Hitachino Nest Beer Nipponia
2025.08.07
伝統と革新が融合した“オールジャパン”ビール
『常陸野ネストビール ニッポニア』は、木内酒造が日本のビール文化の源流を見つめ直し、“日本固有の原料でつくるクラフトビール”という明確なコンセプトを掲げて生み出した特別な一本です。使用されるのは、明治期に日本で育成された希少な麦「金子ゴールデン」と、同じく国産のホップ「ソラチエース」。いずれも日本の醸造史に深く関わる品種であり、それらを現代の技術と感性で再構築することで、唯一無二の個性を持つビールに仕上がっています。
グラスに注ぐと、やや濃いめのゴールデンカラーが輝き、泡はきめ細かくクリーミー。香りはソラチエース特有のレモングラス、ハーブ、白檀のようなウッディなニュアンスが立ち上がり、一般的なホップとは異なる“和”の落ち着きを感じさせます。口に含むと、金子ゴールデン(※)由来のしっかりとした麦の旨みが広がり、柔らかな甘みと穀物感が骨格をつくります。その上に、ソラチエースの爽やかな香りが重なり、清涼感と奥行きを併せ持つ味わいが続きます。
⇒「金子ゴールデン」(※)
〇「ニッポニア」に使用されている麦芽「金子ゴールデン」は、明治時代に育成された国産品種で、長らく栽培が途絶えていました。木内酒造は地元農家と協力し、この麦の復活栽培に成功。日本の農業と酒造りをつなぐ象徴的な取り組みとして注目されています。
苦味は適度にありながらも角がなく、全体として丸みのある印象。飲み進めるほどに、麦の深みとホップの香りが交互に顔を出し、シンプルでありながら複雑さを秘めた構成が楽しめます。クラシックなラガーのような飲みやすさと、クラフトビールらしい個性の両方を備えている点も魅力です。
「ニッポニア」という名の通り、日本の原料、日本の醸造、日本のクラフト精神を象徴する一本であり、木内酒造の探究心と歴史への敬意が凝縮されています。伝統と革新が共存する、静かで力強い存在感を放つビールです。
■飲み方あれこれ!!
飲み頃温度:
10〜13℃位で。冷蔵庫から出してすぐの 4〜6℃ では、金子ゴールデン麦芽の厚みやソラチエースの独特の香り(レモングラス、白檀、ハーブ)が十分に開きません。ニッポニアはホップとモルトの個性がはっきりとしたビールなので、少し温度を上げることで香味のレイヤーが立体的に感じられるようになります。
おすすめのマリアージュ
●ローストポークやグリルチキン
麦の旨みが肉の甘みと重なり、ソラチエースの香りが脂を軽やかに整える。
●白身魚のソテー(バターやハーブ仕立て)
ハーバルな香りが魚の繊細さと調和し、余韻に心地よい清涼感が残る。
●和食の焼き物(塩焼きの魚、焼き鳥〈塩〉)
“和”のニュアンスを持つソラチエースが、素材の旨みを邪魔せず寄り添う。
●ハードチーズ(コンテ、ミモレットなど)
モルトのコクとチーズの熟成香が響き合い、余韻が深くなる。
▶「木内酒造株式会社」のこと
「木内酒造株式会社」は、1823年(文政6年)に茨城県那珂市で創業した老舗酒蔵で、もともとは清酒「菊盛」を中心に酒造りを行ってきた蔵元です。江戸後期から続く長い歴史の中で、地域の農業と深く結びつきながら発展し、時代ごとに柔軟な挑戦を続けてきた点が大きな特徴です。特に1990年代以降、クラフトビール黎明期にいち早くビール醸造へ参入し、現在では「常陸野ネストビール」ブランドを通じて世界的な評価を獲得する存在となりました。
ビール造りへの転換は、1994年の酒税法改正がきっかけでした。小規模ブルワリーの参入が可能になったことで、「木内酒造」は清酒で培った発酵技術と原料へのこだわりを活かし、新たな酒造りに挑戦します。1996年に誕生した「常陸野ネストビール」は、当初から国際コンペティションで高い評価を受け、ホワイトエールやアンバーエールなどの定番スタイルに加え、地元産の柑橘や日本古来の麦を使った独創的なビールを次々と生み出していきました。
「木内酒造」のビール造りの特徴としてまず挙げられるのは、“日本の酒蔵ならではの発酵文化の応用”です。清酒造りで培った酵母管理や温度制御の技術が、ビールの香りの繊細さや発酵の安定性に活かされています。ホワイトエールの柔らかなアロマや、ニッポニアの複雑な香味の奥行きには、酒蔵としての長い経験が確かに息づいています。
