常陸野ネストビール ホワイトエール

Hitachino Nest Beer White Ale

2025.08.07

フクロウが導くベルジャンホワイトの世界

『常陸野ネストビール ホワイトエール』は、木内酒造が手がけるネストブランドの中でも特に世界的評価が高い看板商品で、ベルギーの伝統的な“ホワイトビール”を日本的な感性で再構築した一本です。小麦麦芽を主体にした柔らかな口当たりと、コリアンダーやオレンジピールを用いた爽やかなアロマが特徴で、飲み始めから余韻まで一貫して軽やかで上品な印象を与えます。


グラスに注ぐと淡いストローイエローの液色に、白くきめ細かな泡がふんわりと立ち上がり、香りは柑橘の明るさとスパイスのニュアンスが重なり合う複雑さを持ちます。口に含むと、小麦由来のまろやかさが広がり、ほのかな甘みと酸味がバランスよく調和。苦味は控えめで、ビールに不慣れな人でもすっと馴染む優しさがあります。一方で、香りの層は意外なほど深く、飲み進めるほどにハーブや白い花を思わせるニュアンスが顔を出し、繊細ながら飽きのこない味わいを形づくっています。

また、ホワイトエールというスタイルの王道を踏まえつつ、ネストらしい“日本のクラフトらしさ”がしっかり息づいている点も魅力です。派手さよりも調和を重んじ、素材の香りを丁寧に引き出す造りは、木内酒造の醸造哲学そのもの。世界のコンペティションで数多くの賞を獲得してきた理由も、この緻密なバランス感覚にあります。

総じて、常陸野ネストビール ホワイトエールは、軽やかで香り豊か、そして奥行きのある味わいを楽しめる、日本を代表するホワイトビールのひとつです。飲むたびに新しい表情を見せてくれる、穏やかで洗練された一本と言えます。

■飲み方あれこれ!!

飲み頃温度:

8〜12℃ 前後位で。冷蔵庫から出してすぐ(約4〜6℃)では香りが閉じてしまい、ホワイトエールの生命線である柑橘とスパイスのアロマが十分に立ち上がりません。少し温度が上がることで、小麦由来の柔らかな甘み、コリアンダーやオレンジピールの華やかな香り、 酵母がもたらす軽いフルーティーさがふわりと開き、ネストらしい繊細な香味のレイヤーがきれいに広がります。特に10℃前後になると、香りの立ち方と口当たりの軽やかさが最もバランスよく、ホワイトエールらしい“優しいアロマの余韻”が長く続きます。冷たすぎず、ぬるすぎず、香りと飲み心地が同時に楽しめる温度帯です。

おすすめのマリアージュ:

●白身魚のカルパッチョ:

柑橘の香りがレモン代わりのように寄り添い、魚の甘みを引き立てる。

●ハーブを使ったチキン料理(ローストチキン、チキンソテーなど):

コリアンダーのスパイス感がハーブの香りと共鳴し、軽やかな余韻に。

●モッツァレラチーズ、リコッタチーズ、シェーブルチーズ:

乳の柔らかさと小麦のまろやかさが自然に溶け合う。

●アジアン料理(生春巻き、タイ風サラダ、軽いスパイス料理):

ホワイトエールの爽やかさが香草や軽い辛味を包み込み、清涼感をプラス。

▶「木内酒造株式会社」のこと

「木内酒造株式会社」は、1823年(文政6年)に茨城県那珂市で創業した老舗酒蔵で、もともとは清酒「菊盛」を中心に酒造りを行ってきた蔵元です。江戸後期から続く長い歴史の中で、地域の農業と深く結びつきながら発展し、時代ごとに柔軟な挑戦を続けてきた点が大きな特徴です。特に1990年代以降、クラフトビール黎明期にいち早くビール醸造へ参入し、現在では「常陸野ネストビール」ブランドを通じて世界的な評価を獲得する存在となりました。

ビール造りへの転換は、1994年の酒税法改正がきっかけでした。小規模ブルワリーの参入が可能になったことで、「木内酒造」は清酒で培った発酵技術と原料へのこだわりを活かし、新たな酒造りに挑戦します。1996年に誕生した「常陸野ネストビール」は、当初から国際コンペティションで高い評価を受け、ホワイトエールやアンバーエールなどの定番スタイルに加え、地元産の柑橘や日本古来の麦を使った独創的なビールを次々と生み出していきました。

「木内酒造」のビール造りの特徴としてまず挙げられるのは、“日本の酒蔵ならではの発酵文化の応用”です。清酒造りで培った酵母管理や温度制御の技術が、ビールの香りの繊細さや発酵の安定性に活かされています。ホワイトエールの柔らかなアロマや、ニッポニアの複雑な香味の奥行きには、酒蔵としての長い経験が確かに息づいています。

