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Château Ausone
1855年ボルドー格付け 第1級
2025.08.27

石灰岩の丘から生まれる究極のエレガンス
『シャトー・オーゾンヌ』は、フランス・ボルドー地方のサン・テミリオン村に位置する、世界的に評価の高い赤ワインの名門シャトーです。その名は、紀元後4世紀にこの地で生涯を送ったローマの詩人アウソニウス(Ausonius)に由来し、詩情と歴史が息づくワイン造りの象徴とも言える存在です。
「シャトー・オーゾンヌ」は、サン・テミリオンの中でも特に優れた石灰岩の丘陵地に畑を構えており、南東向きの斜面は日照に恵まれ、風から守られた理想的な環境です。栽培面積はわずか7ヘクタールと非常に小規模で、使用されるブドウ品種はメルローとカベルネ・フランがほぼ半々。カベルネ・ソーヴィニヨンは一切使われておらず、右岸特有のエレガンスと深みを追求しています。平均樹齢は約45年と高く、収量も1ヘクタールあたり約35ヘクトリットルと極めて低く抑えられており、品質への徹底したこだわりが感じられます。
収穫はすべて手摘みで行われ、畑と醸造所の両方で厳密な選果が実施されます。発酵には野生酵母のみを使用し、マロラクティック発酵は100%新樽で行われます。軽い清澄はされますが、濾過は一切行われず、ワインの自然な構成要素を最大限に活かす造りが特徴です。熟成は19〜22ヶ月間、シャトーの地下セラーで行われ、瓶詰めもすべて自社で完結させる徹底ぶりです。
その味わいは、ベリー系果実の甘美なアロマにスパイスやミネラル感が重なり、力強さと優雅さが見事に融合した深いコクを持ちます。特に良年のヴィンテージは、100年以上の熟成にも耐えると言われるほどの長命性を誇り、世界中のワイン愛好家から「一度は飲んでみたいワイン」として憧れの的となっています。
かつてはサン・テミリオン格付けの最高位「プリミエ・グラン・クリュ・クラッセA」に君臨していましたが、2022年には格付け制度から自主的に撤退。これは、15年という評価期間ではオーゾンヌの真価を測れないという哲学的な判断によるもので、シャトーの矜持と独立性を象徴する出来事でした。
生産量は年間約2万本と極めて少なく、ペトリュスやシュヴァル・ブランと並び「ボルドー8大シャトー」の一角を担う存在です。希少性と品質の高さから、オーゾンヌはまさに“ボルドーのブルゴーニュ”とも称される、繊細かつ力強い芸術品のようなワインです。
■飲み方あれこれ
〇シャトー・オーゾンヌは、ただのワインではありません。これは“芸術品”です。飲むというより「体験する」もの。そんな特別なワインのおすすめの飲み方を、以下にご紹介します。
ヴィンテージを選ぶ
若いヴィンテージはまだ硬さがあり、最低でも10〜15年の熟成を経たものがおすすめ。例えば1982年や1995年などは、評論家からも高評価。
抜栓のタイミング
熟成されたオーゾンヌは抜栓後すぐに飲まず、2〜3時間のデキャンタージュがおすすめ。若いヴィンテージなら4時間以上のデキャンタージュで香りが開きます。
温度管理
サーブ温度は16〜18℃が理想。冷やしすぎると香りが閉じてしまいます。夏場は少し冷やしてから室温で戻すのがベスト。
グラス選び
大ぶりのボルドーグラスで香りを最大限に引き出しましょう。香りの層が複雑なので、グラスの形状が非常に重要です。
▶「シャトー・オーゾンヌ(ワイナリー)」のこと
「シャトー・オーゾンヌ」は、フランス・ボルドー地方のサン・テミリオン地区に位置する、世界的にも稀有な名門ワイナリーです。その歴史は非常に古く、名前の由来は4世紀のローマ詩人デキムス・マグヌス・アウソニウスにさかのぼります。彼がこの地に葡萄畑を所有していたとされ、シャトーの名はそのフランス語読み「オーゾンヌ」に由来しています。
「シャトー・オーゾンヌ」の畑は、サン・テミリオンの丘陵地に広がるわずか7ヘクタール。この小規模な畑から、年間約20,000本という極めて少量のワインが生産されます。畑は南東向きの急斜面にあり、日照と排水に優れた立地。土壌は石灰岩を含む粘土質で、これがワインに独特のミネラル感と複雑さを与えています。
