ロシュフォール6

Rochefort 6

2025.08.08

ロシュフォール10

ドライフルーツのような余韻に酔う

ベルギー南部のサン・レミ修道院で造られる『ロシュフォール6』は、世界でも数少ない認証を受けたトラピストビール(※)のひとつです。トラピストビールとは、厳格な基準のもと、修道院内で修道士の監督下に醸造される特別な存在であり、ロシュフォールはその中でも特に格式高いブランドとして知られています。

⇒トラピストビール(※)

〇トラピストビールは、キリスト教カトリックの厳律シトー会(通称トラピスト会)の修道院で醸造される、特別な条件を満たしたビールです。単なるビールのスタイルではなく、宗教的・文化的背景を持つ「認証制度」に基づいた存在であり、世界でも限られた修道院のみが「トラピストビール」と名乗ることを許されています。

歴史的背景と起源

トラピスト会の起源は1098年、フランスのシトー修道院にさかのぼります。中世ヨーロッパでは安全な飲料水が乏しく、修道院では栄養価が高く保存性に優れたビールが造られるようになりました。修道士たちは巡礼者や貧しい人々にこのビールを振る舞い、信仰と慈善の精神を体現してきました。フランス革命や戦争による破壊を経て、19世紀以降に再興された修道院では、伝統的な醸造技術が確立され、現在のトラピストビールの礎が築かれました。

■トラピストの認証のロゴマーク

認証と条件

1997年に設立された「国際トラピスト協会(ITA)」は、以下の3つの厳格な条件を満たすビールにのみ「Authentic Trappist Product」の六角形ロゴマークの使用を認めています:
道院の敷地内で醸造されていること
修道士が自ら醸造するか、監督していること
収益は修道院の維持や慈善活動に充てられること

この認証は、品質と倫理性の両面を保証するものです。

 

特徴とスタイル

トラピストビールは上面発酵のエールで、瓶内二次発酵(再発酵)を行うため、熟成によって味わいが変化します。一般的にアルコール度数は高め(8〜11%)、風味は濃厚で複雑。フルーティーさやスパイシーさ、酵母由来の香りが特徴です。専用グラスは聖杯型が多く、香りを引き立てる設計になっています。現在、世界にトラピスト会修道院は約160ヵ所あり、そのうち9ヶ所でのみトラピストビールが生産されている(2025年時点)。

 

・ オルヴァル (ベルギー/オルヴァル修道院)

・ シメイ (ベルギー/スクールモン修道院)

・ ロシュフォール (ベルギー/サン・レミ修道院)

・ ウェストマール (ベルギー/聖心ノートルダム修道院)

・ ウエストフレテレン (ベルギー/シント・シクステュス修道院)

・ ラ・トラップ (オランダ/コニングスホーヴェン修道院)

・ ズンデルト (オランダ/アブダイ・マリア・トゥーフルフト修道院)

・ トレフォンターネ (イタリア/トレフォンターネ修道院)

・ ティント・メドウ(イギリス/ティント・メドウ修道院)

「ロシュフォール6」は、シリーズの中で最も軽やかな味わいを持ちつつも、決して単調ではありません。赤褐色の液体は美しく、グラスに注ぐと干しぶどうやキャラメル、スパイスを思わせる芳醇な香りが立ち上がります。口に含むと、ドライフルーツのような甘みとほのかな苦味がバランスよく広がり、7.5%という中程度のアルコール度数が心地よい余韻を残します。

「ロシュフォール6」は、年に一度しか醸造されない限定品であり、ロシュフォール8や10に比べると流通量も少なく、愛好家の間では“幻のトラピスト”とも称されることがあります。その味わいは、派手さよりも静けさと奥深さを重視しており、まるで修道院の石造りの回廊を歩いているかのような、静謐な時間を感じさせてくれます。

料理との相性も良く、ローストした肉料理や熟成チーズと合わせることで、さらにその複雑な風味が引き立ちます。また、しっかりとしたボディを持つため、ゆっくりと時間をかけて味わうことで、温度による香りの変化も楽しめます。

「ロシュフォール6」は、単なるビールではなく、修道士たちの祈りと伝統が詰まった液体の芸術です。静かにグラスを傾けながら、その深みと余韻に身を委ねるひとときは、まさに至福の瞬間と言えるでしょう。

■飲み方あれこれ!!

