シャトー・ムートン・ロートシルト

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Château Mouton Rothschild

1855年ボルドー格付け 第1級

2025.08.22

■写真はヴィンテージ2021(※)

ムートンの美学、芸術作品としてのワイン

『シャトー・ムートン・ロートシルト』は、フランス・ボルドー地方のポイヤック村に位置する、世界的に名高いワインの銘醸地です。1855年のボルドー格付けでは当初「第二級」とされていましたが、1973年に唯一「第一級」へ昇格したという歴史的快挙を成し遂げたことで知られています。この昇格は、ロートシルト家の情熱と品質へのこだわりが認められた証でもあります。

「ムートン・ロートシルト」のワインは、主にカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、メルローやカベルネ・フランなどをブレンドして造られます。力強く、複雑で、長期熟成に耐える構造を持ち、熟成を重ねることで果実味、スパイス、タバコ、杉などの香りが繊細に変化していきます。若いうちは濃厚で力強く、年月を経るごとにエレガントで深みのある味わいへと進化します。

さらに、「ムートン・ロートシルト」の大きな特徴のひとつが、毎年異なる著名アーティストによって描かれるラベルデザインです。ピカソ、シャガール、ダリ、ウォーホルなど、20世紀を代表する芸術家たちが手がけたラベルは、ワインを芸術作品として昇華させる象徴とも言えます。これにより、ムートンはワイン愛好家だけでなく、美術コレクターからも高い評価を受けています。

その希少性と芸術性、そして卓越した品質により、「シャトー・ムートン・ロートシルト」は世界中のオークションやセラーで高値で取引されることも多く、まさに「飲む芸術品」としての地位を確立しています。ワインの枠を超えた文化的価値を持つ、唯一無二の存在です。

■ヴィンテージ2021(※)

〇2021年ヴィンテージのシャトー・ムートン・ロートシルトのラベルは、塩田千春(しおた ちはる)氏による作品です。彼女は大阪生まれで、現在はベルリンを拠点に国際的に活躍する現代美術家。インスタレーションを中心に、「生と死」「存在と不在」といった根源的なテーマを探求する作品で知られています。

ラベル作品のタイトルは「Universe of Mouton(ムートンの宇宙)」。以下のようなコンセプトが込められています:

・ 赤々とした自然の前に立つ人物が描かれ、人間と自然のバランスを象徴。

・人物と自然をつなぐ4本の線は「四季」を表し、孤独・希望・達成感など、ブドウ作りにまつわる感情を表現。

・ シャトー訪問時に受けたインスピレーションから、「自然との共生」がテーマになっています。

ちなみに、日本人アーティストがムートンのラベルを手がけるのは、1979年の堂本尚郎氏、1991年の節子バルテュス氏に続き、30年ぶり3人目の快挙です。

■飲み方あれこれ

ヴィンテージの確認

ムートンは熟成によって味わいが大きく変化します。若いヴィンテージ(10年未満)は力強く、タンニンがしっかり。古いヴィンテージ(20年以上)はまろやかで複雑な香りが広がります。

適切な温度でサーブ

16〜18℃が理想的。冷たすぎると香りが閉じ、温かすぎるとアルコール感が強く出てしまいます。サーブ前に30分ほど室温に置いて調整するとベスト。

デキャンタージュ(デキャンタに移す)

若いヴィンテージは空気に触れさせることで香りが開き、味わいが滑らかになります。古いヴィンテージは澱(おり)を避けるために、静かにデキャンタージュするのがおすすめ。

グラス選び

大ぶりのボルドーグラスを使用すると、香りが広がりやすく、複雑なアロマを堪能できます。

 

▶「シャトー・ムートン・ロートシルト(ワイナリー)」のこと

「シャトー・ムートン・ロートシルト」は、フランス・ボルドー地方のポイヤック村に位置する、世界的に名高いワイナリーです。その歴史は18世紀にまで遡り、1853年にロートシルト家のナサニエル・ド・ロートシルト男爵がこのシャトーを購入したことで、現在の名声への道が開かれました。しかし、真の飛躍を遂げたのは、彼の曾孫であるフィリップ・ド・ロートシルト男爵の時代です。彼は1920年代からワイン造りに革新をもたらし、品質向上に尽力するとともに、芸術とワインを融合させるという大胆な試みにも挑戦しました。

