とくべつじゅんまいしゅ くにまれ
暑寒山麓の清らかな伏流水で醸す純米酒の逸品
『特別純米酒 國稀』は酒造好適米・五百万石を55%まで磨き、丁寧に醸された辛口の純米酒。米の旨みや、円みのある落ち着いた味わいが特徴。コクのある料理の味を引き立ててくれる。冷やから常温、ぬる燗で飲むのがオススメ。
酒蔵には、来訪者のための見学施設も併設されており、酒造りの様子や試飲が年間を通して楽しむことができる。原料米も全国からさまざまな品種を取り寄せるなど、大消費地から離れた土地にあっても、新しい酒質の開発に研究熱心な蔵である。
・國稀酒造のこと
日本海に面したJR留萌線の終着駅増毛町。国稀酒造は現在、最も北に位置する日本酒蔵。創業は1882(明治15)年。新潟県佐渡の仕立て屋の三男として生まれた創業者・本間泰蔵氏は、23歳で小樽に渡り呉服店の番頭としてにしん漁で賑わう増毛にたびたび行商に訪れ、その後、1875(明治8)年にこの地で呉服商を始めた。
創業当初は「丸一本間」と名乗り呉服商の他、地域住民のための海運業やにしん漁にも手を広げた。さらに、本州からの移入に頼っていた日本酒を、どうにか道内で造れないかと考え、店の敷地内の酒造蔵で酒造りを始めた。20年間はこの蔵で酒造りを続けたが、次第に需要が大きくなり、1902(明治35)年に現在の場所に地元産の軟石を使った酒蔵を建て、この年に丸一本間合名会社と社名を改めた。
当初は、「國の誉」という酒名だったが、大正時代に陸軍大将・乃木希典との縁(※)にちなんで「国稀」と改められた。「国に稀な良い酒」という意を込めたものだといわれる。
会社設立から100年の時を経た2001(平成13)年には、「国稀酒造株式会社」と社名変更し、企業合同等を経ずに続いてきた単独の日本酒蔵としては、道内きっての歴史をもつ。現在でも石蔵や、大正時代に建てられた木造の店舗が使われている。
暑寒別岳は雪深く初夏の頃まで残雪に覆われ、そこから流れる雪解け水は、かつて北前船が飲料水を補給したほどの名水。南部杜氏の技で仕込まれる酒は、しっかりとした味わいでとくに辛口に定評がある。
「乃木希典との縁」(※)とは?
乃木希典(1849〜1912年)は長州藩の出身。江戸幕府の長州征伐の際、長府藩士で組織された報国隊に参加。戊辰 (ぼしん) 戦争、萩の乱や西南戦争の後、1886年からドイツに留学し軍制・戦術を研究。
日清戦争では歩兵第1旅団長、1896年には台湾総督就任となる。日露戦争では、第3軍司令官として旅順攻略に成功する。旅順要塞の西方に位置する二百三高地での攻防は、戦争史に残る大激戦となった。
この二百三高地の戦いには、旭川の第七師団が参加しておりたくさんの増毛町民も出兵していた。戦争終結後、戦没者を弔うための慰霊碑の碑文の揮毫を、乃木希典・元陸軍大将に依頼することとなった。
発起人であった本間泰蔵氏は、東京を訪れ乃木大将に面会、その器の大きな人となりに深い感銘を受けた。増毛町に戻った本間氏は、それまで酒名にしていた「國の誉」を、乃木大将の名から一字もらい「國稀」と改めることとした。しかし、「希」の字をそのまま使ったのでは余りにも畏れ多いと考え、「禾」へんをつけた「稀」としました。
Data
生産者:國稀酒造株式会社
住所:北海道増毛郡増毛町稲葉町1-17
創業:1882(明治15)年
TEL:0164-53-1050
URL:http://www.kunimare.co.jp/(直接注文可)
特定名称:純米酒
原料米&精米歩合:麹米、掛米ともに五百万石55%
アルコール度数:15.7%
酵母:―
日本酒度:+4~+6
酸度:1.4~1.6
容量:300ml、720ml、1800ml
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