栽培される品種は主にカベルネ・フラン(約55%)とメルロー(約45%)。平均樹齢は50年以上で、100年を超える古樹も存在します。栽培方法は有機農法とビオディナミ農法の要素を取り入れ、自然との共生を重視。果樹や芳香植物、昆虫や鳥類などの生態系も保護されており、環境への配慮が徹底されています。
収穫はすべて手作業で行われ、厳しい選果を経て醸造へ。低温マセラシオンの後、温度管理されたフレンチオークのタンクで自然酵母による発酵が行われます。マロラクティック発酵は新樽で行われ、熟成には100%新樽を使用し、最低でも19〜20カ月の樽熟成を経て瓶詰めされます。清澄は行うものの、ろ過は一切行わず、ワインの個性を最大限に引き出す製法が貫かれています。
このような徹底した品質管理と贅沢な造りによって、シャトー・オーゾンヌのワインは非常に長期熟成に耐えるポテンシャルを持ち、100年以上の熟成にも耐えるとされます。若いうちは閉じた印象を持つこともありますが、時間とともにその真価を発揮し、芳醇で奥深い香りと味わいが広がります。
現在はヴォーティエ家が所有し、アラン・ヴォーティエ氏とその娘ポリーヌ氏が中心となって運営。家族経営ならではの哲学と情熱が、シャトー・オーゾンヌの品格を支えています。
このワイナリーは、単なる高級ワインの生産者ではなく、ボルドー右岸の伝統と革新を体現する存在。ワイン愛好家にとっては、人生で一度は味わいたい“聖域”とも言えるでしょう。
▶シャトー・オーゾンヌの歴史(年表)
4世紀頃:
ローマの詩人アウソニウスがこの地に葡萄畑を所有していたと伝えられている。
1341年:
レスコート家が現在のオーゾンヌの土地を所有していた記録が残っている。
1592年:
「オーゾンヌ」という名称が文献に初めて登場(※)する。
1606年:
ピエール・シャトネが畑の一部を借り受け、後に買い増しを始める。
1769年:
ジャンヌ・シャトネがジャン・カントナと結婚し、畑を相続する。
1795年〜1810年:
ジャン・カントナが周辺の畑を買い集め、現在の敷地の基盤を築く。
1820年:
ジャン・カントナが単独所有者となり、シャトー・オーゾンヌの名声が高まる。
1871年:
フィロキセラ禍により畑が壊滅的な被害を受けるが、再植によって復興する。
20世紀初頭:
エドワール・デュボワが経営を担い、品質向上に尽力する。
1940年代:
デュボワ家とヴォーティエ家の間で所有権を巡る争いが起こる。
1995年:
アラン・ヴォーティエが醸造責任者となり、品質管理を徹底する。
1996年:
ヴォーティエ家が全株を取得し、単独所有となる。
2005年:
シャトー・オーゾンヌがサン・テミリオンの格付けで「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA」に再認定される。
2022年:
格付け制度から自ら撤退(※2)し、独立した評価を選択する。
■「オーゾンヌ」という名称が文献に初めて登場(※)
〇シャトー・オーゾンヌの名前は、4世紀にこの地に滞在したローマの詩人・政治家「アウソニウス」に由来しています。彼がこの地にブドウを植えたことが始まりとされており、まさに“詩的な”ワインのルーツ。
■格付け制度から自ら撤退(※2)
〇「シャトー・オーゾンヌ」は、サン・テミリオンの最上級格付け「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA」に長年君臨していたにもかかわらず、2022年に格付けから自ら撤退。これはワイン界にとって大きなニュースでした。理由は格付け制度への不満と、独自の品質哲学を貫くためとされています。
Data
生産者: シャトー・オーゾンヌ
生産地: ボルドー地方/サン・テミリオン地区
創業年: 正確な創業年は不明ですが、名前の由来となった詩人アウソニウスが4世紀にこの地に住んでいたことから、非常に古い歴史を持つとされています。
URL:
使用品種: カベルネ・フラン 65%、メルロー 35%(ヴィンテージによって変動あり)
アルコール度数: 約13%(ヴィンテージによって若干異なる)
容量: 750ml
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