〇1955年（昭和30年）に「薩摩酒造株式会社」が発売した芋焼酎「さつま白波」は、当時の焼酎のイメージを一新する画期的な商品でした。それまでの「薩摩乙女」という銘柄を引き継ぎつつ、より力強く印象的なネーミングと味わいで、全国展開を目指しました。1970年代後半には「6×4（ロクヨン）のお湯割り」「酔い醒めさわやか」といったキャッチコピーを用いたテレビCMを全国で放送。このCM戦略が功を奏し、「さつま白波」は九州を超えて全国に知られるようになり、1980年代の焼酎ブームの立役者となりました。

1936年（昭和11年）：

鹿児島県枕崎市にて創業。当初は「薩摩合同酒精株式会社」として設立され、焼酎製造を開始する。

1949年（昭和24年）：

社名を「薩摩酒造株式会社」に変更。地域に根ざした酒造りを展開し、地元産のさつまいもを活用した焼酎造りに注力する。

1955年（昭和30年）：

代表銘柄「さつま白波」を発売。全国的な焼酎ブームの先駆けとなり、同社の知名度が一気に高まる。

1970年代：

焼酎の需要拡大に伴い、生産設備を増強。枕崎市内に複数の蒸留所を設け（※2）、原料の鮮度を保った焼酎造りを確立する。

1990年代：

品質向上とブランド強化を図り、貯蔵焼酎や麦焼酎など多様なラインアップを展開。全国の酒販店や飲食店に広く流通する。

2000年代：

環境保全や地域連携に力を入れ、地元農家と協力した原料栽培や、焼酎文化の普及活動を推進する。

2010年代：

伝統技術の継承とともに、若手杜氏の育成にも注力。クラフト志向の消費者ニーズに応える商品開発を進める。

2020年（令和2年）：

新たな挑戦としてウイスキー事業への参入を発表。焼酎造りで培った蒸留技術を活かし、洋酒分野にも展開を広げる。

2023年（令和5年）：

米焼酎「白鯨」など新ブランドを展開し、国内外の市場に向けた発信力を強化。伝統と革新の融合を体現する企業として注目を集める。

2025年（令和7年）：

創業90周年を目前に控え、次世代に向けた酒造りのビジョンを打ち出す。地域とともに歩む姿勢を貫き、焼酎文化の未来を見据える。