シャトー カロン・セギュール

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Château Calon Ségur

フランス/ボルドー/赤/第3級

2025.07.30

セギュール伯爵が「心から愛した」唯一のシャトー

『シャトー・カロン・セギュール』は、フランス・ボルドー地方のメドック地区、サン・テステフ村に位置する由緒あるワインシャトーで、1855年の格付けで第3級に認定されたグラン・クリュです。とはいえ、その評価は格付け以上とも言われ、五大シャトーに匹敵する品質と人気を誇ります。特に印象的なのが、ラベルに描かれた赤いハートのモチーフ。これは18世紀の所有者、セギュール侯爵ニコラ・アレクサンドルが「ラフィットやラトゥールを造りしが、わが心はカロンにあり」と語った逸話に由来し、彼の深い愛情を象徴しています。

ワインのスタイルは、サン・テステフらしい力強さと堅牢さを備えながらも、長期熟成によってエレガンスとフィネスが花開くクラシカルなボルドー。主要品種はカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドがブレンドされ、ヴィンテージによって比率が変化します。若いうちはタンニンが豊富で重厚な印象ですが、熟成を経ることで湿った土やジビエ、トリュフなどの複雑な香りが現れ、繊細な味わいへと変化します。

畑はジロンド川左岸の冷涼な気候と水捌けの良い礫質土壌に恵まれ、ブドウ栽培の歴史はガロ=ロマン時代にまで遡ります。近年では醸造設備の刷新や熟成庫の改修など、品質向上への取り組みも積極的に行われており、伝統を守りながらも進化を続ける姿勢が高く評価されています。

その味わいと物語性から、「カロン・セギュール」は「心に訴えかけるワイン」として、世界中のワインラヴァーに愛され続けています。ハートのラベルに込められた情熱は、グラスの中で静かに語りかけてくるのです。

■飲み方あれこれ

飲み頃温度:

16〜18℃(理想は17℃前後)。この温度帯で果実味・酸・タンニンのバランスが整い、香りが豊かに広がります。

抜栓のタイミング:

熟成度に応じて調整。若いヴィンテージ(10年未満)はデキャンタージュで香りを開かせ、熟成したものはゆっくりと抜栓して自然に開かせるのがおすすめ。

グラス選び:

チューリップ型のボルドーグラス。香りを閉じ込めつつ、温度がゆるやかに上がる設計で、複雑なアロマを最大限に引き出します。

 

▶シャトー・カロン・セギュール(ワイナリー)のこと

シャトー・カロン・セギュールは、フランス・ボルドー地方メドック地区の最北端、サン・テステフ村に位置する格付け第3級の名門シャトーです。その歴史は古く、起源はローマ時代にまで遡るとされ、12世紀にはすでにワイン造りが行われていた記録が残っています。シャトー名の「カロン」は、かつてジロンド川で使われていた輸送船「カロンヌ」に由来すると言われています。

18世紀には「ブドウ畑のプリンス」と称されたニコラ=アレクサンドル・ド・セギュール侯爵が所有し、ラフィットやラトゥールといった一級シャトーも手掛けていた彼が「我ラフィットやラトゥールを造りしが、我が心カロンにあり(※)」と語った逸話は、現在のハート型ラベルの由来にもなっています。この言葉は、カロン・セギュールに対する深い愛情と情熱を象徴しており、ワインの物語性を高めています。

ワイン造りにおいては、伝統と革新の融合が特徴です。シャトーは55ヘクタールの畑を所有し、石垣に囲まれた「ランクロ」と呼ばれる区画が中心。土壌は砂利質と粘土質が混在し、カベルネ・ソーヴィニヨンに理想的な環境を提供しています。ブドウはすべて手摘みで収穫され、区画ごとに分けられた発酵タンクで醸造。ポンプを使わず重力による移動を採用するなど、果実の繊細さを守る工夫が施されています。

ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン主体で、メルローやカベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが加わることで複雑性とバランスを生み出します。熟成は新樽で18〜20ヶ月行われ、近年は卵白による清澄作業も復活。力強いタンニンと凝縮感ある果実味、そして長期熟成によって現れるエレガンスが、カロン・セギュールの真骨頂です。

現代においても、伝統を尊重しながら品質向上に努める姿勢は変わらず、格付け以上の評価を受けるシャトーとして、世界中のワイン愛好家から高い支持を得ています。

■我が心カロンにあり(※)

18世紀、シャトー・カロン・セギュールを所有していたニコラ=アレクサンドル・ド・セギュール侯爵は、ラフィットやラトゥールなど、後に一級格付けとなる名門シャトーも所有していました。ある日、彼が「最も愛するシャトーはどれか?」と問われた際、こう答えたと伝えられています。「ラフィットやラトゥールでワインを造っているが、我が心はカロンにあり。」この言葉が、現在のハート型ラベルの由来となり、カロン・セギュールは「愛のワイン」として世界中で親しまれるようになりました。

 

▶「シャトー・カロン・セギュール」(ワイナリー)の歴史(年表)

12世紀:

サン・テステフ村にてワイン造りの記録が残る。

18世紀初頭:

ニコラ=アレクサンドル・ド・セギュール侯爵が所有。ラフィットやラトゥールも手掛ける中、「我が心はカロンにあり」と語る。

1855年:

ボルドー・メドック格付けで第3級に認定される。

1894年:

ガスクトン家がシャトーを取得。20世紀にかけて品質向上に尽力。

2006年:

技術責任者ヴァンサン・ミレ氏が就任。畑の再構築と品質向上を推進。

2011年:

マダム・ドゥニーズ・ガスクトンが逝去。

2012年:

アルケア相互銀行グループがシャトーを買収。ジャン=ピエール・ドゥニ氏が経営を引き継ぐ。

2013年:

セカンドワイン「ル・マルキ・ド・カロン・セギュール」、サードワイン「サン・テステフ・ド・カロン・セギュール」が刷新。

2017年:

パーカーポイント95点を獲得し、近年の当たり年として評価される。

2020年:

パーカーポイント97点を記録。現代的スタイルと果実味の充実が評価される。

2025年現在:

伝統と革新を融合し、格付け以上の評価を受けるシャトーとして世界的に高い人気を誇る。

Data

生産者:シャトー・カロン・セギュール

生産地:ボルドー地方>メドック地区>サンテステフ村

創業年:ワイン造りの記録は12世紀にまで遡りますが、現在のシャトーとしての確立は18世紀初頭

URL:https://www.calon-segur.fr/ja/ (シャトー・カロン・セギュール公式サイト)

使用品種:カベルネ・ソーヴィニヨン 81%、カベルネ・フラン 11%、メルロー 7%、プティ・ヴェルド 1%

アルコール度数:13.8〜14.5%(ヴィンテージにより異なる)

容量: 750ml

 

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