に再現した特別な酒として位置付けられています。

製造工程にも徹底したこだわりがあります。ほとんどの工程を手作業で行い、麹造りには伝統的な「麹蓋(こうじぶた)」を使用します。通常の大吟醸以上に時間をかけて麹を育てることで、しっかりとした旨味と奥行きのある味わいを実現しています。また、搾りには袋吊りを採用し、雑味の少ない上質な酒質へと仕上げています。

味わいは、リンゴ酵母由来の華やかな香りと、山田錦がもたらす濃醇な旨味が調和しているのが特徴です。一方で後味は驚くほどキレが良く、口中で旨味を感じさせながらもすっと消えていく上品さがあります。そのため重厚感と爽快感を同時に楽しめる、日本酒ファンから高い評価を受ける一本となっています。

さらに、International Wine Challenge 2007のSAKE部門で金メダルを受賞し、ANA欧米線ファーストクラスにも採用された実績を持つなど、国内外で高く評価されています。年に一度の限定出荷で流通量も多くないため、贈答用や特別な日の一本として選ばれることが多い日本酒です。黒箱の重厚感ある装いも高級感を演出しており、蔵の技術と伝統を象徴する代表銘柄の一つといえます。

■飲み方あれこれ!!

雪冷え(5℃):

リンゴ酵母由来の華やかでフルーティーな香りが最も鮮明に感じられ、透明感のある口当たりと上品な甘み、純米大吟醸ならではの繊細な味わいを楽しめます。後味もきれいで、洗練された印象です。

花冷え(10℃):

香りと旨味のバランスが良くなり、山田錦由来のふくらみのある旨味が自然に広がります。華やかな吟醸香を保ちながらも味わいに厚みが増し、豊かな余韻を堪能できます。

涼冷え(15℃):

冷たさがやや和らぐことで旨味がより豊かに感じられ、芳醇なコクと上品な甘みが広がります。香りの表現も豊かになり、原酒らしい存在感と奥行きのある味わいを楽しめます。

おすすめのマリアージュ

●白身魚の昆布締め・鯛の刺身:

上品で透明感のある旨味が酒の繊細な味わいと調和します。リンゴ酵母由来の華やかな香りを邪魔せず、山田錦のふくらみのある旨味と白身魚の甘みが重なり、後味まで優雅に楽しめます。

●帆立のバター焼き:

帆立の甘みとバターのまろやかなコクが酒の旨味と重なり、ふくよかな味わいになります。原酒らしい存在感がありながらも重たくならず、心地よい余韻を残します。

●鴨のロースト:

鴨肉の濃厚な旨味と脂の甘みを、酒の豊かなコクがしっかり受け止めます。香り高い吟醸香と肉の風味が重なり、深みのあるマリアージュを生み出します。

●カマンベールチーズ:

クリーミーな口当たりと穏やかな塩味が純米大吟醸の上品な甘みと好相性です。チーズのコクと酒の芳醇な旨味が融合し、まろやかで贅沢な味わいになります。

▶「中尾醸造株式会社」のこと

「中尾醸造株式会社」は、1871年(明治4年)に広島県竹原市で創業した老舗酒蔵です。創業当時は「廣島屋」の屋号で酒造業を始め、瀬戸内海に面した温暖な気候と豊かな水に恵まれた竹原の地で酒造りを続けてきました。代表銘柄である「誠鏡」は、「酒を鏡として蔵人の誠の心を映し出してほしい」という初代当主の願いから名付けられ、現在まで蔵の精神を象徴する銘柄として受け継がれています。

同社の歴史の中で特に重要なのが、4代目当主・中尾清磨氏による酵母研究です。昭和初期から研究を重ねた結果、リンゴの表皮から独自の「リンゴ酵母」を発見しました。この酵母は華やかで果実を思わせる香りを生み出す一方、他の酵母に比べて弱いという課題がありました。そこで中尾清磨氏は「高温糖化酒母法」を開発し、リンゴ酵母を純粋培養できる環境を実現しました。この革新的な技術は高く評価され、1948年(昭和23年)の全国品評会で第1位を獲得する原動力となりました。さらに、その酒は3年連続で皇室新年御用酒に採用される栄誉を得ています。

その後も「中尾醸造株式会社」は挑戦を続け、業界初とされる樽酒の瓶詰販売や果実酒の開発、スパークリング日本酒の発売など、新たな酒文化の創造に取り組んできました。また、リンゴ酵母で醸した酒を「幻」のブランドとして展開し、国内外の品評会で高い評価を獲得しています。とりわけ「幻黒箱」は世界最大級の酒類品評会であるIWCで金メダルを受賞し、ANA国際線ファーストクラスへの採用実績も持つなど、世界的な評価を受けています。

酒造りの特徴は、伝統と革新の融合にあります。同社では機械化を活用しながらも、人の手で行うべき工程には惜しみなく手間をかけています。蔵人たちは米の状態や発酵の変化を細かく見極め、品質第一の酒造りを実践しています。また、独自のリンゴ酵母と高温糖化酒母法を核とし、華やかな香りと上品な旨味を兼ね備えた酒質を追求していることでも知られています。

さらに、特定名称酒の比率が非常に高く、高品質な吟醸酒や純米酒を中心に製造している点も特徴です。誠意を込めた酒造りを信条とし、「この一手間が酒質の差になる」という考えのもと、細部へのこだわりを積み重ねています。150年以上にわたり受け継がれてきた「誠心誠意」の精神こそが、「中尾醸造株式会社」の酒造りを支える最大の特徴といえるでしょう。

Data

生産者:中尾醸造株式会社

住所:広島県竹原市中央5-9-14

創業:1871年(明治4年)

TEL:0846-22-2035

URL:http://www.maboroshi.co.jp/ (中尾醸造公式サイト・オンラインショップ有)

特定名称:純米大吟醸酒

原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに山田錦45%

アルコール度数:16%

酵母:リンゴ酵母

日本酒度:±0

酸度:1.2

容量:720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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