「ムートン・ロートシルト」の最大の特徴のひとつは、毎年異なる著名アーティストによって描かれるラベルデザインです。1945年以降、ピカソ、シャガール、ダリ、ウォーホルなど、20世紀を代表する芸術家たちがラベルを手がけており、ワインそのものが芸術作品としての価値を持つようになりました。この取り組みは、ムートンのブランドイメージを確立するだけでなく、ワイン文化に新たな視点をもたらしました。

ワイン造りにおいても、「ムートン・ロートシルト」は卓越した技術と哲学を持っています。主にカベルネ・ソーヴィニヨンを主体とし、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドなどをブレンドすることで、力強さとエレガンスを兼ね備えた味わいを生み出します。収穫はすべて手作業で行われ、厳格な選果を経て、最新鋭の醸造設備と伝統的なオーク樽による熟成を組み合わせることで、複雑で深みのあるワインが完成します。

また、「シャトー・ムートン・ロートシルト」は1855年の格付けで「第二級」とされていましたが、1973年に唯一「第一級」へ昇格したという歴史的快挙を成し遂げています。これは、フィリップ男爵の長年にわたる品質向上への努力と、ムートンの卓越したワイン造りが公式に認められた証です。

今日では、「シャトー・ムートン・ロートシルト」は世界中のワイン愛好家やコレクターから高い評価を受けており、オークション市場でも高値で取引されることが多い希少な存在です。そのワインは、単なる飲み物ではなく、歴史・芸術・情熱が詰まった「体験」として語られるべきものなのです。

▶「シャトー・ムートン・ロートシルト」の歴史(年表)

1853年:

ナサニエル・ド・ロートシルト男爵がシャトー・ムートンを購入。ロートシルト家による所有が始まる。

1855年:

ボルドー格付けで「第二級(Deuxième Cru)」に分類される。

1922年:

フィリップ・ド・ロートシルト男爵が経営を引き継ぎ、品質向上とブランド構築に着手。

1924年:

初めてラベルにアーティストの作品を採用(ジャン・カルリュによるデザイン)。芸術との融合が始まる。

1945年:

第二次世界大戦終結を記念し、ヴィクトリー「V」のラベルを採用。以後、毎年異なるアーティストがラベルを手がける(※2)伝統が確立。

1973年:

ムートン・ロートシルトが格付けで唯一「第一級(Premier Cru)」に昇格(※3)。フィリップ男爵の長年の努力が実る。

1988年:

フィリップ男爵が逝去。娘のバロンヌ・フィリピーヌ・ド・ロートシルトが経営を継承。

1993年:

ワイナリーに「ムートン美術館(Musée du Vin dans l’Art)」が開設。ワインと芸術の融合を展示。

2014年:

フィリピーヌ女男爵が逝去。その後、彼女の子どもたちが運営を引き継ぐ。

現在:

ムートン・ロートシルトは世界中のワイン愛好家にとって憧れの存在であり、品質・芸術性・歴史のすべてを兼ね備えたシャトーとして君臨。

■毎年異なるアーティストがラベルを手がける(※2)

1945年以降、毎年異なる著名アーティストがラベルを手がけるという革新的な取り組みが始まりました。ピカソ、シャガール、ウォーホル、キース・ヘリングなど、世界的な芸術家が参加しており、ムートンのラベルはコレクターアイテムとしても高い価値を持っています。

■「第一級(Premier Cru)」に昇格(※3)

1855年のボルドー格付けで「第二級」とされたムートンは、長年にわたり「第一級」への昇格を目指して努力を重ねました。所有者であるロートシルト家は「われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」という名言を残し、ついに1973年、ジャック・シラク農業大臣の署名により昇格を果たしました。これは格付け制度が始まって以来、唯一の例外です。

Data

生産者: シャトー・ムートン・ロートシルト

生産地: ボルドー地方/メドック地区/ポイヤック村

創業年: 1853年(ナサニエル・ド・ロートシルト男爵が「シャトー・ブラーヌ=ムートン」を購入し、「シャトー・ムートン・ロートシルト」と改名した年。)

URL:https://www.chateau-mouton-rothschild.com/?lang=ja(シャトー・ムートン・ロートシルト公式サイト)

使用品種: カベルネ・ソーヴィニヨン( 89%)、メルロー (10%)、カベルネ・フラン(1%)

アルコール度数: 約13%

容量: 750ml

 

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