シャトー・ラトゥール

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Château Latour

1855年ボルドー格付け 第1級

2025.08.21

ボルドーの王者が放つ圧倒的存在感

『シャトー・ラトゥール』は、フランス・ボルドー地方のメドック地区、ポイヤック村に位置する世界屈指のワイン生産者であり、1855年の格付けで第一級(プルミエ・クリュ)に認定された五大シャトーのひとつです。その名声は、何世紀にもわたる歴史と、卓越した品質へのこだわりによって築かれてきました。

「シャトー・ラトゥール」のワインは、力強さ、深み、そして驚異的な熟成能力を兼ね備えた赤ワインとして知られています。主にカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルローやカベルネ・フランなどをブレンドして造られ、ポイヤック特有の鉄分を含む土壌が、ワインに独特のミネラル感と構造を与えています。若いうちは濃密で引き締まったタンニンが印象的ですが、長期熟成を経ることで、複雑な香りと滑らかな口当たりへと変化し、まさに芸術品のような味わいを見せます。

「シャトー・ラトゥール」は、グラン・ヴァン(第一ラベル)のほかに、セカンドラベルの「レ・フォール・ド・ラトゥール」、サードラベルの「ポイヤック・ド・ラトゥール」も展開しており、それぞれが異なる個性を持ちながらも、品質への妥協は一切ありません。特にグラン・ヴァンは、数十年にわたって熟成可能なポテンシャルを持ち、世界中のワインコレクターや愛好家から高い評価を受けています。

その荘厳な味わいと歴史的背景から、シャトー・ラトゥールは単なる飲み物ではなく、文化と伝統を体現する存在として、ワイン界において特別な地位を築いています。飲むたびに、ボルドーの風土と造り手の情熱が感じられる、まさに至高の一杯です。

■ラベルに描かれた「塔」の由来

ラトゥールのラベルに描かれている塔は、かつてジロンド河を監視するために建てられた防衛塔がモデル。現在の塔は1620年代に再建されたもので、かつては伝書鳩のための鳩小屋として使われていたというユニークな背景があります。

■飲み方あれこれ

〇熟成を待つ贅沢

シャトー・ラトゥールは若いうちでも力強さがありますが、10〜30年以上の熟成を経ることで、タンニンが丸くなり、複雑な香りと深い味わいが現れます。ヴィンテージによっては、40年以上の熟成にも耐えうるポテンシャルを持っています。

〇デキャンタージュ(抜栓後の空気接触)

若いヴィンテージの場合、飲む2〜3時間前にデキャンタージュすることで、閉じていた香りが開き、味わいが滑らかになります。熟成された古酒の場合は、デキャンタージュは控えめにし、澱を避けるために静かに注ぐのが理想です。

〇サービング温度

理想的な飲用温度は16〜18℃。高すぎるとアルコール感が強くなり、低すぎると香りが閉じてしまいます。ワインセラーで保管している場合は、飲む30分ほど前に室温に戻すとちょうど良いです。

〇グラス選び

ボルドータイプの大ぶりなグラスを使うことで、香りが広がり、複雑なアロマを堪能できます。特にカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインには、縦長で口がすぼまった形状が適しています。

 

▶「シャトー・ラトゥール(ワイナリー)」のこと

シャトー・ラトゥールは、フランス・ボルドー地方のメドック地区ポイヤック村に位置する、世界的に名高いワイナリーです。その歴史は14世紀にまで遡り、もともとは防衛用の塔(ラトゥール=塔)を中心とした領地でした。17世紀にはワイン造りが本格化し、18世紀にはイギリス市場を中心に輸出が始まり、国際的な評価を獲得していきます。1855年のパリ万国博覧会に際して制定されたボルドーの格付けでは、第一級(プルミエ・クリュ)に選ばれ、五大シャトーの一角としてその名を不動のものにしました。

