ロシュフォール10

Rochefort 10

ロシュフォール10

厳格な修道院が造る濃淳なトラピストビール

ノートルダム・サン・レミ修道院は、ナミュール州のロシュフォールという小さな町にあり、1230年に設立された長い歴史を持つ。当初は女子修道院だったが、1464年に男子修道院となる。1595年には、農業活動のかたわらにビールの醸造を開始する。1797年にはフランス革命で修道院は破壊されるが、1887年に再建され1899年にはビールの醸造も再開。第二次大戦以降は、伝統的な農業からビール醸造へと活動が移行していった。1952年より醸造所は近代化され、より質の高い上面発酵ビールの生産が可能となった。2000年代に入ると、発酵タンクや熟成タンクなどの設備に新たな投資も行っている。

サン・レミ修道院は厳格で閉鎖的な気風があり、それは現在も変わらない。 修道院を知らせる目立った看板も設置しておらず、ビールの醸造法や製法なども公開していない。他のトラピスト修道院のようにカフェやオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)も持たず、醸造所の一般公開も行っていない。

醸造量は年間180万リットルほどで、トラピスト・ビールの本来の目的である修道院の活動費の確保と福祉事業等に充てるためだけで、それ以上の生産は自主的に制限している。現在はロシュフォール「10」「8」「6」が造られているが、シメイの1/10程度で、量とすればかなり少ない。

尚、 「10」「8」「6」という数字は、ベルギーの修道院醸造所が未発酵ビールの麦汁の量を測定するために使用したベルギーの旧式単位で表した糖の比重である。

『ロシュフォール10』は、ベルギーのサン・レミ修道院で造られるトラピストビール。 二次発酵時にキャンディーシュガーを投入し、ダークブラウン色の飲み応えのある濃厚な味わいだが、色ほどに麦芽の苦味や香りは強くなく、甘みとともに酸味が感じられる。バナナ、干しぶどう、いちじくのようなフルーティな香り、チョコレートやハチミツのようなのような甘い香り、ブランデーのようなアルコール感もあり、日本人が持つビール感とはかなりかけ離れたものといっていい。

クセも強く、ベルギーでも冷やしすぎず時間をかけてゆっくりと飲まれる。アルコール度数は11.3%とドイツワインと同程度で、ハーフボトルくらいの量はあるのだから、当然といえるかもしれない。

 

・サン・レミ修道院のこと

ノートルダム・サン・レミ修道院は、ナミュール州のロシュフォールという小さな町にあり、1230年に設立された長い歴史を持つ。当初は女子修道院だったが、1464年に男子修道院となる。1595年には、農業活動のかたわらにビールの醸造を開始する。1797年にはフランス革命で修道院は破壊されるが、1887年に再建され1899年にはビールの醸造も再開。第二次大戦以降は、伝統的な農業からビール醸造へと活動が移行していった。1952年より醸造所は近代化され、より質の高い上面発酵ビールの生産が可能となった。2000年代に入ると、発酵タンクや熟成タンクなどの設備に新たな投資も行っている。

サン・レミ修道院は厳格で閉鎖的な気風があり、それは現在も変わらない。 修道院を知らせる目立った看板も設置しておらず、ビールの醸造法や製法なども公開していない。他のトラピスト修道院のようにカフェやオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)も持たず、醸造所の一般公開も行っていない。

醸造量は年間180万リットルほどで、トラピスト・ビールの本来の目的である修道院の活動費の確保と福祉事業等に充てるためだけで、それ以上の生産は自主的に制限している。現在はロシュフォール「10」「8」「6」が造られているが、シメイの1/10程度で、量とすればかなり少ない。

尚、 「10」「8」「6」という数字は、ベルギーの修道院醸造所が未発酵ビールの麦汁の量を測定するために使用したベルギーの旧式単位で表した糖の比重である。

 

「トラピストビール」とは?

トラピストビールとは、ビールのスタイルのことではなく、トラピスト会の修道院でつくられるビールの統制呼称のことをいい、世界中に171ヶ所あるトラピスト会修道院のなかで11か所(2021年時点)のみで生産が認められています。

1962年、ベルギーの貿易通商裁判所により法的に認証された称号で、ベルギーにある醸造所で6か所、他にはオランダに2ヵ所、オーストリア、イタリア、アメリカ、イギリスにそれぞれ 1ヵ所ずつ存在します。

修道院でビール醸造が行われた理由として、中世ヨーロッパでは幾度となくペスト等の伝染病の流行により生水は引用に適さず、ワインやビールなどが安全な代用飲料として重宝されていました。それに修道士が断食期間中であっても、水分の補給だけは許されていたのでカロリーの高いビールなどが飲まれていました。その外にも「パンはキリストの肉、ワインは血」、「ビールは液体のパン」といった考えから、キリスト教の修道院では盛んにワインやビールが造られていました。

トラピストビールのロゴマーク

1997年にはトラピスト会修道士協会(ITA)が設立、厳しい基準が設けられ、その基準を満たしたビールだけが「Authentic Trappist Product」の文字の入った六角形ロゴマークの使用が認められています。
その基準を簡単に記すと、

① トラピスト会修道院の敷地内の設備により、修道士の監督の元で醸造されたものでなければならない。
② 醸造所、醸造銘柄の選択等は修道院内のコミュニティーにより決定されたものでなければならない。
③ 営利目的としてのビール醸造は厳禁。得た利益は修道院のメンテナンス等の運営費用に充てられ、残額は慈善団体に寄付するといった、社会貢献事業に使わなければならない。

というものです。

現在、世界にトラピスト会修道院は171あり、そのうち11ヶ所でのみトラピストビールが生産されている(2021年時点)。

・オルヴァル(ベルギー・オルヴァル修道院)
・シメイ(ベルギー・スクールモン修道院)
・ロシュフォール(ベルギー・サン・レミ修道院)
・ウェストマール(ベルギー・聖心ノートルダム修道院)
・ウエストフレテレン(ベルギー・シント・シクステュス修道院)
・アヘル(ベルギー・アヘル修道院)
・ラ・トラップ(オランダ・コニングスホーヴェン修道院)
・ズンデルト(オランダ・アブダイ・マリア・トゥーフルフト修道院)
・グレゴリウス(オーストリア・スティフト・エンゲルスツェル修道院)
・スペンサー(アメリカ・セントジョゼフ修道院)
・トレフォンターネ(イタリア・トレフォンターネ修道院)

 

 

Data

製造元:サン・レミ修道院

スタイル: トラピスト(上面発酵)

原料: 麦芽、ホップ、糖類

アルコール度数:11.3%

内容量:330ml

 

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