五橋 純米酒

ごきょう じゅんまいしゅ

2026.09.25

穏やかな香りと深いコクが魅力の純米酒

『五橋 純米酒』は、山口県岩国市の酒井酒造株式会社が醸す蔵を代表する純米酒。蔵の銘柄名である「五橋」は、岩国市の名勝として知られる錦帯橋に由来しており、地元の自然や文化を大切にしながら造られてきました。純米酒らしく米・米こうじ・水のみを原料とし、米本来の旨味を十分に引き出した酒質が特徴です。

香りは穏やかで落ち着きがあり、派手な吟醸香を前面に出すタイプではありません。そのため食事との相性が非常に良く、料理の味を邪魔することなく寄り添います。口に含むと、やわらかな米の甘味と旨味が広がり、続いて適度な酸味が全体を引き締めます。後味は比較的すっきりとしており、純米酒らしいコクを持ちながらも重すぎない飲み心地を楽しめます。

温度帯による表情の変化も魅力の一つです。冷やして飲むと爽やかで軽快な印象が強まり、常温では米の旨味をより自然に感じられます。また、ぬる燗から上燗にすると旨味とふくらみが増し、まろやかな味わいになります。そのため季節や食事の内容に応じて飲み方を変えられる、非常に使い勝手の良い純米酒として親しまれています。

相性の良い料理は幅広く、刺身や焼き魚などの和食はもちろん、煮物、鍋料理、天ぷら、鶏料理などともよく合います。特に魚介類の旨味との調和に優れ、食中酒として高い評価を受けています。また、濃すぎず薄すぎない絶妙なバランスを持つため、日本酒初心者にも比較的飲みやすい銘柄として知られています。

「五橋 純米酒」は、華やかさや個性の強さを追求するというよりも、毎日の食卓に自然に溶け込み、飲み飽きしない味わいを目指した日本酒です。伝統ある酒蔵の技術によって生み出される安定感のある品質と、米の旨味を大切にした素直な味わいは、多くの日本酒愛好家から長年支持されています。冷酒から燗酒まで幅広く楽しめる懐の深さを持ち、「食事とともに味わう純米酒」の魅力を実感できる一本といえるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

ぬる燗(40℃):

米の旨味とやわらかな甘味が最もふくらみ、口当たりがまろやかになります。純米酒らしいコクと酸味のバランスが良く、食事と合わせると味わいの奥行きを感じられます。

上燗(45℃):

温めることで旨味がより豊かに広がり、後味のキレも引き立ちます。煮物や焼き魚などの和食と相性が良く、落ち着いた飲みごたえを楽しめます。

常温(20℃):

五橋 純米酒本来の香りと味わいを素直に感じられます。米の旨味とほどよい酸味が調和し、飲み飽きしない食中酒として楽しめます。

おすすめのマリアージュ

●刺身(真鯛・ヒラメなど):

淡泊な白身魚の上品な旨味と五橋 純米酒のやわらかな米の旨味が調和します。酒の穏やかな香りが魚の繊細な風味を引き立て、後味もすっきり楽しめます。

●焼き魚(サバ塩焼き・鮭の塩焼きなど):

魚の脂の旨味を日本酒の酸味が心地よく受け止めます。燗にすると米のコクが増し、香ばしい焼き魚とより深い味わいを生み出します。

●肉じゃが:

じゃがいもの甘味とだしの旨味が酒のふくらみある味わいと好相性です。優しい味同士が重なり、ほっとするようなマリアージュになります。

●クリームチーズ:

チーズのなめらかなコクと純米酒の旨味が重なり、濃厚でありながらくどさを感じさせません。和洋問わず楽しめる組み合わせです。

▶「酒井酒造株式会社」のこと

「酒井酒造株式会社」は、1871年(明治4年)に山口県岩国市で創業した老舗の酒蔵です。創業以来150年以上にわたり同じ地で酒造りを続けており、代表銘柄「五橋」は岩国を代表する日本酒として広く知られています。銘柄名の「五橋」は、岩国市のシンボルである五連の木造アーチ橋「錦帯橋」に由来し、「人と人との心を結ぶ架け橋となる酒でありたい」という願いが込められています。

創業地として選ばれたのは、清流・錦川の伏流水に恵まれた場所でした。酒蔵の周辺では良質な軟水が豊富に得られ、この水が現在に至るまで酒造りの根幹を支えています。創業当初から地域の自然資源を生かした酒造りを続けてきたことが、「酒井酒造」の大きな特徴の一つです。

同社が全国的に注目を集めたのは1947年(昭和22年)のことです。当時、日本酒業界では硬水による仕込みが主流とされていましたが、「五橋」は軟水仕込みによる酒で全国新酒鑑評会第1位を獲得しました。この受賞は、軟水でも優れた酒が醸造できることを全国に示した出来事として知られています。以後、「五橋」は山口県のみならず全国の日本酒愛好家から支持を集める銘柄へと成長しました。

日本酒造りの最大の特徴は、錦川の伏流水である超軟水を使用していることです。軟水は発酵が穏やかに進むため扱いが難しい反面、出来上がる酒は口当たりがやわらかく、きめ細やかで上品な味わいになります。「五橋」の酒質も、まろやかさとふくらみのある旨味、そして穏やかな香りが特徴とされています。

また、「酒井酒造」は「酒造りは米作りから」という考えを重視しています。1996年から酒米の契約栽培に取り組み、2015年には農業生産法人「五橋農纏」を設立しました。蔵人自らが酒米栽培に関わり、山口県産の酒米を使用することで、地域の風土をより深く反映した酒造りを実践しています。水だけでなく米にも徹底してこだわる姿勢が、同社の品質を支える重要な要素となっています。

さらに近年は、伝統技術を守りながらも新しい挑戦を続けています。木桶生酛造りを取り入れた商品や、新しい発想による限定商品を開発し、若い世代や海外市場にも積極的にアプローチしています。一方で、杜氏や蔵人の感覚を大切にする酒造りの精神は創業以来変わっておらず、最新設備と職人の経験を融合させながら品質向上に努めています。

このように「酒井酒造株式会社」は、岩国の水・米・人にこだわり続けながら、伝統と革新を両立させる酒蔵として発展してきました。軟水仕込みによるやさしく上品な酒質と、地域に根差した酒造りへの姿勢こそが、長年にわたり「五橋」が愛され続ける理由となっています。

Data

生産者:酒井酒造株式会社

住所:山口県岩国市中津町1丁目1-31

創業:1871年(明治4年)

TEL:0827-21-2177

URL:https://gokyo-sake.co.jp/ (酒井酒造公式サイト・直接注文可)

特定名称:純米酒

原料米&精米歩合:麴米・掛米ともに山口県産日本晴60%

アルコール度数:15%

酵母:協会901号酵母

日本酒度:+1

酸度: 1.8

容量: 180ml(瓶)、300ml(瓶)、720ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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