青酎35度

あおちゅう35ど

2025.09.06

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青ヶ島の風土が醸す野性味あふれる一杯

『青酎35度』は、東京都青ヶ島で造られる本格芋焼酎の中でも、特に力強く個性的な味わいを持つ逸品です。青ヶ島酒造合名会社が製造するこの焼酎は、島の自然と文化が凝縮された“島酒”として、焼酎ファンの間では“幻の焼酎”とも称されています。

原料には、青ヶ島産のさつま芋と麦、そして麦麹が使われており、製法は昔ながらの「どんぶり仕込み」または「二段仕込み」が杜氏によって選ばれます。特に「どんぶり仕込み」は、麹と主原料を一度に仕込む伝統的な手法で、発酵の過程に島の空気や微生物が深く関与するため、青酎ならではの野性味と香ばしさが生まれます。

「青酎35度」は、アルコール度数が高く、最低でも5年以上熟成された原酒を使用しているため、口当たりはまろやかでありながら、のど越しにはしっかりとした刺激があります。炒った麦の香ばしい香りと、芋の甘みが絶妙に調和し、他の芋焼酎では味わえない深みと複雑さを感じさせます。飲み方としては、お湯割りにすることで香りが立ち、青酎の個性が最大限に引き出されます。ロックでも力強さが際立ち、通好みの一杯として楽しめます。

また、青酎は杜氏ごとに味が異なるため、同じ「35度」でも銘柄によって香りや余韻が変化します。例えば「伝承」や「青宝」などの銘柄は、それぞれの杜氏が自家栽培した芋や麦を使い、自然麹・自然酵母を活かして仕込まれており、まさに“十人十酒”の世界が広がっています。

「青酎35度」は、単なる芋焼酎ではなく、青ヶ島という土地の記憶と人々の暮らしが詰まった文化的な酒です。飲むことで、東京最南端の秘境に息づく焼酎造りの情熱と、島民の誇りに触れることができるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

〇青酎は「飲み方で性格が変わる酒」と言っても過言ではありません。どのスタイルも、青ヶ島の風土と杜氏の個性が感じられる体験になります。

お湯割り(焼酎 7:お湯 3)

最もおすすめの飲み方。40℃程度のお湯で割ると、芋と麦の香ばしさがふわっと広がり、体の芯から温まります。ピリッとした刺激と甘みが復活し、青酎の野性味が際立ちます。

ロック

大きめの氷をグラスに入れて、青酎を注ぐだけ。香ばしさはそのままに、味わいが柔らかくなり、飲みやすさが増します。

水割り(ハーフロック/トワイスアップ)

氷あり(ハーフロック)なら軽やかに、氷なし(トワイスアップ)なら香りが立ちやすく。穀物の甘みやミネラル感が引き立ち、食中酒としても優秀です。

ソーダ割り+青ヶ島産カブツ果汁

青ヶ島特産の柑橘「カブツ」を搾って、ソーダ割りに加えると爽快感が倍増。5:5の割合で割ると、女子会や夏の乾杯にもぴったり。

パッションフルーツ割り(青ヶ島流)

パッションジュースで割る、またはカットした果実に青酎を注ぐ。トロピカルな香りと青酎の香ばしさが意外にも好相性。

ストレート(玄人向け)

35度の青酎をそのまま味わうと、香ばしさと刺激がダイレクトに。初心者には強すぎるかもしれませんが、青酎の本質を知るには一度は試したい飲み方。

 

▶「青ヶ島酒造合名会社」のこと

「青ヶ島酒造合名会社」は、東京都の最南端に位置する離島・青ヶ島に拠点を置く、極めてユニークな酒造会社です。1984年(昭和59年)に設立されたこの蔵は、島の伝統的な焼酎文化を継承・発展させるために、島民の杜氏たちが集まって創業されました。設立以前から青ヶ島では、主食であるさつま芋の副産物として、各家庭で焼酎造りが行われており、焼酎は生活の一部として根付いていました。しかし、酒税法の施行により、個人での製造は法的に密造酒とみなされるようになり、正式な免許を取得する必要が生じたことから、青ヶ島酒造が誕生したのです。