シャトー・ラトゥールの最大の特徴は、徹底した品質管理とテロワール(風土)への深い理解に基づいたワイン造りです。敷地内の畑は約90ヘクタールあり、そのうち「ランクロ」と呼ばれる約47ヘクタールの区画が、グラン・ヴァン(第一ラベル)の原料となるブドウを生み出します。この区画は粘土質と砂利質が混ざった土壌で、水はけが良く、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心としたブドウ栽培に理想的な環境です。

ラトゥールのワインは、力強さと構造の緻密さに定評があります。特にグラン・ヴァンは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルローやカベルネ・フランなどを少量ブレンドして造られ、若いうちは濃密で引き締まったタンニンが特徴ですが、長期熟成を経ることで、複雑な香りと滑らかな口当たりへと変化します。20年、30年と熟成してもなお進化を続けるそのポテンシャルは、世界中のワイン愛好家やコレクターを魅了し続けています。

また、シャトー・ラトゥールは革新にも積極的で、2000年代以降は有機栽培やビオディナミ農法の導入にも取り組んでいます。醸造設備も最新技術を取り入れつつ、伝統的な手法とのバランスを保ち、自然の力を最大限に引き出すことを目指しています。セカンドラベルの「レ・フォール・ド・ラトゥール」、サードラベルの「ポイヤック・ド・ラトゥール」も展開しており、それぞれが異なる個性を持ちながらも、ラトゥールらしい品格と品質を備えています。

シャトー・ラトゥールは、単なるワイン生産者ではなく、ボルドーの伝統と革新を体現する存在です。そのワインは、時を超えて語り継がれる芸術品であり、飲む者に深い感動と余韻を残します。

▶シャトー・ラトゥールの歴史(年表)

1331年:

サン・モーベール教区に防衛塔の建設許可が与えられ、ラトゥールの名が文書に初登場。

1378年:

ジャン・フロワサールの『年代記』に登場。百年戦争中、イングランド軍が塔を奪取。

17世紀末:

ミュレ家の経営下で小作制度から直接経営へと移行。

1716年:

アレクサンドル・ド・セギュールがシャトー・ラフィットを購入。

1718年:

ニコラ=アレクサンドル・ド・セギュールがムートンとカロンを取得。

1759年:

ブドウ畑の面積が38ヘクタールに拡大。

1794年:

畑が47ヘクタールに拡大。ワイン生産に特化。

1842年:

法人化され、民事会社として運営開始。

1855年:

ボルドーの格付けで第1級に認定

1963年:

ピアソン家が株式の75%を取得。ステンレスタンク導入を提案。

1964年:

ステンレスタンク導入(※)。評価が高まり、改革が進む。

1989年:

アライド・ライオンズ社が筆頭株主となる。

1993年:

フランソワ・ピノーがアルテミス社を通じて買収。

1998年:

フレデリック・アンジェラが支配人に就任。

1999–2003年:

醸造施設の全面改築を実施。

2012年:

プリムール販売から撤退(※2)。ボトル熟成用セラーを増設。

■ステンレスタンク導入(※)

1960年代、伝統を重んじるボルドーの中で、ラトゥールはステンレスタンクを導入。当時は「木製発酵槽を捨てるとは何事か」と非難されましたが、結果として1964年ヴィンテージは高評価を獲得し、技術革新の成功例として語り継がれています。

■プリムール販売から撤退(※2)

ボルドーの伝統的な販売方式である「プリムール(先物販売)」から、ラトゥールは2012年に離脱しました。これは、ワインが飲み頃になるまでシャトーで熟成させてから販売するという革新的な方針で、品質管理を徹底する姿勢の表れです。

Data

生産者: シャトー・ラトゥール(グループ・アルテミス:フランソワ・ピノー氏の所有)

生産地: ボルドー地方/メドック地区/ポイヤック村

創業年: 1331年

URL:https://www.chateau-latour.com/jp (シャトー・ラトゥール公式サイト)

使用品種: カベルネ・ソーヴィニヨン(約92.1%)、メルロー(約7.8%)、プティ・ヴェルド(約0.1%)( ※ヴィンテージによって多少の変動あり)

アルコール度数: 約13%

容量: 750ml

 

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