次に、“地域原料への深いこだわり”も重要な柱です。茨城県産の福来みかんを使った「だいだいエール」、明治期の国産麦「金子ゴールデン」を復活させて醸した「ニッポニア」など、地域の農産物を積極的に取り入れ、土地の個性をビールに反映させています。これは単なる地産地消ではなく、原料そのものの香味を最大限に引き出すための探究心に基づいた姿勢です。
さらに、「木内酒造」は“伝統と革新の両立”を常に意識しています。クラシックなスタイルを丁寧に造り上げる一方で、バレルエイジドビールやスパイスを使った実験的な仕込みにも積極的で、世界のクラフトビールシーンにおいても独自の存在感を放っています。特にウイスキーや清酒の古樽を活用した熟成は、酒蔵ならではのアプローチとして高く評価されています。
フクロウのラベル(※)で知られる「常陸野ネストビール」は、「木内酒造」のクラフト精神と地域愛、そして挑戦の歴史が詰まったブランドです。伝統と革新が融合したその味わいは、世界中のビールファンを魅了し続けています。
⇒フクロウのラベル(※)
〇「常陸野ネストビール」のラベルに描かれたフクロウは、地元・鴻巣の地名に由来する象徴的なデザインです。この親しみやすいアイコンが、海外のバイヤーの目に留まり、2000年頃からアメリカをはじめとする海外市場への輸出が本格化。特にホワイトエールは、世界のビアコンペで金賞を受賞し、木内酒造の名を国際的に知らしめるきっかけとなりました。
▶「木内酒造株式会社」の歴史(年表)
1823年(文政6年):
茨城県那珂市鴻巣にて木内酒造が創業。初代・木内儀兵衛が酒造業を開始し、清酒「菊盛」を中心とした酒造りの基盤を築く。地域の農業と密接に結びつき、地元の米を活かした酒造りを行うようになる。
明治時代(1868〜1912年):
近代化の波の中で酒造設備の改良が進み、木内酒造も製造体制を整備。地元での評価を高めながら、清酒蔵としての地位を確立していく。家業として代々受け継がれ、地域の酒文化を支える存在となる。
大正〜昭和前期(1912〜1945年):
戦争や社会情勢の変化により酒造業界全体が厳しい状況に置かれるが、木内酒造は地域に根ざした蔵として酒造りを継続。伝統的な技術を守りながら、安定した品質の酒を供給し続ける。
昭和後期(1945〜1989年):
戦後の復興とともに酒造業も再び活気を取り戻す。木内酒造は清酒「菊盛」の品質向上に努め、地域の酒蔵としての信頼を強固にする。次第に新たな酒造りへの関心が芽生え、後のクラフトビール参入の土台が形成されていく。
1994年(平成6年):
酒税法改正により、小規模ブルワリーのビール製造が可能になる。木内酒造はこの変化を大きな転機と捉え、清酒で培った発酵技術を活かしてビール醸造への参入を決断する。
1996年(平成8年):
「常陸野ネストビール」ブランドが誕生。ホワイトエール、アンバーエールなどの初期ラインナップが国際的な評価を受け、木内酒造の名が世界のクラフトビールシーンに広く知られるようになる。
2000年代(平成12〜20年代):
国内外のビアコンペティションで多数の受賞を重ね、ネストビールの存在感が確立。地元産の福来みかんを使った「だいだいエール」や、明治期の国産麦「金子ゴールデン」を復活させた「ニッポニア」など、地域原料を活かした独創的なビールを次々と発表する。
2010年代(平成22〜令和元年):
清酒蔵としての伝統とクラフトビールの革新性を両立させる姿勢が国内外で高く評価される。ウイスキーや清酒の古樽を使ったバレルエイジドビールにも取り組み、酒蔵ならではの発酵文化をビールに応用する独自性が際立つ。
2020年代(令和2年〜):
クラフトビール文化の成熟とともに、木内酒造は国内外での展開をさらに拡大。地域原料の活用、伝統技術の継承、革新的な醸造への挑戦を続け、清酒・ビール双方で日本を代表する酒蔵としての地位を確固たるものにしている。
Data
製造元:木内酒造株式会社
住所:茨城県那珂市南酒出808
創業:1823年(文政6年)
TEL:029-212-5111
URL:https://kodawari.cc/info/company.html(木内酒造株式会社、通販可)
スタイル:インディア・ペールラガー(下面発酵)
原料:麦芽、ホップ、米(山田錦)
アルコール度数:6.0%
内容量:330ml(瓶)
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