〇飲み頃は10〜12℃位で。冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、やや高めの温度が理想的です。冷蔵庫から出して10分ほど置いてから飲むと、バニラや干しぶどう、スモーキーな香りがしっかり立ち上がります。ロシュフォールには聖杯型の専用グラスがあります。広がりのある口径が香りを引き出し、泡立ちも美しくなります。グラスを斜めにしてゆっくり注ぎ、最後に泡を立てるのがポイント。アルコール度数は7.5%と中程度ですが、味わいは複雑で奥深いため、急いで飲むよりも時間をかけてゆっくり楽しむのがおすすめです。温度が上がるにつれて香りが変化し、熟成感が増します。

 

▶サン・レミ修道院のこと

フランス北東部、シャンパーニュ地方の都市ランスに位置する「サン・レミ修道院」は、宗教的・文化的に極めて重要な遺産であり、同地のノートルダム大聖堂やトー宮殿とともに1991年にユネスコ世界遺産に登録されました。その名は、フランク王国の初代王クロヴィスに洗礼を授けた聖レミ(レミギウス)に由来し、彼の遺体が聖遺物として安置されている聖堂が修道院の起源です。

修道院は1049年、教皇レオ9世によって正式に聖レミに捧げられ、ロマネスク様式の壮麗なバシリカ式教会堂が建設されました。中世にはランス大司教が院長を兼任し、王族の墓所としても用いられました。フランス革命や第一次世界大戦など幾度もの破壊を経ながらも、12世紀のステンドグラスや聖レミのタペストリーなどが今なお残り、歴史の重みを感じさせます。

この修道院の名を冠する「ロシュフォール醸造所」は、ベルギーのトラピスト会修道院のひとつであり、サン・レミ修道院の敷地内でビールを醸造しています。トラピストビールとは、トラピスト会修道士が監督し、修道院内で醸造され、収益が慈善活動に充てられるという厳格な基準を満たしたビールのみが名乗れる称号です。

ロシュフォールのビールは、上面発酵によるエールタイプで、瓶内二次発酵を行うため、熟成によって風味が変化するのが特徴です。代表的な銘柄には「ロシュフォール 6」「ロシュフォール 8」「ロシュフォール 10」があり、それぞれアルコール度数や味わいが異なります。濃厚な果実香、スパイス感、そして蜂蜜のような甘みが複雑に絡み合い、世界中のビール愛好家に高く評価されています。

「サン・レミ修道院」は、祈りと労働を通じて人々に奉仕する場であり、ビール造りもその精神の延長線上にあります。歴史と信仰、そして職人技が融合したその一杯は、単なる飲み物を超えた文化的体験を提供してくれるのです。

▶「サン・レミ修道院」の歴史(年表)

496年頃:

フランク王国のクロヴィス1世が司教レミギウス(聖レミ)から洗礼を受ける。これが修道院の起源となる聖レミ聖堂の由来。

533年:

聖レミが死去。遺体は聖クリストフォロス礼拝堂に安置される。

8世紀半ば:

聖クリストフォロス礼拝堂の場所に王立のサン=レミ修道院が創設される。ベネディクト会が管理。

9〜10世紀:

礼拝堂が改築され、修道院教会として整備される。

1049年:

教皇レオ9世がロマネスク様式のサン=レミ・バジリカを奉献。

12〜13世紀:

内陣と後陣が建設され、ステンドグラスやタペストリーが制作される。

18世紀:

隣接する修道院がベネディクト会の施設として使用される(現在のサン=レミ博物館)。

1789年頃(フランス革命):

価値ある聖遺物や記念品が盗難に遭う。

19世紀:

聖レミの墓が再建される。

1918年8月1日:

第一次世界大戦中、ドイツ軍の砲撃により屋根が炎上・崩落。

1991年:

ユネスコ世界遺産「ランスのノートルダム大聖堂、サン=レミ旧大修道院及びトー宮殿」に登録。

Data

製造元:サン・レミ修道院

スタイル: トラピスト(上面発酵)

原料: 麦芽、ホップ、糖類、スパイス

アルコール度数:7.5%

内容量:330ml(瓶)

 

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