「青ヶ島酒造」の最大の特徴は、焼酎造りが“杜氏の数だけ味がある”という点にあります。現在、島内には9〜10名の杜氏がおり、それぞれが異なる原料、製法、発酵環境を用いて焼酎を仕込んでいます。同じ「青酎」というブランド名であっても、杜氏ごとに風味がまったく異なるため、ラベルには製造者の名前が明記されているのが特徴です。この多様性は、青酎が単なる商品ではなく、島の家庭ごとの“家の味”として受け継がれてきたことを物語っています。

焼酎造りには、青ヶ島ならではの自然環境が深く関わっています。原料には島で収穫されたさつま芋や麦が使われ、麹づくりには炒った麦の上に麹菌を付着させ、さらに島の植物「オオタニワタリ」の葉を被せるという独自の手法(※)が用いられます。発酵には自然酵母が活用されることも多く、島の空気や微生物が酒質に影響を与えています。仕込み方法も二段仕込みが主流ですが、昔ながらの「どんぶり仕込み」を採用する杜氏もおり、これが青酎の力強く香ばしい風味を生む要因となっています。

「青ヶ島酒造」の焼酎は、アルコール度数が30〜35度と高めで、焦がし麦の香ばしさや芋の甘みが際立つ個性的な味わいが魅力です。生産量が極めて少なく、かつては島内でしか手に入らなかったため、“幻の焼酎”と呼ばれてきました。現在では、東京都内の一部酒店やアンテナショップ、公式通販などでも購入可能となり、青ヶ島の文化を広く伝える存在となっています。

「青ヶ島酒造」は、焼酎を通じて島の風土、歴史、そして人々の暮らしを体現する存在です。その焼酎造りは、単なる製造工程ではなく、島の誇りと文化そのもの。青酎を味わうことは、青ヶ島という土地と人々の物語に触れることでもあるのです。

■島の植物「オオタニワタリ」の葉を被せるという独自の手法(※)

〇青酎の麹づくりには、島の植物「オオタニワタリ」の葉が使われます。炒った麦に麹菌を付けた後、赤ちゃんに布団をかけるように優しく葉を乗せて発酵を促します。温度管理が難しく、葉が焼けないように杜氏たちは“麹が風邪をひかないように”と愛情を込めて世話をするのです。

 

▶「青ヶ島酒造合名会社」の歴史(年表)

戦前〜昭和期(年不詳):

青ヶ島では、主食であるさつま芋の副産物として、各家庭で焼酎造りが行われていた(※2)。島の生活に密着した“家の味”として定着。

1949年(昭和24年)以降:

酒税法の施行により、個人による焼酎製造は法的に「密造酒」とみなされるようになるが、交通の便が悪い青ヶ島では事実上黙認されていた。

1984年(昭和59年):

杜氏たちが集まり、正式な酒類製造免許を取得して「青ヶ島酒造合名会社」を設立。これにより、青酎が合法的に製造・販売されるようになる。

1990年代〜2000年代前半:

都内の一部酒店やアンテナショップで青酎が紹介され、“幻の焼酎”として注目を集める。プレミアム焼酎ブームの中で希少性が評価される。

2010年代以降:

青酎の銘柄が多様化。「池の沢」「伝承」「青宝」など、杜氏ごとの個性を反映したラベル展開が進む。各銘柄に製法や熟成年数の違いが明記されるようになる。

現在(2020年代):

杜氏は9〜10名体制で、それぞれが異なる製法・原料で焼酎を仕込む。青酎は「GI東京島酒」にも登録され、地域ブランドとしての価値が高まっている。

■各家庭で焼酎造りが行われていた(※2)

〇かつて青ヶ島では、男性が島外へ出稼ぎに出るのが常でした。残された妻たちは、夫の帰りを待ちながら庭先で焼酎を造り、家族の味として受け継いでいきました。この“家醸造”の文化が、現在の青酎の「杜氏ごとに味が違う」個性につながっています。

Data

生産者:青ヶ島酒造合名会社

住所: 東京都青ヶ島村無番地

創業:1984年(昭和59年)

TEL:04996-9-0135、04996-9-0332

URLhttp://ao-chu.com (AO-CHU公式サイト)

原料:さつまいも(自家生産)、麦(自家または島外産)、麦麹、自然麹、自然酵母

蒸留方式:常圧

アルコール度数:35度

容量: 700ml(瓶)、1800ml(瓶)

 

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