次に、“地域原料への深いこだわり”も重要な柱です。茨城県産の福来みかんを使った「だいだいエール」、明治期の国産麦「金子ゴールデン」を復活させて醸した「ニッポニア」など、地域の農産物を積極的に取り入れ、土地の個性をビールに反映させています。これは単なる地産地消ではなく、原料そのものの香味を最大限に引き出すための探究心に基づいた姿勢です。

さらに、「木内酒造」は“伝統と革新の両立”を常に意識しています。クラシックなスタイルを丁寧に造り上げる一方で、バレルエイジドビールやスパイスを使った実験的な仕込みにも積極的で、世界のクラフトビールシーンにおいても独自の存在感を放っています。特にウイスキーや清酒の古樽を活用した熟成は、酒蔵ならではのアプローチとして高く評価されています。

フクロウのラベル(※)で知られる「常陸野ネストビール」は、「木内酒造」のクラフト精神と地域愛、そして挑戦の歴史が詰まったブランドです。伝統と革新が融合したその味わいは、世界中のビールファンを魅了し続けています。

⇒フクロウのラベル(※)

〇「常陸野ネストビール」のラベルに描かれたフクロウは、地元・鴻巣の地名に由来する象徴的なデザインです。この親しみやすいアイコンが、海外のバイヤーの目に留まり、2000年頃からアメリカをはじめとする海外市場への輸出が本格化。特にホワイトエールは、世界のビアコンペで金賞を受賞し、木内酒造の名を国際的に知らしめるきっかけとなりました。

▶「木内酒造株式会社」の歴史(年表)

1823年(文政6年):

茨城県那珂市鴻巣にて木内酒造が創業。初代・木内儀兵衛が酒造業を開始し、清酒「菊盛」を中心とした酒造りの基盤を築く。地域の農業と密接に結びつき、地元の米を活かした酒造りを行うようになる。

明治時代(1868〜1912年):

近代化の波の中で酒造設備の改良が進み、木内酒造も製造体制を整備。地元での評価を高めながら、清酒蔵としての地位を確立していく。家業として代々受け継がれ、地域の酒文化を支える存在となる。

大正〜昭和前期(1912〜1945年):

戦争や社会情勢の変化により酒造業界全体が厳しい状況に置かれるが、木内酒造は地域に根ざした蔵として酒造りを継続。伝統的な技術を守りながら、安定した品質の酒を供給し続ける。

昭和後期(1945〜1989年):

戦後の復興とともに酒造業も再び活気を取り戻す。木内酒造は清酒「菊盛」の品質向上に努め、地域の酒蔵としての信頼を強固にする。次第に新たな酒造りへの関心が芽生え、後のクラフトビール参入の土台が形成されていく。

1994年(平成6年):

酒税法改正により、小規模ブルワリーのビール製造が可能になる。木内酒造はこの変化を大きな転機と捉え、清酒で培った発酵技術を活かしてビール醸造への参入を決断する。

1996年(平成8年):

「常陸野ネストビール」ブランドが誕生。ホワイトエール、アンバーエールなどの初期ラインナップが国際的な評価を受け、木内酒造の名が世界のクラフトビールシーンに広く知られるようになる。

2000年代(平成12〜20年代):

国内外のビアコンペティションで多数の受賞を重ね、ネストビールの存在感が確立。地元産の福来みかんを使った「だいだいエール」や、明治期の国産麦「金子ゴールデン」を復活させた「ニッポニア」など、地域原料を活かした独創的なビールを次々と発表する。

2010年代(平成22〜令和元年):

清酒蔵としての伝統とクラフトビールの革新性を両立させる姿勢が国内外で高く評価される。ウイスキーや清酒の古樽を使ったバレルエイジドビールにも取り組み、酒蔵ならではの発酵文化をビールに応用する独自性が際立つ。

2020年代(令和2年〜):

クラフトビール文化の成熟とともに、木内酒造は国内外での展開をさらに拡大。地域原料の活用、伝統技術の継承、革新的な醸造への挑戦を続け、清酒・ビール双方で日本を代表する酒蔵としての地位を確固たるものにしている。

Data

製造元:木内酒造株式会社

住所:茨城県那珂市南酒出808

創業:1823年(文政6年)

TEL:029-212-5111

URL:https://kodawari.cc/info/company.html(木内酒造株式会社、通販可)

スタイル:ベルジャンスタイル・ホワイトエール(上面発酵)

原料:大麦麦芽、小麦麦芽、小麦、ホップ、オレンジ果汁、オレンジピール、コリアンダーシード、ナツメグ

アルコール度数:5.5%

内容量:330mL(瓶)、350mL(缶)

 

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